第12-09-245号
掲載日:2012年 5月 7日
独立行政法人情報処理推進機構
技術本部 セキュリティセンター
IPA (独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)は、2012年4月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめました。
(届出状況の詳細PDF資料はこちら)
1. 今月の呼びかけ
「 あなたを狙うスマホアプリに要注意! 」
〜不正なアプリをインストールしてしまわないために〜
2012年4月、スマートフォン(Android OS)のアプリケーションの公式マーケットで、不審な動きをする不正なアプリが多数発見されました。公式マーケットに表示されるダウンロード総数から、おおよそ7万回以上のダウンロードが行われたと考えられます。
その不正なアプリは「ほかのスマートフォンOSで人気のアプリ」「有名なアプリ名、アイコンが使われている」「興味を持たせるキーワードが含まれている」といった、スマートフォン利用者に対して強い興味を抱かせる「だましのテクニック」が使われています。
不正なアプリをインストールし実行することで、スマートフォンの端末情報や、アドレス帳の中身が外部に送信されることが確認されています。個人情報やプライバシー情報が流出してしまうため、こうした情報が悪質な行為に利用される可能性があります。
ここでは、このような手口を明らかにし、被害にあわないための対策を解説します。

図1-1:不正なアプリが情報を流出させるイメージ図
項番 |
特徴 |
アプリ配布場所における名称 |
インストール後の名称 |
1
|
有名なアプリ、ほかのスマートフォンOSで人気のアプリ名を含む |
ウォーリーを探せ the Movie |
ユーチューブ動画 |
うまい棒をつくろう! the Movie |
youtube動画まとめ |
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ギャングハウンド the Movie |
グラビア動画 |
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スヌーピーストリート the Movie |
笑える動画 |
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チャリ走-the Movie |
ようつべ動画まとめ |
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ぴよ盛り the Movie |
面白動画まとめ |
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メガ盛ポテト the Movie |
芸能動画 |
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空手チョップ! The Movie |
ニコニコ動画まとめ |
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大盛モモ太郎 the Movie |
youtube動画 |
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桃太郎電鉄the Movie |
ようつべ動画 |
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魔界村騎士列伝 THE MOVIE |
暇つぶし動画 |
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連打の達人 the Movie |
ユーチューブ動画まとめ |
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2 |
個人的嗜好をくすぐる文字列を含む |
FC2動画まとめ the Movie |
怖い動画 |
けいおん-K-ON!動画 |
アニメ動画 |
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スク水動画まとめ |
美人動画 |
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3 |
実用性を感じさせる文字列を含む |
3D視力回復 THE MOVIE |
泣ける動画 |

| 図1-2:Google Playの 場合(例) |
図1-3:Google Play以外の 場合(例) |
図1-4:アプリに対して権限を許可 するイメージ図 |
| 権限(パーミッション)名 | 許可した場合にどうなるか(抜粋) | |
1 |
電話発信 | アプリが端末に付与されている電話番号や、端末識別番号、 SIM情報などを読み取ることができます。 電話の着信状態などの情報も読み取ることができます。 |
2 |
個人情報 | アプリがアドレス帳など連絡先データを読み取ることができます。 |
3 |
ネットワーク通信 | アプリがインターネットなどにある外部のサーバーと自由に 通信できます。 |

図1-5:テストした不正なアプリの簡易解析結果

図1-6:インストール済みアプリの権限(パーミッション)の確認方法とアンインストール方法
不正なアプリの種類 |
主な特徴 |
|
1 |
ワンクリック請求アプリ※1 |
電話番号などの端末情報を外部に送信する。 |
2 |
ボット型ウイルス※2 |
外部からの操作指令を受けてアドレス帳データやSMSの送信 をしたり、地図やWebページを表示したりする。 |
3 |
不正発信アプリ |
勝手に電話を発信する。(特定の国でのみ動作し、日本では 動かない。) |

| 図1-7:ワンクリック請求アプリ例 | 図1-8:ボット型ウイルス例 | 図1-9:不正発信アプリ例 |
@ |
スマートフォンをアップデートする。 |
A |
スマートフォンにおける改造行為を行わない。 |
B |
信頼できる場所からアプリケーション(アプリ)をインストールする。 |
C |
アンドロイド端末では、アプリをインストールする前に、アクセス許可を確認する。 |
D |
セキュリティソフトを導入する。 |
E |
スマートフォンを小さなパソコンと考え、パソコンと同様に管理する。 |

図1-10:「提供元不明のアプリ」のインストール許可設定画面

図1-11:権限(パーミッション)の確認画面

図1-12:アプリのダウンロードからインストールまでの流れ

図1-13:アプリの自動更新許可方法

図1-14:アプリの更新例
アプリは安心な配布場所から入手するようにして、ダウンロードの前にアプリが必要とする権限を確認し、インストール後にセキュリティアプリのスキャン結果を確認することを紹介しましたが、これ以外にも、一歩踏み込んだおすすめの対策として、「アプリをインストールする際の情報収集のコツ」を紹介します。
アプリを選ぶとき、画面にはたくさんの重要な情報が記載されています。その情報をできる限り読み取ってください。悪い評判や噂がある場合、ひとまず、インストールを控えることをお勧めします。
〜インストール前に行う情報収集の例〜
○レビュー記事に悪い評判は書かれていないか
○アプリ開発者が他に公開しているアプリの評判に、悪いものがないか
○開発者やアプリ名をインターネットで検索して、悪い評判や噂などはないか

図1-15:アプリに関する情報収集の例
4月のウイルスの検出数※1は、10,339個と、3月の15,841個から34.7%の減少となりました。また、4月の届出件数※2は、732件となり、3月の866件から15.5%の減少となりました。
※1 検出数 : 届出にあたり届出者から寄せられたウイルスの発見数(個数)
※2 届出件数: 同じ届出者から寄せられた届出の内、同一発見日で同一種類のウイルスの検出が複数ある場合は、1日何個検出されても届出1件としてカウントしたもの。
・4月は、寄せられたウイルス検出数10,339個を集約した結果、732件の届出件数となっています。

図2-1:ウイルス検出数

図2-2:ウイルス届出件数
4月は、別のウイルスを感染させようとするDOWNLOADER、オンラインバンキングのID/パスワードを詐取するBANCOSといった不正プログラムが増加傾向となりました。(図2-3参照)。
※ ここでいう「不正プログラムの検知状況」とは、IPAに届出られたものの中から「コンピュータウイルス対策基準」におけるウイルスの定義に当てはまらない不正なプログラムについて集計したものです。
※ コンピュータウイルス対策基準:平成12年12月28日(通商産業省告示 第952号)(最終改定)(平成13年1月6日より、通商産業省は経済産業省に移行しました。)
「コンピュータウイルス対策基準」(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/CvirusCMG.htm
図2-3:不正プログラムの検知件数推移
| 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 届出(a) 計 | 7 | 7 | 8 | 13 | 5 | 9 | |
| 被害あり(b) | 5 | 7 | 7 | 9 | 4 | 7 | |
| 被害なし(c) | 2 | 0 | 1 | 4 | 1 | 2 | |
| 相談(d) 計 | 69 | 42 | 35 | 37 | 54 | 46 | |
| 被害あり(e) | 14 | 13 | 9 | 14 | 10 | 9 | |
| 被害なし(f) | 55 | 29 | 26 | 23 | 44 | 37 | |
| 合計(a+d) | 76 | 49 | 43 | 50 | 59 | 55 | |
| 被害あり(b+e) | 19 | 20 | 16 | 23 | 14 | 16 | |
| 被害なし(c+f) | 57 | 29 | 27 | 27 | 45 | 39 | |
4月の届出件数は9件であり、そのうち何らかの被害のあったものは7件でした。
不正アクセスに関連した相談件数は46件であり、そのうち何らかの被害のあった件数は9件でした。
被害届出の内訳は、侵入4件、なりすまし3件でした。
「侵入」の被害は、ウェブページが改ざんされていたものが4件(内、ウイルスをダウンロードさせるように改ざんされていたものが2件)でした。侵入の原因は、CMSの脆弱性を悪用されたものが1件、ネットワーク経由のブルートフォース攻撃により管理者権限を奪われたものが1件、サーバーの設定不備が1件でした(他は原因不明)。
「なりすまし」の被害は、オンラインサービスに本人になりすまして何者かにログインされ、サービスを勝手に利用されていたものが2件、メールアカウント悪用されてスパムメールを送信されたものが1件、でした。
| 事 例 |
|
|---|---|
解 説 ・ 対 策 |
退職者のメールアカウントを廃棄せず放置しているうちに、第三者に乗っ取られて悪用されてしまった例です。 |
| 事 例 |
|
|---|---|
解 説 ・ 対 策 |
ウェブサイト改ざん被害に留まらず、ウイルス配布サイトとして悪用されてしまった例です。 ブルートフォース攻撃への対策は、パスワードを強固なものにすることが基本ですが、アカウントロック機能(ログインの試行回数を超えたアカウントへのアクセスを一時停止させる機能)を使用することも有効です。この機能を使用することで、攻撃者のログイン試行回数が減少し、結果として侵入される可能性が小さくなります。 サーバーOSの機能で、パスワードの複雑性や有効期間を強制できる場合は、その機能を使用することも検討してください。 |
4月のウイルス・不正アクセス関連相談総件数は750件でした。そのうち『ワンクリック請求』に関する相談が131件(3月:130件)、『偽セキュリティソフト』に関する相談が26件(3月:44件)、Winny に関連する相談が7件(3月:6件)、「情報詐取を目的として特定の組織に送られる不審なメール」に関する相談が3件(3月:3件)、などでした。
| 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合計 | 1,420 | 1,312 | 1,302 | 1,073 | 772 | 750 | |
| 自動応答システム | 746 | 790 | 760 | 645 | 427 | 428 | |
| 電話 | 561 | 451 | 485 | 362 | 287 | 270 | |
| 電子メール | 102 | 65 | 49 | 62 | 49 | 50 | |
| その他 | 11 | 6 | 8 | 4 | 9 | 2 | |
(備考)
IPA では、「情報セキュリティ安心相談窓口」を開設し、コンピュータウイルス・不正アクセス、Winny 関連、その他情報セキュリティ全般についての相談を受け付けています。
| メール | ![]() (これらのメールアドレスに特定電子メールを送信しないでください) |
| 電話番号 | 03-5978-7509 (24時間自動応答、ただし IPA セキュリティセンター員による相談受付は休日を除く月〜金、10:00〜12:00、13:30〜17:00のみ) |
| FAX | 03-5978-7518 (24時間受付) |
「自動応答システム」 : 電話の自動音声による応対件数
「電話」 : IPA セキュリティセンター員による応対件数
合計件数には、「不正アクセスの届出および相談の受付状況」における『相談(d) 計』件数を内数として含みます。

図4-1:ワンクリック請求相談件数の推移
| 相談 | インターネットに接続し、いろいろなサイトを見ていたのだが、変なサイト(アダルトサイトだと思う)を表示してしまったようでブラウザ画面が次々と表示されて、止まらなくなってしまった。その後、セキュリティソフトでは何も検出されなかった。パソコン再起動後、今は正常に使えている。 |
|---|---|
| 回答 | Internet Explorerのブラウザ画面が次々と出てきて、止まらなくなる現象という事ですが、これは「ブラウザクラッシャー」による症状と思われます。対処方法としてはブラウザのキャッシュをクリアし、再起動後、同様な症状が出ないか少し様子を見て下さい。今後の対策としては、不用意に変なサイトへアクセスしないことが最も大切です。またURLフィルタリング機能や有害サイトブロック機能付きの統合型セキュリティソフトを利用することが有効策となります。 |
| 相談 | 自分が所属している団体のブログ(WordPressを使用)がウイルスに感染しているのではないかと思っている。そのブログを見るとSystem Checkという偽セキュリティ対策ソフトに感染してしまうという報告が何件も届いている。ブログを正常に戻す方法を教えてもらえないか。ブログは、今も停止していない。 |
|---|---|
| 回答 | 現在レンタルサーバを利用し、簡単にブログを開設しているとの事ですが、そのブログで使われているシステムの脆弱性を突くことでSystem Checkという偽セキュリティ対策ソフト型ウイルスを感染させる仕掛けが仕込まれている可能性が高いです。まず、サイト内のページに身に覚えのないHTMLタグやスクリプト文が追加されていないか確認してください。また、ブログシステムのバージョンを確認し、必要に応じてWordPressや利用中のテーマ、プラグインのアップデートを必ず実施して下さい。 (ご参考)
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一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター:http://www.jpcert.or.jp/
@police:http://www.cyberpolice.go.jp/
フィッシング対策協議会:http://www.antiphishing.jp/
株式会社シマンテック:http://www.symantec.com/ja/jp/
トレンドマイクロ株式会社:http://jp.trendmicro.com/jp/home/
マカフィー株式会社:http://www.mcafee.com/japan/
株式会社カスペルスキー:http://www.viruslistjp.com/analysis/
独立行政法人 情報処理推進機構 技術本部 セキュリティセンター
TEL:03-5978-7591 FAX:03-5978-7518
E-mail: ![]()
(このメールアドレスに特定電子メールを送信しないでください)
URL:http://www.ipa.go.jp/security/
| 2012年 5月 7日 | 掲載 |
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