2006年 8月 2日
独立行政法人 情報処理推進機構
セキュリティセンター(IPA/ISEC)
独立行政法人 情報処理推進機構(略称 IPA、理事長:藤原 武平太)は、2006年7月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめました。
(届出状況の詳細PDF資料はこちら)
今月の呼びかけ:
「 おかしいと思ったらすぐ引き返そう!! 」
――― 怪しいサイトに近づかない、怪しいと思ったら先に進まないように ―――
2006年7月も、依然としてワンクリック不正請求やセキュリティ対策ソフトの押し売り行為に関する相談が多数寄せられています。
相談件数の推移(2006年4月〜7月)
| 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | |
|---|---|---|---|---|
| ワンクリック不正請求 | 161件 | 210件 | 211件 | 159件 |
| セキュリティ対策ソフトの押し売り行為 | 40件 | 41件 | 24件 | 43件 |
| 相談総件数 | 904件 | 846件 | 773件 | 767件 |
これらでは、
など、利用者を騙すための巧妙な手口が使われています。
また、相談事例をみると、このような問題のあるサイトへアクセスさせるため、以下のような方法で利用者を導くことが確認されています。
問題のある怪しいサイトへ導く方法(相談事例より)
上記いずれも、記載されているリンクをクリックしなければ被害に遭うことはありませんので、安易にクリックしないようにすることが肝要です。うっかりクリックして、意図しない妙なサイトにアクセスしてしまった場合には、すぐに引き返す(ページを閉じる)ことが有効な対策となります。
自ら意識してアクセスしているページであっても、怪しげなサイトでは、画像を表示するように見せかけて、悪意あるプログラムをダウンロードさせるような仕組みが設けられていることもありますので、ご注意ください。


ワンクリック不正請求やセキュリティ対策ソフトの押し売り行為は、金銭を詐取することを目的としています。利用者を騙すために、利用者の心理を逆手に取った、巧妙な手口が使われています。そのため、正規のセキュリティ対策ソフトの導入やセキュリティホールを解消するといった技術的対策だけでは対処できないことがあります。
技術的対策に加え、怪しいサイトに近づかない、安易にプログラムをダウンロード・実行しないなど、普段からの心構えが重要になります。
ウイルスの検出数(※1)は、 約154万個と、6月の約164万個から5.9%の減少となりました。また、7月の届出件数(※2)は、3,455件となり、6月の3,547件から2.6%の減少となりました。
※1 検出数
: 届出にあたり届出者から寄せられたウイルスの発見数(個数)
※2 届出件数: 同じ届出者から寄せられた届出の内、同一発見日で同一種類のウイルスの検出が複数ある場合は、1日何個検出されても届出1件としてカウントしたもの。
・ 7月は、寄せられたウイルス検出数約154万個を集約した結果、3,455件の届出件数となっています。
検出数の1位は、W32/Netsky で約124万個 、2位は W32/Mytob で約11万個、3位は W32/Bagle で約9万個でした。


多くの相談が寄せられている「ワンクリック不正請求」などは、スパイウェア(*4)による被害の一例です。スパイウェアはその種類毎に、予め収集する情報(メールアドレス、クレジットカード番号等)などがプログラムされています。スパイウェアに感染すると、これらの情報が気付かないうちに盗まれ、以下のような被害が起こってしまいます。
これらの被害に遭わないよう、以下に掲げる対策を実施すると共に、P2の例を参考に、安易にダウンロードしない(引き返す)等の注意を払うようにしましょう。
(1) スパイウェア対策ソフトを利用し、定期的な定義ファイルの更新およびスパイウェア検査を行う
(2) コンピュータを常に最新の状態にしておく(Windows Update の利用など)
(3) 怪しいサイトや不審なメールに注意する
(4) コンピュータのセキュリティを強化する(Windows XPのファイアウォール機能を有効にする、ブラウザのセキュリティレベルを高くするなど)
(5) 万が一のために、必要なファイルのバックアップを取る
以上の対策は、自ら管理できるコンピュータに対して実施するものになります。自分で管理できないコンピュータ(例えば、インターネットカフェやオープンな場所での共用のコンピュータなど)では、上記のような管理がなされているかどうかなど不明ですので、個人情報などの重要な情報の入力は行わないようにしましょう。
(参考)なお、「スパイウェアに侵入されているかもしれない」と心配な場合、以下のサイトで無料のオンラインスキャンを利用できますので、まずは検査してみてください。
【オンラインスキャンを利用できるサイト】
| 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 届出(a) 計 | 26 | 38 | 15 | 13 | 22 | 15 | |
| 被害あり(b) | 15 | 10 | 7 | 6 | 20 | 8 | |
| 被害なし(c) | 11 | 28 | 8 | 7 | 2 | 7 | |
| 相談(d) 計 | 42 | 24 | 27 | 23 | 32 | 31 | |
| 被害あり(e) | 24 | 12 | 15 | 11 | 19 | 18 | |
| 被害なし(f) | 18 | 12 | 12 | 12 | 13 | 13 | |
| 合計(a+d) | 68 | 62 | 42 | 36 | 54 | 46 | |
| 被害あり(b+e) | 39 | 22 | 22 | 17 | 39 | 26 | |
| 被害なし(c+f) | 29 | 40 | 20 | 19 | 15 | 20 | |
7月の届出件数は15件であり、そのうち被害のあった件数は8件でした。
不正アクセスに関連した相談件数は31件(うち5件は届出件数としてもカウント)であり、そのうち何らかの被害のあった件数は18件でした。
被害届出の内訳は、侵入5件、DoS(*5)攻撃2件、アドレス詐称1件でした。
侵入届出の内訳は、Web ページの改ざんが1件、サーバ内データの奪取や破壊が2件、などでした。
被害事例
| 事 例 |
|
|---|---|
| 解 説 ・ 対 策 |
この事例では、ぜい弱性の存在は分かっていたのに、その緊急性を理解していなかったために対応が遅れ、結果として被害を受けてしまっています。情報セキュリティ上の脅威や、想定される被害を正しく理解した上で、対策を適切かつタイムリーに実施していくことが非常に重要です。今回のケースでは、別途ハードディスクを増設するか、現在よりも大容量のハードディスクに換装した上で、修正プログラムを適用するという対策が必要です。 (参考) |
| 事 例 |
|
|---|---|
| 解 説 ・ 対 策 |
この事例では、どこからルータの設定画面にログインされたのかを明確にする必要があります。もし外部から管理画面にログイン可能なようになっていたとしたら、その是非を見直す必要があります。外部からのログインを許可していなかったとしたら、何らかの原因で以前より内部ネットワークに侵入されており、内部からログインされたということも考えられます。ルータの設定を再確認するとともに、内部ネットワークに接続されているマシンがウイルスに感染して外部からの侵入の踏み台になっていないか、確認しましょう。 もしルータの組み込みソフトウェアにぜい弱性が存在する場合は、ルータの設定とは全く無関係に、外部から直接侵入を許してしまいかねません。当該組み込みソフトウェアが最新のものであるかどうか、確認しましょう。 ルータの管理用パスワード設定は、企業ユーザや一般家庭ユーザの区別無く、外部からの不正ログインを防ぐためのみならず、管理者以外が勝手に設定を変更できないようにするために必須のものです。購入したら、何よりも先に設定すべきでしょう。 (参考) |
| 事 例 |
|
|---|---|
| 解 説 ・ 対 策 |
この事例では、まずは不正アクセスの原因を排除し、さらに根本的対策を取ることで、被害を最小限に食い止めることができました。原因を的確に把握し、適切な対処をタイムリーに実施することができた、良い例です。 (参考) |
7月の相談総件数は767件でした。内訳は、『ワンクリック不正請求』に関する相談が159件(6月:211件)、『セキュリティ対策ソフトの押し売り』行為に関する相談が43件(6月:24件)、Winny に関連する相談が12件(3月:196件、4月:83件、5月:28件、6月:15件)などでした。
| 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合計 | 834 | 1,056 | 904 | 846 | 773 | 767 | |
| 自動応答システム | 479 | 659 | 510 | 484 | 423 | 444 | |
| 電話 | 258 | 296 | 306 | 295 | 283 | 257 | |
| 電子メール | 90 | 99 | 86 | 63 | 64 | 66 | |
| その他 | 7 | 2 | 2 | 4 | 3 | 0 | |
※IPA では、コンピュータウイルス・不正アクセス、その他情報セキュリティ全般についての相談を受け付けています。
メール:
(ウイルス)、
(不正アクセス)
電話番号: 03-5978-7509(24時間自動応答、ただし IPA セキュリティセンター員による相談受付は休日を除く月〜金、10:00〜12:00、13:30〜17:00のみ)
FAX: 03-5978-7518 (24時間受付)
※ 「自動応答システム」 : 電話の自動音声による応対件数
「電話」 : IPA セキュリティセンター員による応対件数
※ 合計件数には、「不正アクセスの届出および相談の受付状況」における『相談(d) 計』件数を内数として含みます。


| 相 談 |
以前よく見ていて[お気に入り]に入れていたサイト(日本語)にアクセスしたら、以前とは全く違う英語のサイトになっていた。さらに、「あなたのパソコンはウイルスに感染しています」などという警告画面が出て来て、ウイルス対策ソフトの導入を勧められた。これは信頼できるものなのか。 |
|---|---|
| 回 答 |
この事例では、何らかの理由によりホームページが悪意のある者によって乗っ取られていたようです。信頼できるサイトからのリンクでも、このようなことが起こり得ますので、ジャンプした先で不用意に[はい]や[OK]などをクリックしないようにしましょう。 (ご参考) |
| 相 談 |
「あなたのパソコンはウイルスに感染しています」などという警告画面が出ていたが、しばらく放っておいたら画面が動かなくなった。仕方なく、言われるがままウイルス対策ソフトをダウンロードし購入。それからパソコンが起動できなくなってしまった。 |
|---|---|
| 回 答 |
そもそも、信頼できないソフトを動かしてしまったら、何が起こるか分かりません。インストールする前に、十分に確認する必要があります。正常に起動できなくなった場合は、Windows XP ならシステムの復元で復旧できる場合もありますが、パソコンを初期化することが望ましいと言えます。 |
インターネット定点観測(TALOT2)によると、2006年7月の期待しない(一方的な)アクセスの総数は、10観測点で336,361件ありました。1観測点で1日あたり298の発信元から1,085件のアクセスがあったことになります。
TALOT2 での1観測点の環境は、インターネットを利用される一般的な接続環境と同一なので、インターネットを利用される皆さんの環境へも同じくらいの一方的なアクセスがあると考えられます。言い換えれば、あなたのコンピュータは、毎日、平均して、298人の見知らぬ人(発信元)から、発信元一人当たり4件の不正と思われるアクセスを受けていると言うことになります。

2006年1月〜2006年7月までの各月の1観測点での1日あたりの平均アクセス数および、それらのアクセスの平均発信元数を図1に示します。この図を見ると、期待しない(一方的な)アクセスは、先月より微増しました。アクセス内容については、定常化していると言えます。
7月のアクセス状況は、6月とほぼ同じ状況です。Windows のぜい弱性を狙っていると思われる不正なアクセスが多いようで、これらのアクセスの多くは、ボットに感染したコンピュータから送信されていると思われます。また、月末にかけて、これらのアクセス(数)が増加傾向なので、注意が必要です。
特にアクセス数の多い135(TCP)ポート,445(TCP)ポートへのアクセスは、Windows のぜい弱性を狙っています。また、Windows
Messenger サービスを悪用したポップアップスパムメッセージの1026(UDP)/1027(UDP)ポートへのアクセスは、継続しています。
また、6月分の詳細資料(別紙3)で特集を行った、ネットワークからの22(TCP)ポートを狙ったパスワードクラッキング攻撃(解説_1)や、リモートアクセスツール RealVNC のぜい弱性(解説_2)を狙っていると思われる5900(TCP)ポートへのアクセスについても、継続的に発生しています。どちらのアクセスも、リモートから攻撃先のコンピュータへ侵入を試みるものであり、このようなツールを利用して、サーバを運用しているシステムの管理者は、運用方法の再点検やぜい弱性の解消を怠らないようにして下さい。
特に、7月の22(TCP)ポートを狙ったパスワードクラッキング攻撃は、TALOT2 観測での記録的な数値を示しました。月後半の3日間に以下に示すアクセスがあり、ほとんど DoS 攻撃(*5)を受けているような状況でした。

IPA では、 「自社のセキュリティ対策自己診断テスト(情報セキュリティ対策ベンチマーク)」 を Web サイト上に公開しております。
本システムは、企業を対象としたもので、セキュリティ対策状況及び企業情報に関する設問 ( 計 40 問 ) に答えることにより、セキュリティ対策の取組状況を自己採点できるシステムです。
診断結果は、「貴社のスコア」と「望まれる水準」とが同時に表示され、各社が優先的に取り組むべきセキュリティ対策項目が明らかになります。また、推奨される取り組み事例も提示しますので、今後の対策を強化する上での具体的な改善策がわかります。
30分程度で自己採点できますので、ぜひ、今後のセキュリティ対策の参考とすべく、ご活用ください。

コンピュータウイルスの感染やコンピュータへの不正な侵入、 ワンクリック詐欺などの被害に遭わないよう、 特に若年層の「情報セキュリティ対策」の意識を高めるために、本年3月より全国の小学生・中学生・高校生から募集していたもので、全国118の小・中・高等学校の中から1,101件の応募があり、以下の10作品が入選しました。
| 区分 | 作品 | 学校 / 受賞者氏名 |
|---|---|---|
| 大賞 | ネ |
神奈川・慶應義塾湘南藤沢高等部
/ 清水 優香子 (しみずゆかこ) |
| 高校生の部 | ||
| 金賞 | 人々の 意識で変わる セキュリティ | 埼玉県・県立越谷北高等学校
/ 浅井 慧 (あさいあきら) |
| 銀賞 | ケータイは持って天国 落として地獄 | 岐阜県・県立可児工業高等学校
/ 田口 史武 (たぐちふみたけ) |
| 銅賞 | 手軽でも 忘れるなかれ セキュリティ | 埼玉県・立教新座高等学校
/ 松下 成昭 (まつしたしげあき) |
| 中学生の部 | ||
| 金賞 | ネットワーク 便利と危険は 紙一重 | 茨城県・つくば市立吾妻中学校
/ 藤井のど佳 (ふじいのどか) |
| 銀賞 | 情報は 流れだしたら 止まらない | 埼玉県・三郷市立早稲田中学校
/ 増田 恵子 (ますだあやこ) |
| 銅賞 | 気をつけよう インターネットの落とし穴 | 兵庫県・加古川市立中部中学校
/ 遠入 和也 (えんにゅうかずや) |
| 小学生の部 | ||
| 金賞 | ぼくだけは 感染しないよ 大間違い | 岐阜県・大垣市立墨俣小学校
/ 古澤健太郎 (ふるさわけんたろう) |
| 銀賞 | パスワード ともだちにだって ないしょだよ | 愛知県・名古屋市立滝ノ水小学校
/ 森 明日翔 (もりあすか) |
| 銅賞 | セキュリティ あなたが守る あなたの身 | 千葉県・千葉市立若松台小学校
/ 山崎 緑 (やまざきみどり) |
これは、韓国の韓国情報保護振興院(KISA)との共同事業の一環として実施したものです。
KISAとは、韓国の情報通信部(日本の総務省に相当)の外郭団体で、韓国国内の情報や情報システムを保護するための政策を実施し、インターネット上での事件・事故への対応をするなど、安全なネットワーク環境を提供するために必要な技術の普及及び研究開発を行う韓国政府出資の機関です。
KISAでは、毎年6月を情報化月間と定め、6月第3週及び第4週をセキュリティ週間として、情報セキュリティを主題とする各種イベントを実施しています。その中に、情報セキュリティ標語・ポスターの公募展があり、2006年6月に実施した公募展の結果、以下の作品の入選が決定しました。


独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター(IPA/ISEC)
(ISEC:Information technology SEcurity Center)
TEL:03-5978-7527 FAX:03-5978-7518
E-mail: ![]()
URL:http://www.ipa.go.jp/security/