HOME >> 情報セキュリティ >> ウイルス対策 >> ウイルスの発見届出状況 >> 記事

コンピュータウイルスの届出状況について

2003年 4月3日

独立行政法人 情報処理推進機構
セキュリティセンター(IPA/ISEC)

無防備なファイル共有は危険度大!!

1. コンピュータウイルス届出状況

情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は、2003年3月のコンピュータウイルスの届出状況をまとめた。
3月の届出件数は、1,187件(1月1,158件、2月1,052件)と落ち着いた状況で推移している。

インターネットに接続するだけで感染?!

3月に初めて届出のあった W32/DeloderW32/Lovgate ウイルスは、ファイル共有サービス(*)を利用して感染を拡大する。そのため、メールの受信やホームページを閲覧する等の操作をしていなくとも、インターネットに接続しているだけで感染してしまう。

(*)自分のパソコンにあるファイルをネットワーク経由で他人がアクセスできる状態におき、複数人でファイルを「共有」する仕組み。パスワードの設定等で、アクセスを制限することも可能。

ウイルス名 感染を拡大する手段 初届出年月日
W32/Klez メール、LAN 2001年11月
W32/Redlof メール、ホームページ、LAN 2002年 8月
W32/Opaserv ファイル共有サービス 2002年10月
W32/Deloder ファイル共有サービス 2003年 3月
W32/Lovgate ファイル共有サービス、メール、LAN 2003年 3月


図:共有設定の例

これらのファイル共有サービスを利用して感染を拡げるウイルスによる被害を未然に防止するために、下記の対策を実施されたい。

◆ワクチンソフトを利用
リアルタイムで検査する設定で使用する
◆パソコンのパスワード設定を徹底する
共有パスワードやログインパスワードは、8文字以上で英数字を組み合わせたものを推奨する。
◆ファイアウォールでブロックする
パーソナルファイアウォール等の設定により、ウイルスによる不要なアクセスは遮断する。

2. 今月の呼びかけ:「ファイル共有設定を見直そう!」
−ファイル共有サービスにおける対策−

最近のウイルスの傾向として、ファイル共有サービスをターゲットにして攻撃するものが増えている。Windowsで使用されるこれらのサービスは、ポート(*)137〜139番、445番を使用して行われる。

このような機能は、複数のパソコンでデータをやり取りするのに非常に便利だが、ウイルスや不正アクセスに悪用される可能性が高い。これらの被害を防ぐため、万全な対策を実施しよう。

ワクチンソフトによる対策:
リアルタイム(常時)監視の設定を活用する。ウイルス検出データファイルの更新も忘れずに。
ファイアウォールによる対策:
外部からの不要なアクセスを遮断するために、パーソナルファイアウォール等を使用してポート137〜139番、445番をブロックする。ウイルスだけでなく、不正アクセスにも効果的。

詳細設定は、「SOHO・家庭向けの情報セキュリティ対策マニュアル」を参照のこと。

注(*)インターネット上の通信において各種サービスを識別するためのアドレス。ポート番号ともいわれ、ホームページ閲覧(http)では80番、メール受信(pop3)では110番が使用される。

コンピュータウイルス被害状況調査について

届出によるもの以外の国内及び海外におけるウイルス被害状況の実態を把握するため、アンケートによるコンピュータウイルス被害状況調査を実施し、調査結果をまとめた。概要を「コンピュータウイルス被害状況調査結果要約」として添付したので参照されたい。なお、詳細については下記サイトに掲載している。

「国内におけるコンピュータウイルス被害状況調査」
「海外におけるコンピュータウイルス被害状況調査」
http://www.ipa.go.jp/security/fy14/reports/current/servey.html

3. ウイルス届出の詳細

グラフは届出件数の月別推移を表し、2001年は24261件で1月は2440件で、2月は1567件で、3月は1476件で、4月は1236件で、5月は1515件で、6月は1335件で、7月は1738件で、8月は2809件で、9月は2238件で、10月は1241件で、11月は2766件で、12月は3900件を示している。2002年は20352件で1月は1439件で、2月は1439件で、3月は1460件で、4月は2012件で、5月は2410件で、6月は1965件で、7月は1781件で、8月は1756件で、9月は1193件で、10月は1510件で、11月は1408件で、12月は1135件を示している。2003年は2210件で1月は1158件で、2月は1052件を示している。

1) 3月、届出のあったウイルスは51種類であった。
(Windows/DOS ウイルス1,035件、マクロウイルス及びスクリプトウイルス149件、Macintosh及びUNIXウイルスは3件。)
(*) 印は今月の新種ウイルスを示す。

Windows、DOSウイルス 届出件数 マクロウイルス 届出件数
W32/Klez 490 XM/Laroux 35
W32/Sobig 111 W97M/Marker 6
W32/Bugbear 61 WM/Cap 3
W32/Yaha 51 W97M/X97M/P97M/Tristate 3
W32/Opaserv 42 X97M/Divi 3
W32/Nimda 39 W97M/Class 2
W32/Magistr 36 W97M/Eight941 2
W32/Hybris 33 WM/Concept 1
W32/Badtrans 32 WM/Npad 1
W32/Lirva 27 W97M/Ethan 1
W32/Gibe 22 W97M/Nsi 1
W32/CIH 21 W97M/Opey 1
W32/Sircam 16 XM/VCX.A 1
W32/Funlove 10    
W32/Aliz 6    
W32/Deloder (*) 5 スクリプトウイルス 届出件数
W32/Frethem 5 VBS/Redlof 82
W32/Lovgate (*) 4 VBS/Haptime 4
W32/Spaces 4 VBS/LOVELETTER 2
W32/Brid 3 Wscript/Kakworm 1
W32/MTX 3    
W32/Datom 2    
W32/Dupator 2 UNIXウイルス 届出件数
W32/Fbound 2 Linux/Slapper 1
W32/Ska 2 Solaris/Sadmind 1
Anti-CMOS 1    
Form 1    
W32/Higuy 1 Macintoshウイルス 届出件数
W32/Marburg 1 AutoStart9805 1
W32/Tecata 1    
W32/SQLSlammer 1    

備考:件数には亜種の届出を含む

注) ウイルス名欄で、各記号はそれぞれの下記ウイルスを示す。

記号 対象ウイルス
WM MSword95(WordMacroの略)
W97M MSword97(Word97Macroの略)
XM、XF MSexcel95、97(ExcelMacro、ExcelFormulaの略)
X97M MSexcel97(Excel97Macro)
W97M/X97M/P97M MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97(Word97Macro、Excel97Macro、PowerPoint97Macroの略)
W32 Windows32ビット環境下で動作
VBS VisualBasicScriptで記述
Wscript WindowsScriptingHost環境下で動作(VBSを除く)
Solaris Solaris環境下で動作
FreeBSD FreeBSD環境下で動作
Linux Linux環境下で動作

2)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、一般法人ユーザからのもので、約84%を占めている。

届出者 届出件数
2003/3 2003年合計 2002年合計
一般法人ユーザ 1,000 84.2% 2,849 83.9% 15,313 75.2%
教育・研究機関 101 8.5% 279 8.2% 1,914 9.4%
個人ユーザ 86 7.2% 269 7.9% 3,125 15.3%

3)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて近畿地方、中部地方の順となっている。

地域 届出件数
2003/3 2003年合計 2002年合計
北海道地方 4 0.3% 10 0.3% 311 1.5%
東北地方 23 1.9% 76 2.2% 534 2.6%
関東地方 755 63.6% 2,350 69.2% 12,986 63.8%
中部地方 135 11.4% 292 8.6% 1,894 9.3%
近畿地方 193 16.3% 523 15.4% 3,254 16.0%
中国地方 25 2.1% 75 2.2% 365 1.8%
四国地方 8 0.7% 20 0.6% 151 0.7%
九州地方 44 3.7% 51 1.5% 857 4.2%

4)届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。 海外からのメールも含めたメールにより感染したケースが最も多く、届出件数の約90%を占めている。

感染経路 届出件数
2003/3 2003年合計 2002年合計
メール 785 66.1% 2,369 69.7% 17,107 84.1%
海外からのメール 289 24.3% 801 23.6% 2,660 13.0%
ダウンロード(※) 18 1.5% 50 1.5% 121 0.6%
外部からの媒体 14 1.2% 43 1.3% 119 0.6%
海外からの媒体 0 0% 1 0% 4 0%
不明・その他 81 6.8% 133 3.9% 341 1.7%

5)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。感染台数の欄0台は、FDのみの感染またはファイルのみの感染を示し、事前の検査により、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。

感染台数 届出件数
2002/12 2002年合計 2001年合計 
0台 1,101 92.8% 3,196 94.1% 18,633 91.5%
1台 79 6.7% 185 5.4% 1,364 6.7%
2台以上 5台未満 5 0.4% 11 0.3% 206 1.0%
5台以上 10台未満 1 0% 3 0.1% 59 0.3%
10台以上 20台未満 1 0% 1 0% 60 0.3%
20台以上 50台未満 0 0% 1 0% 23 0.1%
50台以上 0 0% 0 0% 7 0%

4.特定日発病ウイルスについて

ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPA/ISEC に届出されたウイルスの中で、4月4日〜5月31日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げたので注意されたい。(参考:特定日発病ウイルス[ウイルスカレンダー]

W32/Klez 3月6日 (毎月6日に発病)
VBS/Haptime 3月 10日、4月9日 (「月」と「日」の合計が13の時に発病)

コンピュータウイルスに関する届出制度について

コンピュータウイルスに関する届出制度は、経済産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシーを侵害することがないように配慮した上で、被害等の状況を分析し、検討結果を定期的に公表している。

コンピュータウイルス対策基準

  • 通商産業省告示第139号 平成 2年 4月10日制定
  • 通商産業省告示第429号 平成 7年 7月 7日改訂
  • 通商産業省告示第535号 平成 9年 9月24日改訂
  • 通商産業省告示第952号 平成12年12月28日改訂

問い合わせ先:IPAセキュリティセンター(IPA/ISEC)
(ISEC:Information technology SEcurity Center)

TEL:03-5978-7508 FAX:03-5978-7518
E-mail: 電話番号:03-5978-7501までお問い合わせください。
相談電話:03-5978-7509 URL:http://www.ipa.go.jp/security/