2007年 6月 4日
独立行政法人 情報処理推進機構
セキュリティセンター(IPA/ISEC)
独立行政法人 情報処理推進機構(略称 IPA、理事長:藤原 武平太)は、2007年5月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめました。
(届出状況の詳細PDF資料はこちら)
1. 今月の呼びかけ:
「そのアプリケーションソフトには、セキュリティホールはありませんか? 」
現在、一般で広く利用されているアプリケーションソフトの中には、セキュリティホール(セキュリティ上の弱点)(*1)が報告されているものが少なからず存在しています。また、悪意のある人がインターネットに接続されているコンピュータ上のアプリケーションソフト等にセキュリティホールが無いか、いろいろな手口で日々探しまわっています。
当機構への4月、5月のウイルス・不正アクセスの届出の中でも、コンピュータを管理するアプリケーションソフトで発見されたセキュリティホールから侵入されて被害を受けたとの届出が目立ちました。
アプリケーションソフトとは、ワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフト、メールソフト、音楽や動画等を録画・再生するソフト、PDF ファイルを作成・表示するソフト等をいいます。これらのソフトは毎日のように利用されており、仕事や生活に必要不可欠なものとなっています。
このため、オペレーティングシステム(OS)だけでなく、パソコンに入っていてもこれまでほとんど利用していなかったものを含め、アプリケーションソフトにもセキュリティホール対策が必要であることを認識してください。日頃からアプリケーションソフトのセキュリティホール情報の有無を確認するなどして、セキュリティホール情報が発見された場合には、パッチ(修正プログラム)を当てるなどして、早急にセキュリティホールの解消を行う必要があります。

当機構では経済産業省告示「ソフトウェア等脆弱性関連情報取扱基準」に基づき、アプリケーションソフト等のセキュリティホール関連情報の届出を受け付けており、四半期ごとに届出状況の報告を行っております。
その状況報告の2007年第1四半期(1月〜3月)の報告によると、アプリケーションソフトのセキュリティホールを発見して届出を受け付けた件数は36件(2004年7月からの累計件数455件)あります。その届出状況では、アプリケーションソフトにセキュリティホールがある場合にどのような被害が想定されるかをまとめており、主な想定される被害は以下のとおりとなっています。
− 任意のスクリプト(侵入者の意図する操作手続き)の実行
− 任意のコード(攻撃用プログラム)の実行
− 情報漏えい
− ID、パスワードの漏えい
− なりすまし
− サービス不能 等
これらの被害を実際に受けた場合は、金銭的な損失や業務への影響等の被害だけでなく、「なりすまし」などによりいつの間にか、加害者となってしまうこともあります。
上記(3)の様な被害に遭わないためには、セキュリティホールを解消する必要があります。そのためには、アプリケーションソフトのバージョン管理が重要になります。そこで以下の対策を行うことが必要となります。
経済産業省では、アプリケーションソフト等のセキュリティホール関連情報流通の枠組みとして、官民連携による「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」(以下、「枠組み」という)を構築しています。具体的な取り組みは以下のとおりです。この取り組みを活用してアプリケーションソフトのセキュリティホール情報の収集をすることができます。
その他、アプリケーションソフトのセキュリティ対策を強化するために、IT 及び情報セキュリティ関連のニュースサイト等をチェックして、利用しているアプリケーションソフトのセキュリティ関連情報等の収集を実施することをお勧めします。
参考URLウイルスの検出数(※1)は、 約77万個と、4月の62万個から24.3%の増加となりました。また、5月の届出件数(※2)は、3,383件となり、4月の3,199件から5.8%の増加となりました。
※1 検出数 : 届出にあたり届出者から寄せられたウイルスの発見数(個数)
※2 届出件数: 同じ届出者から寄せられた届出の内、同一発見日で同一種類のウイルスの検出が複数ある場合は、1日何個検出されても届出1件としてカウントしたもの。
・ 5月は、寄せられたウイルス検出数約77万個を集約した結果、3,383件の届出件数となっています。
検出数の1位は、W32/Netsky で約51万個 、2位は W32/Sober で約15万個、3位は W32/Stration で約4万個でした。


| 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 届出(a) 計 | 10 | 32 | 23 | 13 | 15 | 19 | |
| 被害あり(b) | 9 | 22 | 14 | 9 | 12 | 13 | |
| 被害なし(c) | 1 | 10 | 9 | 4 | 3 | 6 | |
| 相談(d) 計 | 40 | 52 | 50 | 43 | 31 | 37 | |
| 被害あり(e) | 23 | 25 | 28 | 20 | 20 | 21 | |
| 被害なし(f) | 17 | 27 | 22 | 23 | 11 | 16 | |
| 合計(a+d) | 50 | 84 | 73 | 56 | 46 | 56 | |
| 被害あり(b+e) | 32 | 47 | 42 | 29 | 32 | 34 | |
| 被害なし(c+f) | 18 | 37 | 31 | 27 | 14 | 22 | |
5月の届出件数は19件であり、そのうち被害のあった件数は13件でした。
不正アクセスに関連した相談件数は37件(うち7件は届出件数としてもカウント)であり、そのうち何らかの被害のあった件数は21件でした。
被害届出の内訳は、侵入5件、メール不正中継2件、アドレス詐称1件、その他(被害あり)5件でした。
侵入届出の被害内容は、フィッシング(*2)に悪用するためのコンテンツを設置されていたものが2件、外部サイトを攻撃するための踏み台になっていたものが2件、サーバ内データの破壊が1件でした。侵入の原因は、プログラムのぜい弱性(*1)を突かれたものが3件(サーバ管理ツール2件、コンピュータの遠隔操作ソフト1件)、パスワードクラッキング(*3)攻撃によるものが2件(うち SSH(*4)で使用するポート(*5)への攻撃が1件)でした。
| 事 例 |
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|---|---|
| 解 説 ・ 対 策 |
パスワード認証は、基本的には時間を掛ければ破られてしまうという大原則を認識しましょう。ログのチェックをこまめに実施するのはもちろんのこと、IP アドレスやドメインなどによる接続許可制限を施したり、無制限にパスワードクラッキングされ続けないような対策(一定回数のログイン失敗で、アカウントをロックするなど)をしたりすることが有効です。 (参考)
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| 事 例 |
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|---|---|
| 解 説 ・ 対 策 |
侵入はされていなかったものの、ウェブアプリケーションに対する SQL インジェクション(*10)攻撃を回避し切れず SQL クエリを実行されてしまい、想定範囲外のエラーを引き起こされていたものと推測されます。データベースアクセスエラーには、攻撃に役立つ情報が満載な上、様々な ID に対するエラー情報を収集すると、データベース内のデータをそっくりそのまま再構築することが可能になることもあります。ウェブアプリケーションのぜい弱性を解消することが根本的な解決策となりますが、もしエラーを表示させる場合でも必要最小限の情報に留めることで、攻撃された場合でも被害を軽減できます。 (参考)
|
5月の相談総件数は814件でした。そのうち『ワンクリック不正請求』に関する相談が185件(4月:205件)、『セキュリティ対策ソフトの押し売り』行為に関する相談が19件(4月:17件)、Winny に関連する相談が6件(4月:7件)などでした。
| 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合計 | 680 | 946 | 1,019 | 1,127 | 827 | 814 | |
| 自動応答システム | 394 | 582 | 603 | 697 | 486 | 484 | |
| 電話 | 222 | 324 | 336 | 376 | 279 | 254 | |
| 電子メール | 59 | 39 | 75 | 54 | 58 | 69 | |
| その他 | 5 | 1 | 5 | 0 | 4 | 7 | |
※IPA では、コンピュータウイルス・不正アクセス、Winny 関連、その他情報セキュリティ全般についての相談を受け付けています。
メール:
(ウイルス)、
(不正アクセス)
(Winny緊急相談窓口)、
(その他)
電話番号: 03-5978-7509(24時間自動応答、ただし IPA セキュリティセンター員による相談受付は休日を除く月〜金、10:00〜12:00、13:30〜17:00のみ)
FAX: 03-5978-7518 (24時間受付)
※ 「自動応答システム」 : 電話の自動音声による応対件数
「電話」 : IPA セキュリティセンター員による応対件数
※ 合計件数には、「不正アクセスの届出および相談の受付状況」における『相談(d) 計』件数を内数として含みます。


| 相談 | ニュースで話題になっていたジェットコースター事故のことを知りたくて検索サイトで調べていたら、事故映像を掲載しているというサイトがリスト内にあった。早速クリックしてみたら、個人が開設しているブログサイトだった。ニュースを一通り読み進め、「衝撃映像はこちら」というリンクがあったのでクリックしたら、有名な動画投稿サイトらしき画面に遷移した。プレイボタンをクリックしたら「規約に同意されますか?」という画面が出て、安易に「はい」をクリックしてしまったら、何かデータをダウンロードされたような画面が表示され、さらに入会金50,000円の請求書が表示された。 |
|---|---|
| 回答 | アダルトサイト以外でも、"芸能人裏情報"や"衝撃映像"といった誘い文句で待ち受けている悪質なワンクリック不正請求サイトが存在しています。検索でヒットしたサイトは、安全なものばかりではないことを十分認識し、注意してアクセスしなければなりません。さらに、興味本位でどんどんクリックして先に進むのは控えましょう。請求書画面が出現する前に、必ず"年齢認証"や"入会規約"などの確認画面があるはずです。そこには、その先で提供されるサービスが有料であることが明示されているケースがほとんどです。クリックする前に、画面に表示されているメッセージをしっかりと読むことも、被害を防止するために重要な心掛けとなります。 (ご参考)
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| 相談 |
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|---|---|
| 回答 | ファイル交換ソフトを使う上での脅威として、暴露型ウイルスの他にファイルを破壊(上書き)するタイプのウイルスも存在します。出所の不明なファイルを開くことは、ウイルス対策の観点で見れば最も危険な行為です。ウイルスに感染したくないのであれば、ファイル交換ソフトの利用を止めることも有効な対策の一つです。何か問題が発生してからでは、取り返しがつきません。 (ご参考)
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インターネット定点観測(TALOT2)によると、2007年5月の期待しない(一方的な)アクセスの総数は、10観測点で209,499件ありました。1観測点で1日あたり321の発信元から1,164件のアクセスがあったことになります。
TALOT2 での1観測点の環境は、インターネットを利用される一般的な接続環境と同一なので、インターネットを利用される皆さんの環境へも同じくらいの一方的なアクセスがあると考えられます。言い換えれば、あなたのコンピュータは、毎日、平均して、321人の見知らぬ人(発信元)から、発信元一人当たり4件の不正と思われるアクセスを受けていると言うことになります。

2006年12月〜2007年5月までの各月の1観測点での1日あたりの平均アクセス数および、それらのアクセスの平均発信元数を図5.1に示します。
2007年5月のアクセス状況は、全体的に4月と同じで定常化していると言えます。
注意)
5月は TALOT2 システム保守の為、5月1日から5月18日までの観測データで発表しておりますことをご了承下さい。
5月は観測データが少ない中で、137/udp ポートへのアクセスが目立ちました。これはネットワークサービスである、NetBIOS※ の Windows のぜい弱性を狙ったアクセスと考えられます。
図5.2に、2007年4月から2ヶ月間の、137/udp ポートへの発信元地域別アクセス数の変化を示します。

※ NetBIOS(ネットバイオス:Network Basic Input/Output System)
ネットワーク上でプログラムが使用する関数。Windows では、NetBEUI(ネットビューイ:NetBIOS Extended User Interface)プロトコルと組み合わせて、小規模なネットワーク環境で使用される。

コンピュータウイルスやコンピュータへの不正な侵入などの被害にあわないために、「情報セキュリティ対策」の意識を高めるための標語及びポスターを、全国の小学生・中学生・高校生から募集します。入選作品は、報道発表し、IPAのホームページにも掲載します。
募集期間:2007年7月1日(日)〜2007年9月10日(月)
応募方法:電子メール ![]()
FAX 03-5978-7518
郵送 〒113-6591
東京都文京区本駒込2-28-8
情報処理推進機構(IPA) セキュリティセンター
情報セキュリティ標語・ポスター事務局 宛
詳しくは、下記のホームページをご参照下さい。
http://www.ipa.go.jp/security/event/hyogo/2007/boshu.html
表彰:大賞(10万円)、金賞(7万円)、銀賞(5万円)、銅賞(3万円)
韓国情報保護振興院(KISA)賞(賞品)、その他、参加企業賞あり
お問い合わせ先
標語・ポスター募集に関するお問い合わせ先はこちらです。
独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター 山田/岸原
Tel: 03-5978-7508
Fax: 03-5978-7518
E-mail: ![]()
問い合わせ受付時間 9:30 - 18:30 月曜日〜金曜日
(祝祭日、振替休日を除く)
お問い合わせ先:
独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター(IPA/ISEC)
(ISEC:Information technology SEcurity Center)
TEL:03-5978-7527 FAX:03-5978-7518
E-mail: ![]()
URL:http://www.ipa.go.jp/security/