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コンピュータウイルスの届出状況について

2003年 6月 5日

独立行政法人 情報処理推進機構
セキュリティセンター(IPA/ISEC)

P2P(Peerto Peer)による感染に要注意!!

1.コンピュータウイルス届出状況

情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は、2003年5月のコンピュータウイルスの届出状況をまとめた。

5月の届出件数は、4月の1,110件から約3割増の1,458件となった。

新種W32/Fizzer ウイルスの届出多数!!

5月に出現したW32/Fizzer ウイルスは、310件もの届出が寄せられ、W32/Klezウイルスの372件に続き、月間ワースト 2となった。このウイルスは、メールの添付ファイルとして感染を拡大し、受信したユーザが添付ファイルを開くことで感染する。

感染すると、アドレス帳の登録アドレス宛にウイルスメールを自動的に送信する。また、キーボードからの入力情報を記録するプログラム(キーロガー)をインストールし、外部から第三者が侵入できる裏口(バックドア)を仕掛ける

したがって、感染したパソコンへは、外部から容易に侵入することができるようになり、パソコン内に保存してあるデータが盗まれたり、破壊されたりする恐れがある。

図はメールの受信ウィンドウを表し、添付ファイルにCAAZWNF.exe(242KB)がある。
例:W32/Fizzer ウイルスの受信画面

また、W32/Fizzer ウイルスを含む最近のウイルスの傾向として、P2P※アプリケーションを利用して感染を拡大する機能が使われている。これらのアプリケーションを使用している場合、サーバーでのウイルスチェックでは検出できないため、「最新のワクチンソフトで検査する」、また、「添付ファイルを安易に開かない」というウイルス対策の基本を徹底して頂きたい。

※サーバー等を介さずに、パソコン等の端末同士で直接データのやりとりを行うシステムまたはアプリケーションのこと。

2. 今月の呼びかけ:「被害の防止は設定次第!」
− ネットサーフィン時に被害に遭わないために −

セキュリティセンターに寄せられる相談では、

  • InternetExplorer のスタートページが書き換えられた。
  • 掲示板のリンクをクリックしたら、次々と新しいページが開き、終了できなくなった。

といった内容のものが多く見受けられる。

これらの被害の多くは、ActiveXやJavaスクリプトを悪用した不正プログラム等により引き起こされている。したがって、これらの機能を無効にしておくことにより被害を防止できる。

図はInternet Explorerの「ツール」→「インタネットオプション」の「セキュリティ」タブから「レベルのカスタマイズ」を選択し、ActiveXコントロールとプラグインの実行が「無効にする」に設定されている。

なお、上記の設定をするとともにInternetExplorerには相次いでセキュリティホールが発見されているので、Windows Updateでセキュリティホールの解消を実施しよう。

(上記設定ではWindowsUpdateが使用できないため、利用する際は有効にするか、信頼済みサイトへ登録することで対応されたい。)
※一部不適切な表現がありましたので、訂正いたしました。

3. ウイルス届出の詳細

グラフは届出件数の月別推移を表し、2001年は24261件で1月は2440件で、2月は1567件で、3月は1476件で、4月は1236件で、5月は1515件で、6月は1335件で、7月は1738件で、8月は2809件で、9月は2238件で、10月は1241件で、11月は2766件で、12月は3900件を示している。2002年は20352件で1月は2283件で、2月は1439件で、3月は1460件で、4月は2012件で、5月は2410件で、6月は1965件で、7月は1781件で、8月は1756件で、9月は1193件で、10月は1510件で、11月は1408件で、12月は1135件を示している。2003年は5965件で1月は1158件で、2月は1052件で、3月は1187件で、4月は1110件で、5月は1458件を示している。

1) 5月、届出のあったウイルスは45種類であった。

(Windows/DOS ウイルス1,280件、マクロウイルス及びスクリプトウイルス178件、Macintosh及びUNIXウイルスは0件。)
(*) 印は今月の新種ウイルスを示す。 

Windows、DOSウイルス 届出件数 マクロウイルス 届出件数
 W32/Klez 372  XM/Laroux 34
 W32/Fizzer(*) 310  W97M/Ethan 4
 W32/Sobig 151  X97M/Divi 4
 W32/Yaha 75  W97M/Marker 2
 W32/Lovgate 55  WM/Cap 1
 W32/Bugbear 52  W97M/Class 1
 W32/Magistr 36  W97M/Eight941 1
 W32/Badtrans 32  W97M/X97M/P97M/Tristate 1
 W32/Sircam 31  XM/VCX.A 1
 W32/Gibe 29    
 W32/Nimda 29    
 W32/Opaserv 23    
 W32/Hybris 18    
 W32/Funlove 10    
 W32/CIH 9    
 W32/Frethem 9    
 W32/Ganda 9 スクリプトウイルス 届出件数
 W32/Lirva 8  VBS/Redlof 90
 W32/Spaces 6  Wscript/Fortnight  29
 W32/Dupator 3  VBS/Netlog 5
 W32/MTX 3  VBS/LOVELETTER  2
 W32/Brid 2  VBS/Freelink      1
 W32/Deloder 2  VBS/Haptime 1
 W32/Datom 1  VBS/Stages  1
 W32/Fbound 1    
 W32/Higuy 1    
 W32/Inor 1    
 W32/Oror 1    
 W32/PrettyPark 1    

備考:件数には亜種の届出を含む

注) ウイルス名欄で、各記号はそれぞれの下記ウイルスを示す。

記号 対象ウイルス
 WM  MSword95(WordMacroの略)
 W97M  MSword97(Word97Macroの略)
 XM、XF  MSexcel95、97(ExcelMacro、ExcelFormulaの略)
 X97M  MSexcel97(Excel97Macro)
 W97M/X97M/P97M  MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97(Word97Macro、Excel97Macro、PowerPoint97Macroの略)
 W32  Windows32ビット環境下で動作
 VBS  VisualBasicScriptで記述
 Wscript  WindowsScriptingHost環境下で動作(VBSを除く)
 Solaris  Solaris環境下で動作
 FreeBSD  FreeBSD環境下で動作
 Linux   Linux環境下で動作

2)届出の届出者別件数は次のとおりである。一般法人ユーザからの届出が約88%を占めている。

届出者 届出件数
2003/5 2003年合計 2002年合計
 一般法人ユーザ 1,280 87.8% 5,169 86.7% 15,313 75.2%
 教育・研究機関 98 6.7% 382 6.4% 1,914 9.4%
 個人ユーザ 80 5.5% 414 6.9% 3,125 15.3%

3)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて近畿地方、中部地方の順となっている。

地域 届出件数
2003/5 2003年合計 2002年合計
 北海道地方 3 0.2% 17 0.3% 311 1.5%
 東北地方 26 1.8% 126 2.1% 534 2.6%
 関東地方 991 68.0% 4,059 68.0% 12,986 63.8%
 中部地方 141 9.7% 571 9.6% 1,894 9.3%
 近畿地方 224 15.4% 902 15.1% 3,254 16.0%
 中国地方 8 0.5% 101 1.7% 365 1.8%
 四国地方 3 0.2% 24 0.4% 151 0.7%
 九州地方 62 4.2% 165 2.8% 857 4.2%

4)届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。 海外からのメールも含めたメールにより感染したケースが最も多く、届出件数の約95%を占めている。

感染経路 届出件数
2003/5 2003年合計 2002年合計
 メール 1,101 75.5% 4,174 70.0% 17,107 84.1%
 海外からのメール 290 19.9% 1,407 23.6% 2,660 13.0%
 ダウンロード(※) 19 1.3% 83 1.4% 121 0.6%
 外部からの媒体 17 1.2% 94 1.6% 119 0.6%
 海外からの媒体 0 0% 1 0% 4 0%
 不明・その他 31 2.1% 206 3.4% 341 1.7%

(※)ホームページからの感染を含む

5)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。感染台数の欄0台は、FDのみの感染またはファイルのみの感染を示し、事前の検査により、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。

感染台数 届出件数
2003/5 2003年合計 2002年合計
0台 1,399 96.0% 5,639 94.5% 18,633 91.5%
1台 46 3.2% 284 4.8% 1,364 6.7%
2台以上 5台未満 10 0.7% 31 0.5% 206 1.0%
5台以上 10台未満 2 0.1% 6 0.1% 59 0.3%
10台以上 20台未満 0 0% 2 0% 60 0.3%
20台以上 50台未満 0 0% 2 0% 23 0.1%
50台以上 1 0% 1 0% 7 0%

4.特定日発病ウイルスについて

 ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPA/ISECに届出されたウイルスの中で、6月6日〜7月31日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げたので注意されたい。(参考:特定日発病ウイルス[ウイルスカレンダー]

W32/Klez 6月6日、7月6日 (毎月6日に発病)
VBS/Haptime 6月7日、7月6日 (「月」と「日」の合計が13の時に発病)

コンピュータウイルスに関する届出制度について

コンピュータウイルスに関する届出制度は、経済産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、平成2年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシーを侵害することがないように配慮した上で、被害等の状況を分析し、検討結果を定期的に公表している。

コンピュータウイルス対策基準

  • 通商産業省告示第139号 平成 2年 4月10日制定
  • 通商産業省告示第429号 平成 7年 7月 7日改訂
  • 通商産業省告示第535号 平成 9年 9月24日改訂
  • 通商産業省告示第952号 平成12年12月28日改訂

問い合わせ先:IPAセキュリティセンター(IPA/ISEC)
(ISEC:Information technology SEcurity Center)

TEL:03-5978-7508 FAX:03-5978-7518
E-mail: 電話番号:03-5978-7501までお問い合わせください。
相談電話:03-5978-7509 URL:http://www.ipa.go.jp/security/