第07-14-109号
2007年 8月 2日
独立行政法人 情報処理推進機構
セキュリティセンター(IPA/ISEC)
独立行政法人 情報処理推進機構(略称 IPA、理事長:藤原 武平太)は、2007年7月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめました。
(届出状況の詳細PDF資料はこちら)
1. 今月の呼びかけ:
「忘れずに、ネットと心のファイアーウォール※ 」
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最近 IPA では、「子供がインターネットを利用していて、請求書が表示されるようになり、その画面が消えなくなってしまい、困っています」というような保護者の方からの相談を毎日のように受けています。これは、例としてアダルトサイトや出会い系サイトのような有害なサイト(以下「有害サイト」という)に、その危険性を知らずに興味本位で入り込んでしまった結果、パソコンに請求書を表示する不正プログラムが埋め込まれたためです。
この様な被害に遭わないためには、
(a)ウイルス対策ソフトを導入する。さらに、常に最新のパターンファイルに更新しておく。
(b)Microsoft Update や Windows Update、その他ソフトのアップデートを定期的に実施してセキュリティホールを解消する。
などの基本的な対策を実施するとともに、
(c)有害サイトに行かない、有害サイト内の写真や動画を安易にクリックしない。
(d)万が一有害サイト内の写真や動画をクリックして、セキュリティの警告画面が表示されても、無視をしないで内容を確認し、安易に不正プログラムをダウンロードしない。
などの心構えも重要です。
しかし、最善の予防策はインターネット上の有害サイトにはあらかじめアクセスできないようにしてしまうことです。予防策に必要なものとしては、インターネット上に存在する有害な情報を遮断することができる対策ソフト(フィルタリングソフト)や、プロバイダによる有害サイト遮断サービス(フィルタリングサービス)があります。保護者の方がこの様な予防策を行うことで、お子さんによる、インターネット上に公開されている有害な情報へのアクセスを未然に防ぐことができます。

フィルタリングソフトは、ウイルス対策ソフトに含まれていたり、単体のソフトとして購入することが出来ます。導入する場合は、ご利用中のウイルス対策ソフトメーカー又は、販売店にご相談ください。
夏休みなど長期の休みに入り、家庭でパソコンやインターネットを利用する機会が増えます。保護者の方は、お子さんがどのようにパソコンやインターネットを利用しているかを確認してください。また、以下のサイトを参照して、利用しているパソコンのセキュリティ対策を実施してください。その際に、親子でパソコンのセキュリティ対策やインターネットを安全に利用するための約束事を決めることをお薦めします。
請求書が表示された場合でも、慌てないようにしましょう。決してすぐにお金を振り込んだり、請求書の連絡先にメールや電話で問い合わせをしたりしてはいけません。一旦パソコンを再起動して、請求書が表示されるかを確認してください。再起動後に請求書が表示されなければ、そのまま無視してください。再起動後も請求書が表示される場合には、不正プログラムが埋め込まれていますので、以下の「システムの復元機能でシステムの状態を以前の正常な状態に戻す」を行ってください。それでも請求画面が消えない場合は、お使いのパソコンを初期化する必要があります。
以下のマイクロソフトのホームページを参考にして、「システムの復元」機能を使用してシステムを請求書が表示される前の日に戻すことを行ってください。
ただし、選択した任意の日から現在までに行われた、OSの設定変更やソフトウェアのインストール、アップデート等をした場合は、それらの情報は消えてしまいますので、システム復元後に再度実施してください。
なお、選択した任意の日から現在までに作成した文書や送受信したメール情報並びにホームページへのアクセス履歴やお気に入りは消えません。
パソコンを購入した時の状態に戻す作業を実施します。
実際の作業方法は、購入時に添付されている説明書に記載されている「購入時の状態に戻す」等の手順に沿って作業してください。
作業する前に重要なデータを外部媒体等に必ずバックアップしてから作業を行って下さい。

IPA では、「第3回 情報セキュリティ標語・ポスター」を募集しています。この夏休みを利用して御家族で話し合った内容を元に、情報セキュリティに関する標語やポスターに応募してみてはいかがでしょうか。締め切りは、2007年9月10日(月)です。
コンピュータウイルスやコンピュータへの不正な侵入などの被害にあわないために、「情報セキュリティ対策」の意識を高めるための標語及びポスターを、全国の小学生・中学生・高校生から募集します。入選作品は、報道発表し、IPAのホームページにも掲載します。
募集期間:2007年7月1日(日)〜2007年9月10日(月)
応募方法:電子メール、FAX、郵送
詳しくは、下記のホームページをご参照下さい。
http://www.ipa.go.jp/security/event/hyogo/2007/boshu.html
表彰:大賞(10万円)、金賞(7万円)、銀賞(5万円)、銅賞(3万円)
韓国情報保護振興院(KISA)賞(賞品)、その他、参加企業賞あり
お問い合わせ先
標語・ポスター募集に関するお問い合わせ先はこちらです。
独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター 山田/岸原
Tel: 03-5978-7508
Fax: 03-5978-7518
E-mail: ![]()
問い合わせ受付時間 9:30 - 18:30 月曜日〜金曜日
(祝祭日、振替休日を除く)
夏季休暇は、システム管理者が不在になる場合が予想され、ひとたびウイルス・ワーム感染や不正アクセスによる Web 改ざん・メール不正中継などの被害に遭うと不在期間中に被害範囲が拡大する可能性があります。
システム管理者の方は、ファイアウォールなどを適切に設定し、攻撃に対して確実に検出・対応できるようにするとともに、必要な修正プログラムを的確に適用するなど、日常のセキュリティ対策内容を再度確認して頂き、可能な対策を実施して、万全の体制を整えてください。
また、休暇中に自宅へパソコンを持ち帰るユーザも多くいると推測されるため、休暇明けの出勤時にはパソコンのワクチンソフトを最新の定義ファイルに更新した上でインターネットへ接続させ、必ずウイルスチェックをしてから LAN に接続させてください。さらに、新種ウイルスや新たなセキュリティホールが公開されていないか、情報収集を行い、必要があれば迅速に対策を実施するとともに、ユーザへ通知するなどを徹底するようにしてください。
その他、以下の対策情報などを参考に休暇に入る前に、対策の実施、体制の確立をしてください。
ウイルスの検出数(※1)は、 約51万個と、6月の50万個から3.4%の増加となりました。また、7月の届出件数(※2)は、3,069件となり、6月の2,898件から5.9%の増加となりました。
※1 検出数 : 届出にあたり届出者から寄せられたウイルスの発見数(個数)
※2 届出件数: 同じ届出者から寄せられた届出の内、同一発見日で同一種類のウイルスの検出が複数ある場合は、1日何個検出されても届出1件としてカウントしたもの。
・ 7月は、寄せられたウイルス検出数約51万個を集約した結果、3,069件の届出件数となっています。
検出数の1位は、W32/Netsky で約44万個 、2位は W32/Mytob で約1万個、3位は W32/Stration で約1万個でした。


| 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 届出(a) 計 | 23 | 13 | 15 | 19 | 41 | 10 | |
| 被害あり(b) | 14 | 9 | 12 | 13 | 36 | 8 | |
| 被害なし(c) | 9 | 4 | 3 | 6 | 5 | 2 | |
| 相談(d) 計 | 50 | 43 | 31 | 37 | 27 | 25 | |
| 被害あり(e) | 28 | 20 | 20 | 21 | 11 | 11 | |
| 被害なし(f) | 22 | 23 | 11 | 16 | 16 | 14 | |
| 合計(a+d) | 73 | 56 | 46 | 56 | 68 | 35 | |
| 被害あり(b+e) | 42 | 29 | 32 | 34 | 47 | 19 | |
| 被害なし(c+f) | 31 | 27 | 14 | 22 | 21 | 16 | |
7月の届出件数は10件であり、そのうち被害のあった件数は8件でした。
不正アクセスに関連した相談件数は25件(うち1件は届出件数としてもカウント)であり、そのうち何らかの被害のあった件数は11件でした。
被害届出の内訳は、侵入3件、その他(被害あり)5件でした。
侵入届出の被害内容は、外部サイトを攻撃するための踏み台になっていたものが2件、フィッシング(*1)に悪用するためのコンテンツを設置されていたものが1件、でした。侵入の原因は、パスワードクラッキング(*2)攻撃によるものが2件などでした。
| 事 例 |
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|---|---|
| 解 説 ・ 対 策 |
非定常作業だったため、チェックが行き届かなかったようです。このように、わずかな油断でも攻撃者は見逃しません。たとえ一時的でも外部にサービスを公開する際は、チェックリストなどを利用して設定ミスが生じないよう、細心の注意を払いましょう。 (参考)
|
| 事 例 |
|
|---|---|
| 解 説 ・ 対 策 |
今までも大手のポータルサイトにおいて無料で取得できるアカウントが、第三者に勝手に使われてしまったという事例がありました。最近話題の SNS にも多くの人が集まるため、悪意のあるユーザに狙われてしまう傾向にあります。パスワードは推測されにくいものにするとともに、特に用事が無くても定期的にアクセスし、勝手に使われていないかどうか確認すると良いでしょう。定期的にパスワードを変更することも、有効な対策となります。 (参考)
|
7月の相談総件数は1,162件と、集計を始めてから最高の件数でした。そのうち『ワンクリック不正請求』に関する相談が316件(6月:285件)で今までの最悪値に並び、『セキュリティ対策ソフトの押し売り』行為に関する相談が16件(6月:12件)、Winny に関連する相談が19件(6月:11件)などでした。
| 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合計 | 1,019 | 1,127 | 827 | 814 | 932 | 1,162 | |
| 自動応答システム | 603 | 697 | 486 | 484 | 537 | 694 | |
| 電話 | 336 | 376 | 279 | 254 | 339 | 402 | |
| 電子メール | 75 | 54 | 58 | 69 | 53 | 65 | |
| その他 | 5 | 0 | 4 | 7 | 3 | 1 | |
※IPA では、コンピュータウイルス・不正アクセス、Winny 関連、その他情報セキュリティ全般についての相談を受け付けています。
メール:
(ウイルス)、
(不正アクセス)
(Winny緊急相談窓口)、
(その他)
電話番号: 03-5978-7509(24時間自動応答、ただし IPA セキュリティセンター員による相談受付は休日を除く月〜金、10:00〜12:00、13:30〜17:00のみ)
FAX: 03-5978-7518 (24時間受付)
※ 「自動応答システム」 : 電話の自動音声による応対件数
「電話」 : IPA セキュリティセンター員による応対件数
※ 合計件数には、「不正アクセスの届出および相談の受付状況」における『相談(d) 計』件数を内数として含みます。


主な相談事例は以下の通りです。
| 相談 | いつも見ている有名な金融情報サイトをある日開いたら、ウイルス対策ソフトが警告を発した。どうしたらよいのか。 |
|---|---|
| 回答 | ウイルス対策ソフトによって、ウイルス感染は防がれたはずです。が、念のためパソコン内を手動でウイルスチェックしてみましょう。このケースでは、サイトが侵入、改ざんされて、サイトにアクセスしたパソコンにウイルスをダウンロードさせてしまうようになっていたのです。しかし、適切なウイルス対策を実施していれば問題はありません。 (ご参考)
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| 相談 | ウイルス対策ソフトが、「不正アクセスされています」と警告を出す。処理方法が分からない。インターネットにつながらない。無線 LAN を使っているが、それが原因か。 |
|---|---|
| 回答 |
無線LANは、セキュリティ設定をおろそかにすると簡単に侵入を許してしまいますので、注意が必要です。無線LANアクセスポイントと、パソコン側の無線LANアダプタの設定を確認しましょう。工場出荷時の設定をそのまま使うことなく、自身で変更しましょう。特に、暗号化は必須です。また、アクセスポイントの識別子(SSID)を外部に発信しない(ステルス設定などと呼ばれる)ことで、脅威に晒される機会を減らすことができます。 (ご参考)
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インターネット定点観測(TALOT2)によると、2007年7月の期待しない(一方的な)アクセスの総数は、10観測点で282,889件ありました。1観測点で1日あたり277の発信元から913件のアクセスがあったことになります。
TALOT2 での1観測点の環境は、インターネットを利用される一般的な接続環境と同一なので、インターネットを利用される皆さんの環境へも同じくらいの一方的なアクセスがあると考えられます。言い換えれば、あなたのコンピュータは、毎日、平均して、277人の見知らぬ人(発信元)から、発信元一人当たり3件の不正と思われるアクセスを受けていると言うことになります。

2007年2月〜2007年7月までの各月の1観測点での1日あたりの平均アクセス数および、それらのアクセスの平均発信元数を図6.1に示します。この図を見ると、期待しない(一方的な)アクセスは、緩やかですが減少傾向にあるようです。
2007年7月のアクセス状況は、全体的に6月と同じで定常化していると言えます。その中において、Microsoft SQL Server のぜい弱性を狙った、1433/tcp のアクセスや、Symantec 社のセキュリティ対策ソフトのぜい弱性を狙った、2967/tcp のアクセスなど、アプリケーションソフトウェアのぜい弱性を狙ったアクセスが増加しました。
2007年7月の後半辺りから、1433/tcp ポートのアクセスが増加しました。これは、Microsoft SQL Server のぜい弱性を狙ったもので、主に中国や日本からのアクセスです。

日本からのアクセスの中には、Windows のぜい弱性を狙った、135/tcp、139/tcp、445/tcp を同時に狙ったアクセスも多いことから、ボット(*5)に感染したコンピュータからの感染活動(ボットの感染を広げようとしているアクセス)と思われます。
日本以外のアクセスを見てみると、中国、韓国、香港などからは、Symantec 社のセキュリティ対策ソフトのぜい弱性を狙った、2967/tcp や、MySQL(オープンソースSQLデータベース)の稼動するサーバを狙った、3306/tcp を同時に狙ったアクセスもあります。(図6.3、6.4参照)
これらのアクセスは、日本で感染活動しているボットとは異なる種類のボットに感染したコンピュータからの感染活動と思われます。これにより、未だにボットに感染しているコンピュータが多いことが伺えます。
ボットは、感染していることに気づきにくいウイルスです。下記のサイトより、駆除ツールをダウンロードし、手順にしたがってボットの駆除を実行することをお勧めします。
(参考情報)

このほかに、リモートアクセスツール RealVNC のぜい弱性を狙っていると思われる 5900/tcp ポートへのアクセスについても、同じタイミングで増加しました。(図6.5参照)
このアクセスは、リモートから攻撃先のコンピュータへ侵入を試みるものであり、このようなツールを利用して、サーバを運用しているシステムの管理者は、運用方法の再点検やぜい弱性の解消を怠らないようにして下さい。
<参考情報>
お問い合わせ先:
独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター(IPA/ISEC)
(ISEC:Information technology SEcurity Center)
TEL:03-5978-7527 FAX:03-5978-7518
E-mail: ![]()
URL:http://www.ipa.go.jp/security/