2007年 2月 2日
独立行政法人 情報処理推進機構
セキュリティセンター(IPA/ISEC)
独立行政法人 情報処理推進機構(略称 IPA、理事長:藤原 武平太)は、2007年1月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめました。
(届出状況の詳細PDF資料はこちら)
今月の呼びかけ:
「 アップデートは忘れずに!!」
2006年12月から2007年1月にかけて個人からの相談及び届出が多く寄せられている W32/Fujacks は、Windows のセキュリティホールを突いて感染するウイルスで、Windows Update を実施していないユーザが被害に遭っています。

図1:W32/Fujacksの亜種に感染した例
主な感染対象のファイルは「.exe」や「.htm」「.html」「.php」「.asp」「.jsp」等の拡張子を持ったファイルです。これらのファイルは主にホームページを作成する時に使用するため、感染したファイルをウェブサイトに公開してしまうケースがあります。その結果、有名な企業のサイトや個人開設サイトに感染したファイルが公開され、そのサイトにアクセスしただけで、感染してしまったという相談もありました。
従来のほとんどのウイルスがメールで感染を広げるのに対して、このウイルスは、ウェブサイトをも感染経路としており、『普通のウェブサイトを閲覧するだけでも感染する危険性があります』ので、一層の注意が必要です。
W32/Fujacks が動作すると、そのPC内にある「.exe」や「.htm」「.html」「.asp」「.php」「.jsp」等の拡張子を持つファイルへ感染します。また、辞書攻撃機能を持っており、ネットワーク接続された他のパソコンの「管理者パスワード」や共有するフォルダなどのパスワードが簡易なもの(例「admin」、「1234」など)の場合、見破られて当該のパソコンのファイルも感染してしまいます。
W32/Fujacks に感染した場合、HTML ファイルに IFrame の記述が追加されます。(図2参照)
これらの記述の内「width=0 height=0」の記載によりサイズ0×0のフレームを設定していますので、ウェブサイトを閲覧したときの見かけ上は、何も表示されないことになります。また、記載された
URL は、ウイルスをダウンロードさせるサイトへのリンクになります。
このため、企業や個人でホームページを作成している方が、ウイルスの感染に気づかず、ホームページの更新等を行うことにより、感染した HTML コンテンツファイルが公開されることになってしまいます。
その結果、利用者が当該ホームページにアクセスすると、IFrame タグに指定されたサイトへ知らぬ間にアクセスさせられて、そのサイト内のウイルスに感染したファイル等をダウンロードすることになってしまい、感染被害に遭ってしまいます。
ホームページを作成している方は、ウェブコンテンツをアップする際、HTML のソースの末尾を確認し、覚えのない IFrame タグが無いことを確認しましょう。
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図2:感染後のHTMLファイルの例
この様なウイルスの被害に遭わないため及び被害を拡大しないために、以下の対策を実施してください。
ウイルスの検出数(※1)は、 約102万個と、12月の約131万個から22.2%の減少となりました。また、1月の届出件数(※2)は、3,513件となり、12月の3,212件から9.4%の増加となりました。
※1 検出数 : 届出にあたり届出者から寄せられたウイルスの発見数(個数)
※2 届出件数: 同じ届出者から寄せられた届出の内、同一発見日で同一種類のウイルスの検出が複数ある場合は、1日何個検出されても届出1件としてカウントしたもの。
・ 1月は、寄せられたウイルス検出数約102万個を集約した結果、3,513件の届出件数となっています。
検出数の1位は、W32/Netsky で約62万個 、2位は W32/Nuwar で約14万個、3位は W32/Stration で約9万個でした。


2007年1月、「ワンクリック不正請求」に関する相談が233件となり、2006年11月の155件、12月の130件という減少傾向から大幅な増加となりました。
この原因は、2006年までは主としてアダルトサイトによる被害が多数を占めていましたが、2007年1月には、芸能人関係の情報が掲載されたサイトから、問題のあるサイトへ導かれてしまうケースが増加したためです。
IPAで受け付けている相談事例にも、芸能人の動画や画像を検索していて、ワンクリック不正請求の被害にあったというものがありました。アダルトサイトを閲覧する目的以外の人であっても、不正請求に遭遇する危険がありますので、注意が必要です。
これらの被害は、ほとんどがサイト内の会員登録等の項目をクリックし、別のサイトに飛ばされた後、無料画像や無料動画と思ってクリックしただけで、ウイルスなどの悪意のあるプログラムをダウンロードすることによっておきています。
もし、動画や画像を表示するだけであれば、「セキュリティの警告」画面は表示されません。警告が表示されるケースは、プログラムファイルをダウンロードする時です。
従って、自分の意思でプログラムをダウンロードしようとした時以外は、「実行」や「保存」をクリックすると、悪意あるプログラムをダウンロードしてしまう可能性がありますので、「キャンセル」をクリックして先に進まないようにしましょう。

悪意あるプログラムなどによる被害に遭われた場合は、IPA で相談を受け付けておりますのでご相談ください。(4. 相談受付状況を参照)
| 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 届出(a) 計 | 50 | 46 | 22 | 24 | 10 | 32 | |
| 被害あり(b) | 30 | 21 | 15 | 8 | 9 | 22 | |
| 被害なし(c) | 20 | 25 | 7 | 16 | 1 | 10 | |
| 相談(d) 計 | 24 | 35 | 53 | 30 | 40 | 52 | |
| 被害あり(e) | 13 | 26 | 37 | 20 | 23 | 25 | |
| 被害なし(f) | 11 | 9 | 16 | 10 | 17 | 27 | |
| 合計(a+d) | 74 | 81 | 75 | 54 | 50 | 84 | |
| 被害あり(b+e) | 43 | 47 | 52 | 28 | 32 | 47 | |
| 被害なし(c+f) | 31 | 34 | 23 | 26 | 18 | 37 | |
1月の届出件数は32件であり、そのうち被害のあった件数は22件でした。
不正アクセスに関連した相談件数は52件(うち3件は届出件数としてもカウント)であり、そのうち何らかの被害のあった件数は25件でした。
被害届出の内訳は、侵入1件、アドレス詐称2件、その他(被害あり)19件でした。
侵入届出の被害内容は、ファイルの改ざんが1件でした。侵入の原因は、ウェブサーバソフトのぜい弱性を突かれたことでした。
| 事 例 |
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|---|---|
| 解 説 ・ 対 策 |
ホスティングサービス業者が、ウェブサーバソフトのぜい弱性解消を怠っていたのが原因のようです。 (参考)
|
| 事 例 |
|
|---|---|
| 解 説 ・ 対 策 |
ボットは種類が多かったり巧妙に自分の存在を隠したりするためウイルス対策ソフトでは検知できないケースも多く、パソコンユーザは感染に気付くことができない場合も多々あるのが現状です。 (参考)
|
1月の相談総件数は946件でした。そのうち『ワンクリック不正請求』に関する相談が233件(12月:130件)、『セキュリティ対策ソフトの押し売り』行為に関する相談が17件(12月:31件)、Winny に関連する相談が13件(12月:15件)などでした。
| 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合計 | 793 | 933 | 1,002 | 711 | 680 | 946 | |
| 自動応答システム | 460 | 575 | 580 | 423 | 394 | 582 | |
| 電話 | 280 | 302 | 326 | 214 | 222 | 324 | |
| 電子メール | 48 | 51 | 93 | 72 | 59 | 39 | |
| その他 | 5 | 5 | 3 | 2 | 5 | 1 | |
※IPA では、コンピュータウイルス・不正アクセス、Winny 関連、その他情報セキュリティ全般についての相談を受け付けています。
メール:
(ウイルス)、
(不正アクセス)
電話番号: 03-5978-7509(24時間自動応答、ただし IPA セキュリティセンター員による相談受付は休日を除く月〜金、10:00〜12:00、13:30〜17:00のみ)
FAX: 03-5978-7518 (24時間受付)
※ 「自動応答システム」 : 電話の自動音声による応対件数
「電話」 : IPA セキュリティセンター員による応対件数
※ 合計件数には、「不正アクセスの届出および相談の受付状況」における『相談(d) 計』件数を内数として含みます。

ワンクリック不正請求についての対策については下記をご参照ください。

セキュリティ対策ソフトの押し売り行為については下記をご参照ください。
主な相談事例は以下の通りです。
| 相談 |
インターネット決済サービスを利用して送金処理を実行し、送金完了メールが届いた。しかしその後、もう一度個人情報の入力を促すメールが届いたため、言われるままに入力してしまった。おかしいと思い、決済サービス会社に問い合わせてみたところ、送金完了通知メール以降は、会社からメールを送っていないとのこと。個人情報の入力を促すメールは、偽のものだった疑いが濃い。 |
|---|---|
| 回答 |
フィッシング(*4)の被害に遭ったものと思われます。メールアドレスの変更やクレジットカード番号の変更など、二次被害を防ぐための手立てを講じましょう。万が一、個人情報が悪用された場合は、身に覚えの無い商品の購入履歴がクレジットカード利用明細中にある可能性も考えられます。このようなトラブルが生じた場合は、すぐにカード会社に連絡しましょう。消費者センターに相談するのも、一つの方法です。 (ご参考)
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| 相談 | ウイルスやスパイウェアへの対処としては、対策ソフトを導入すれば十分なのでしょうか。他にも対策方法はあるのでしょうか。 |
|---|---|
| 回答 |
ウイルス対策ソフトやスパイウェア対策ソフトを導入していても、未知の不正プログラムについては検知出来ない可能性もありますので、100%安全ではありません。その他の防衛手段としては以下のような事項があります。
また、パーソナルファイアウォールなどのソフトを導入し、自分で許可したプログラムしかインターネットに接続しないように設定しておくことで、万が一不正プログラムが仕込まれてしまったとしても、情報が外部に送信されることを予防することが出来ます。 (ご参考)
|
インターネット定点観測(TALOT2)によると、2007年1月の期待しない(一方的な)アクセスの総数は、10観測点で492,760件ありました。1観測点で1日あたり390の発信元から1,590件のアクセスがあったことになります。
TALOT2 での1観測点の環境は、インターネットを利用される一般的な接続環境と同一なので、インターネットを利用される皆さんの環境へも同じくらいの一方的なアクセスがあると考えられます。言い換えれば、あなたのコンピュータは、毎日、平均して、390人の見知らぬ人(発信元)から、発信元一人当たり4件の不正と思われるアクセスを受けていると言うことになります。

2006年8月〜2007年1月までの各月の1観測点での1日あたりの平均アクセス数および、それらのアクセスの平均発信元数を図5.1に示します。この図を見ると、期待しない(一方的な)アクセスは、12月に比べて多少の増加傾向です。この増加傾向は、Ping(ICMP※)の増加および新しいコンピュータの脆弱性を狙ったアクセスの増加が原因と思われます。
全体的なアクセス内容については、定常化していると言え、ボットに感染したコンピュータからのボット感染活動(コンピュータのぜい弱性を狙い、ボットの感染を広げようとしているアクセス)のためのアクセスが主流であると考えられます。
2007年1月のアクセス状況は、全体的には2006年12月とほぼ同じ状況ですが、前述したようにPing(ICMP)アクセスの増加、Symantec 社の Symantec Client Security および Symantec AntiVirus のぜい弱性を狙ったアクセス(2967/tcpポートへのアクセス)の増加傾向が継続しています。
※ Internet Control Message Protocol : 相手のコンピュータが動作中であるか、調べる為のプロトコル
TALOT2 では、一方的なインターネットからアクセスを観測している関係上、Ping(ICMP)への応答は行っていません。そのため、これらの Ping(ICMP)に応答した場合の、それ以降のアクセスについて観測することができませんが、攻撃対象のコンピュータが動作しているか確認するためのアクセスと考えられます。

図5.2は、Ping(ICMP)の発信元地域別アクセス数の変化を示していますが、中国方面からのアクセス増加が顕著です。他の発信元地域からのアクセスについては一定水準(微増傾向あり)で安定しているようです。
以上の情報に関して、詳細はこちらのサイトをご参照ください。 届出の詳細については以下の PDF ファイルをご参照ください。 『他機関・ベンダーの各種統計情報は以下のサイトで公開されています。』
コンピュータウイルスやコンピュータへの不正な侵入などの被害にあわないために、「情報セキュリティ対策」の意識を高めるための標語及びポスターを、全国の小学生・中学生・高校生から募集します。入選作品は、報道発表し、IPAのホームページにも掲載します。
募集期間:2006年12月1日(金)〜2007年3月31日(土)
応募方法:電子メール ![]()
FAX 03-5978-7518
郵送 〒113-6591
東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコート16階
情報処理推進機構(IPA) セキュリティセンター
情報セキュリティ標語・ポスター2007事務局 宛
詳しくは、下記のホームページをご参照下さい。
http://www.ipa.go.jp/security/event/hyogo/2007/boshu.html
表彰:大賞(10万円)、金賞(7万円)、銀賞(5万円)、銅賞(3万円)
韓国情報保護振興院(KISA)賞(賞品)、その他、参加企業賞あり
お問い合わせ先
標語・ポスター募集に関するお問い合わせ先はこちらです。
独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター 山田/中山/甲斐田
Tel: 03-5978-7508
Fax: 03-5978-7518
E-mail: ![]()

IPA では、 「自社のセキュリティ対策自己診断テスト(情報セキュリティ対策ベンチマーク)」 を Web サイト上に公開しております。
本システムは、企業を対象としたもので、セキュリティ対策状況及び企業情報に関する設問 ( 計 40 問 ) に答えることにより、セキュリティ対策の取組状況を自己採点できるシステムです。
診断結果は、「貴社のスコア」と「望まれる水準」とが同時に表示され、各社が優先的に取り組むべきセキュリティ対策項目が明らかになります。また、推奨される取り組み事例も提示しますので、今後の対策を強化する上での具体的な改善策がわかります。
30分程度で自己採点できますので、ぜひ、今後のセキュリティ対策の参考とすべく、ご活用ください。
お問い合わせ先:
独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター(IPA/ISEC)
(ISEC:Information technology SEcurity Center)
TEL:03-5978-7527 FAX:03-5978-7518
E-mail: ![]()
URL:http://www.ipa.go.jp/security/