2007年 3月 2日
独立行政法人 情報処理推進機構
セキュリティセンター(IPA/ISEC)
独立行政法人 情報処理推進機構(略称 IPA、理事長:藤原 武平太)は、2007年2月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめました。
(届出状況の詳細PDF資料はこちら)
今月の呼びかけ:
「 いつも誰かにどこかから狙われています!! 」
IPA のインターネットの観測状況をみると、昨年後半からインターネット上のセキュリティホール対策などが取られていないコンピュータを探すことを目的と考えられるアクセスの増加傾向がみられます。

図1: 1観測点での1日あたりの平均アクセス数と発信元数
このようなアクセスを行う目的として、ボット、ワーム等の不正なプログラムを感染させようとするものが考えられます。この他にも色々な脅威が考えられますので、インターネットに繋ぐと、さまざまな不正なアクセスを受ける可能性のある状態になっている事を認識して、インターネットを利用することが必要になります。
こうしたことからお使いのコンピュータを守るためには、日頃のセキュリティホール対策(OS やワープロなどの各種ソフトウェアのアップデート)の実施だけでなく、OS に内蔵された Windows ファイアウォールなどのファイアウォールの利用をお奨めします。
オンラインゲーム等の利用で Windows ファイアウォールを[無効]にするといった本来推奨されない設定をしている場合は、設定を確認して必ず[有効]に戻しましょう。
注) 国内の大手インターネットサービスプロバイダー(ISP)の内、大手10社の ISP で日本におけるインターネット接続の 80% をカバーしており、 IPA においてもその大手10社の ISP と一般利用者と同じADSLによるインターネット接続を行って、脆弱性を突こうとするインターネット上の動きに対して状況把握などを行い、監視を継続して行っています。詳細は、別紙4の4頁を参照してください。
Windows ファイアウォールを有効にするための基本的な設定は以下の通りです。
操作手順:
「スタート」→「設定」→「コントロールパネル」→
「Windows セキュリティ センター」→「Windows ファイアウォール」

「
」→「コントロールパネル」→「セキュリティ」→
「Windows ファイアウォールの有効化または無効化」
※管理者のパスワードまたは確認を求められた場合は、パスワードを入力するか、確認情報を提供します。

(届出状況及び被害事例の詳細は、「3.コンピュータ不正アクセス届出状況」を参照)
(相談受付状況及び相談事例の詳細は、「5.相談受付状況」を参照)
IPAで行っているインターネット定点観測について、初めて包括的で詳細な解説を行っています。
ウイルスの検出数(※1)は、 約69万個と、1月の約102万個から32.3%の減少となりました。また、2月の届出件数(※2)は、3,098件となり、1月の3,513件から11.8%の減少となりました。
※1 検出数 : 届出にあたり届出者から寄せられたウイルスの発見数(個数)
※2 届出件数: 同じ届出者から寄せられた届出の内、同一発見日で同一種類のウイルスの検出が複数ある場合は、1日何個検出されても届出1件としてカウントしたもの。
・ 2月は、寄せられたウイルス検出数約69万個を集約した結果、3,098件の届出件数となっています。
検出数の1位は、W32/Netsky で約51万個 、2位は W32/Nuwar で約6万個、3位は W32/Sality で約4万個でした。


W32/Nuwar ウイルスは、IPA に初めて届出された2006年12月から2007年1月、2月と継続して高水準の届出となっており、蔓延している状況を示しています。このウイルスは、感染したPC から大量のメールを配信することにより感染を拡げるタイプです。感染したユーザは、PC を乗っ取られたり、個人情報が盗まれるなどの被害に遭っています。
W32/Nuwar は、大量のメールを配信することにより感染を拡げるタイプのウイルスで、感染した PC の中に trojan_small という名称の他の不正なプログラムを取り込む機能を持ったファイルを作成します。その後 trojan_small が動作することにより、スパイウェアなどをインターネットから取込み、個人情報が盗まれたり、大事なファイルが削除されたりするなどの被害を起こす可能性があります。
この様なウイルスの被害に遭わないため及び被害を拡大しないために、以下の対策を実施してください。
| 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 届出(a) 計 | 46 | 22 | 24 | 10 | 32 | 23 | |
| 被害あり(b) | 21 | 15 | 8 | 9 | 22 | 14 | |
| 被害なし(c) | 25 | 7 | 16 | 1 | 10 | 9 | |
| 相談(d) 計 | 35 | 53 | 30 | 40 | 52 | 50 | |
| 被害あり(e) | 26 | 37 | 20 | 23 | 25 | 28 | |
| 被害なし(f) | 9 | 16 | 10 | 17 | 27 | 22 | |
| 合計(a+d) | 81 | 75 | 54 | 50 | 84 | 73 | |
| 被害あり(b+e) | 47 | 52 | 28 | 32 | 47 | 42 | |
| 被害なし(c+f) | 34 | 23 | 26 | 18 | 37 | 31 | |
2月の届出件数は23件であり、そのうち被害のあった件数は14件でした。
不正アクセスに関連した相談件数は50件(うち8件は届出件数としてもカウント)であり、そのうち何らかの被害のあった件数は28件でした。
被害届出の内訳は、侵入6件、DoS 攻撃1件、アドレス詐称1件、その他(被害あり)6件でした。
侵入届出の被害内容は、外部サイトを攻撃するための踏み台にされていたものが5件、フィッシング(*1)に悪用するためのコンテンツを設置されていたものが1件でした。侵入の原因は、SSH(*2)で使用するポート(*3)への攻撃を受けてパスワードが破られたと思われたこと、OS やサーバソフトのぜい弱性を突かれたことでした。
| 事 例 |
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|---|---|
| 解 説 ・ 対 策 |
外部からの接続許可制限が無かったことで狙われてしまい、パスワードクラッキング(*4)攻撃を受けたものと思われます。さらに踏み台として悪用され、被害を拡大させてしまった残念な例です。
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| 事 例 |
|
|---|---|
| 解 説 ・ 対 策 |
企業のウェブサイトなど24時間稼動しているサーバは常に狙われていることを、改めて認識しましょう。侵入などの被害に遭わないためにも日頃からぜい弱性情報に気を配り、セキュリティパッチをタイムリーに適用していくことが、最も基本的かつ重要な対策となります。さらに、アクセスログをこまめにチェックすることで、万が一の際でも被害を最小限に食い止めることができます。 (参考)
|
2月の相談総件数は1,019件でした。そのうち『ワンクリック不正請求』に関する相談が287件(1月:233件)と今までで最悪となり、その他は『セキュリティ対策ソフトの押し売り』行為に関する相談が22件(1月:17件)、Winny に関連する相談が14件(1月:13件)などでした。
| 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合計 | 933 | 1,002 | 711 | 680 | 946 | 1,019 | |
| 自動応答システム | 575 | 580 | 423 | 394 | 582 | 603 | |
| 電話 | 302 | 326 | 214 | 222 | 324 | 336 | |
| 電子メール | 51 | 93 | 72 | 59 | 39 | 75 | |
| その他 | 5 | 3 | 2 | 5 | 1 | 5 | |
※IPA では、コンピュータウイルス・不正アクセス、Winny 関連、その他情報セキュリティ全般についての相談を受け付けています。
メール:
(ウイルス)、
(不正アクセス)
電話番号: 03-5978-7509(24時間自動応答、ただし IPA セキュリティセンター員による相談受付は休日を除く月〜金、10:00〜12:00、13:30〜17:00のみ)
FAX: 03-5978-7518 (24時間受付)
※ 「自動応答システム」 : 電話の自動音声による応対件数
「電話」 : IPA セキュリティセンター員による応対件数
※ 合計件数には、「不正アクセスの届出および相談の受付状況」における『相談(d) 計』件数を内数として含みます。

ワンクリック不正請求についての対策については下記をご参照ください。

セキュリティ対策ソフトの押し売り行為については下記をご参照ください。
主な相談事例は以下の通りです。
| 相談 | 芸能人の情報を検索サイトで調べ、ファンが作ったと思われるブログを見つけた。アクセスしてみると、芸能人の画像が貼り付けてあった。「もっと見たい方はこちら」というリンクをクリックしたら、いきなりアダルトサイトにジャンプした。びっくりしたが、ちょっと興味があったので「無料動画」などと書かれていたリンクをクリックしたら、年齢認証や入会規約などが表示された。よく読まずに[OK]をクリックしたら、サイトの利用料金の請求書が現れた。 |
|---|---|
| 回答 | まずは慌てずに、パソコンを再起動してみましょう。それで請求書が現れないのであれば、何も心配する必要は無いケースがほとんどです。2月に IPA に寄せられたワンクリック不正請求関連相談のうち、約3割はこのようなケースでした。アダルトサイト以外から誘導されるケースが急増しており、油断は禁物です。突然アダルトサイトにジャンプしたとしても興味本位でその先に進むのは控えましょう。なお、入会規約にはその先で提供されるサービスが有料であることが明示されているケースがほとんどです。クリックする前に、画面に表示されているメッセージをしっかりと読むことも、被害を防止するために重要な心掛けとなります。 |
| 相談 | 以下のようなメールが届いたが、差出人アドレスや本文中のリンク先アドレスがヤフーではないようなので、クリックすることは控えた。 To: ●●@yahoo.co.jp Subject: Yahoo! JAPAN - ユーザーアカウント継続手続き --------------------------------------------------- Yahoo! JAPAN - ユーザーアカウント継続手続き --------------------------------------------------- このメッセージは、Yahoo! JAPAN より自動的に送信されています。 (略) 詳しくはユーザーアカウント継続手続きページをご覧ください |
|---|---|
| 回答 | このようにサービス運用会社や金融機関からのメールと思わせ、本文中のリンクをクリックさせようとする、フィッシングの手口に注意しましょう。クリックすると、本物そっくりに作られた個人情報入力ページに誘導されてしまいます。
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インターネット定点観測(TALOT2)によると、2007年2月の期待しない(一方的な)アクセスの総数は、10観測点で330,685件ありました。1観測点で1日あたり345の発信元から1,378件のアクセスがあったことになります。
TALOT2 での1観測点の環境は、インターネットを利用される一般的な接続環境と同一なので、インターネットを利用される皆さんの環境へも同じくらいの一方的なアクセスがあると考えられます。言い換えれば、あなたのコンピュータは、毎日、平均して、345人の見知らぬ人(発信元)から、発信元一人当たり4件の不正と思われるアクセスを受けていると言うことになります。

2006年8月〜2007年2月までの各月の1観測点での1日あたりの平均アクセス数および、それらのアクセスの平均発信元数を図5.1に示します。この図を見ると、期待しない(一方的な)アクセスは、2007年1月に比べて多少の減少傾向で、ほぼ2006年12月の状況に戻りました。この減少傾向は、Ping(ICMP※)の安定化およびコンピュータの脆弱性を狙ったアクセスの安定化が原因と思われます。
全体的なアクセス内容については、定常化していると言え、ボットに感染したコンピュータからのボット感染活動(コンピュータのぜい弱性を狙い、ボットの感染を広げようとしているアクセス)のためのアクセスが主流であると考えられます。
※ Internet Control Message Protocol : 相手のコンピュータが動作中であるか、調べる為のプロトコル
2007年2月のアクセス状況は、全体的には2007年1月とほぼ同じ状況ですが、前述したようにPing(ICMP)アクセスの安定化傾向、Symantec 社の Symantec Client Security および Symantec AntiVirus のぜい弱性を狙ったアクセス(2967/tcp ポートへのアクセス)の減少傾向が見られ、ボットの感染活動が頭打ちになってきたと考えられます。
2007年2月は、月初に TALOT2 システムのメンテナンスのため、2日〜5日まで観測データがありませんが、この期間内にアクセスが安定化したようです。
TALOT2 では、一方的なインターネットからアクセスを観測している関係上、Ping(ICMP)への応答は行っていません。そのため、これらの Ping(ICMP)に応答した場合の、それ以降のアクセスについて観測することができませんが、攻撃対象のコンピュータが動作しているか確認するためのアクセスと考えられます。
図5.2は、Ping(ICMP)の発信元地域別アクセス数の変化を示していますが、2006年11月以降の増加傾向および中国方面からの一時的な増加を示していますが、2007年1月の中国方面からのアクセス増加が、2月6日以降は無くなりました。他の発信元地域からのアクセスを含めて、増加傾向は安定方向へ移行しつつあるようです。これらのアクセスの原因は不明ですが、脅威は依然として続いています。
以上の情報に関して、詳細はこちらのサイトをご参照ください。 「IPAにおけるインターネット定点観測について」の解説は、こちらのサイトでご参照ください。 届出の詳細については以下の PDF ファイルをご参照ください。 『他機関・ベンダーの各種統計情報は以下のサイトで公開されています。』
コンピュータウイルスやコンピュータへの不正な侵入などの被害にあわないために、「情報セキュリティ対策」の意識を高めるための標語及びポスターを、全国の小学生・中学生・高校生から募集します。入選作品は、報道発表し、IPAのホームページにも掲載します。
募集期間:2006年12月1日(金)〜2007年3月31日(土)
応募方法:電子メール ![]()
FAX 03-5978-7518
郵送 〒113-6591
東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコート16階
情報処理推進機構(IPA) セキュリティセンター
情報セキュリティ標語・ポスター2007事務局 宛
詳しくは、下記のホームページをご参照下さい。
表彰:大賞(10万円)、金賞(7万円)、銀賞(5万円)、銅賞(3万円)
韓国情報保護振興院(KISA)賞(賞品)、その他、参加企業賞あり
お問い合わせ先
標語・ポスター募集に関するお問い合わせ先はこちらです。
独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター 山田/中山/甲斐田
Tel: 03-5978-7508
Fax: 03-5978-7518
E-mail: ![]()

IPA では、 「自社のセキュリティ対策自己診断テスト(情報セキュリティ対策ベンチマーク)」 を Web サイト上に公開しております。
本システムは、企業を対象としたもので、セキュリティ対策状況及び企業情報に関する設問 ( 計 40 問 ) に答えることにより、セキュリティ対策の取組状況を自己採点できるシステムです。
診断結果は、「貴社のスコア」と「望まれる水準」とが同時に表示され、各社が優先的に取り組むべきセキュリティ対策項目が明らかになります。また、推奨される取り組み事例も提示しますので、今後の対策を強化する上での具体的な改善策がわかります。
30分程度で自己採点できますので、ぜひ、今後のセキュリティ対策の参考とすべく、ご活用ください。
お問い合わせ先:
独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター(IPA/ISEC)
(ISEC:Information technology SEcurity Center)
TEL:03-5978-7527 FAX:03-5978-7518
E-mail: ![]()
URL:http://www.ipa.go.jp/security/