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コンピュータウイルスの届出状況について

2003年 1月10日

情報処理推進機構
セキュリティセンター(IPA/ISEC)

ウイルス史上最悪! W32/Klez単独で年間約1万件の届出!!

1.コンピュータウイルス届出状況

情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は、2002年12月及び2002年年間のコンピュータウイルスの届出状況をまとめた。

1−1. 2002年年間届出状況

2002年の届出件数は20,352件となり、2001年24,261件から若干減少した。9ヶ月連続で届出件数ワーストのW32/Klezウイルスが9,648件と全体の約5割を占める結果となり、1種類のウイルスの年間届出件数として史上最悪となった。続いてW32/Badtrans 3,336件、W32/Hybris 870件となった。

グラフは2001年12月から2002年12月までのウイルス別届出件数の推移を表し、Klezは2001年12月に53件、2002年1月は27件、2月は108件、3月は224件、4月は1148件、5月は1943件、6月は1555件、7月は1074件、8月は1062件、9月は727件、10月は702件、11月は613件、12月は465件を示し、Badtransは2001年12月に2701件、2002年1月は1381件、2月は649件、3月は448件、4月は224件、5月は132件、6月は139件、7月は57件、8月は111件、9月は54件、10月は49件、11月は44件、12月は46548を示し、7月から8月にかけて減衰が遅く、感染に気付かない人が多数いると思われる。Bugbearは2002年10月に323件、11月は185件、12月は133件である。

詳細は「2002年ウイルス発見届出状況」を参照

1−2. 12月届出状況

12月の届出件数は1,135件(11月1,408件)であった。ウイルス別の届出は、W32/Klez「Happy Christmas」「Happy New year」などの件名を持った亜種も出て465件と最多で、次いでW32/Bugbearが133件、W32/OpaservVBS/Redlofが67件であった。

なお、年末年始にウイルスメールが大量に飛び交うことが懸念されたので警告を発したが、大事に至るようなウイルス被害の発生はなかった。

ホームページからの感染に要注意!!

VBS/Redlof ウイルスのようにホームページを閲覧しただけで感染するタイプのウイルスがある。このウイルスに感染すると下記の経路で感染が拡大する。

  • 感染したパソコンから送信するメールの本文にウイルスプログラムが追記され、受信者に感染が拡がる。
  • パソコン内のHTMLファイルなどに感染し、気付かずに感染したファイルをホームページに公開すると、そのページを閲覧したユーザに感染が拡がる。

特に、ホームページを閲覧することで感染するケースが増えているので注意されたい。

2. 今月の呼びかけ:「ウイルス対策はワクチンソフトから!!」
−インターネットを快適に利用するために!−

ウイルスには様々な感染経路がある。W32/KlezW32/Bugbearなどのメールの添付ファイルとして届くタイプが一番多い。しかし、感染したホームページを閲覧することで感染するW32/NimdaVBS/Redlof共有ネットワークを介して感染するW32/Opaservなどもある。

これら複数の経路からの感染被害を未然に防ぐためには、最新のウイルス検出データファイルに更新したワクチンソフトを常時監視の設定で使用することが必須である。

1.必ず導入-対策には必需品 2.適切な設定-常時監視の設定が効果的 3.ウイルス検出、データファイル更新-新種ウイルスは毎日出現

 −対策には必需品

−常時監視の設定が効果的

−新種ウイルスは毎日出現
  週1回は更新を!

3. ウイルス届出の詳細

グラフは届出件数の月別推移を表し、2000年は11109件で1月は461件で、2月は414件で、3月は490件で、4月は476件で、5月は900件で、6月は549件で、7月は700件で、8月は556件で、9月は676件で、10月は906件で、11月は2203件で、12月は2778件を示している。2001年は24261件で1月は2440件で、2月は1567件で、3月は1476件で、4月は1236件で、5月は1515件で、6月は1335件で、7月は1738件で、8月は2809件で、9月は2238件で、10月は1241件で、11月は2766件で、12月は3900件を示している。2002年は20352件で1月は2283件で、2月は1439件で、3月は1460件で、4月は2012件で、5月は2410件で、6月は1965件で、7月は1781件で、8月は1756件で、9月は1193件で、10月は1510件で、11月は1408件で、12月は1135件を示している。

1) 12月、届出のあったウイルスは47種類であった。
(Windows/DOS ウイルス998件、マクロウイルス及びスクリプトウイルス136件、Macintosh及びUNIXウイルスは3件。)

Windows、DOSウイルス 届出件数 マクロウイルス 届出件数
W32/Klez 465 XM/Laroux 25
W32/Bugbear 133 XM/VCX.A 13
W32/Opaserv 67 X97M/Divi 6
W32/Brid 50 W97M/Ethan 2
W32/Badtrans 48 X97M/Barisada 2
W32/Yaha 40 WM/Cap 1
W32/Nimda 36 WM/Wazzu 1
W32/Magistr 33 W97M/Marker 1
W32/Sircam 31 W97M/Melissa 1
W32/Hybris 27 W97M/Nsi 1
W32/Funlove 15 W97M/Pri 1
W32/CIH 13 W97M/X97M/P97M/Tristate v1
W32/Frethem 7    
W32/Winevar 5    
W32/Fbound 4    
W32/higuy 4 スクリプトウイルス 届出件数
W32/Aliz 3 VBS/Redlof 67
W32/MTX 3 VBS/Haptime 6
Form 2 VBS/LOVELETTER 6
W32/Mylife 2 VBS/Netlog 2
W32/Myparty 2    
Anti-CMOS 1    
WYX 1 Macintoshウイルス 届出件数
W32/CodeRed 1 AutoStart9805 2
W32/Gibe 1    
W32/QAZ 1    
W32/Ska 1 UNIXウイルス 届出件数
W32/Tecata 1 Linux/Slapper 1
W32/Zoher 1    

備考:件数には亜種の届出を含む

注) ウイルス名欄で、各記号はそれぞれの下記ウイルスを示す。

記号 対象ウイルス
WM MSword95(WordMacroの略)
W97M MSword97(Word97Macroの略)
XM、XF MSexcel95、97(ExcelMacro、ExcelFormulaの略)
X97M MSexcel97(Excel97Macro)
W97M/X97M/P97M MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97(Word97Macro、Excel97Macro、PowerPoint97Macroの略)
W32 Windows32ビット環境下で動作
VBS VisualBasicScriptで記述
Wscript WindowsScriptingHost環境下で動作(VBSを除く)
Solaris Solaris環境下で動作
FreeBSD FreeBSD環境下で動作
Linux Linux環境下で動作

2)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、一般法人ユーザからのもので、約87%を占めている。

届出者 届出件数
2002/12  2002年合計  2001年合計 
一般法人ユーザ 984 86.7% 15,313 75.2% 17,332 71.4%
教育・研究機関 20 11.5% 1,914 9.4% 1,286 5.3%
個人ユーザ 131 1.7% 3,125 15.3% 5,643 23.3%

3)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて近畿地方、中部地方の順となっている。

地域 届出件数
2002/12 2002年合計 2001年合計
北海道地方 8 0.7% 311 1.5% 506 2.1%
東北地方 25 2.2% 534 2.6% 882 3.6%
関東地方 831 73.2% 12,986 63.8% 16,291 67.1%
中部地方 105 9.3% 1,894 9.3% 2,360 9.7%
近畿地方 115 10.1% 3,254 16.0% 2,589 10.7%
中国地方 40 3.5% 365 1.8% 387 1.6%
四国地方 7 0.6% 151 0.7% 399 1.6%
九州地方 4 0.4% 857 4.2% 847 3.5%

4)届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。 海外からのメールも含めたメールにより感染したケースが最も多く、届出件数の約93%を占めている。

感染経路 届出件数
2002/12  2002年合計  2001年合計 
メール 775 68.3% 17,107 84.1% 17,790 73.3%
海外からのメール 275 24.2% 2,660 13.0% 3,791 15.6%
ダウンロード(※) 12 1.1% 121 0.6% 593 2.4%
外部からの媒体 16 1.4% 119 0.6% 655 2.7%
海外からの媒体 0 0% 4 0% 22 0.1%
不明・その他 57 5.0% 341 1.7% 1,410 5.8%

5)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。感染台数の欄0台は、FDのみの感染またはファイルのみの感染を示し、事前の検査により、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。

感染台数 届出件数
2002/12 2002年合計 2001年合計 
0台 1,037 91.3% 18,633 91.5% 19,585 80.7%
1台 84 7.4% 1,364 6.7% 3,733 15.4%
2台以上 5台未満 8 0.7% 206 1.0% 528 2.2%
5台以上 10台未満 1 0% 59 0.3% 190 0.8%
10台以上 20台未満 3 0.3% 60 0.3% 93 0.4%
20台以上 50台未満 2 0.2% 23 0.1% 74 0.3%
50台以上 0 0% 7 0% 58 0.2%

4.特定日発病ウイルスについて

ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPA/ISEC に届出されたウイルスの中で、1月10日〜2月28日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げたので注意されたい。(参考:特定日発病ウイルス[ウイルスカレンダー]

W32/Klez 2月6日 (毎月6日に発病)
VBS/Haptime 1月 12日、2月11日 (「月」と「日」の合計が13の時に発病)

コンピュータウイルスに関する届出制度について

コンピュータウイルスに関する届出制度は、経済産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシーを侵害することがないように配慮した上で、被害等の状況を分析し、検討結果を定期的に公表している。

コンピュータウイルス対策基準

  • 通商産業省告示第139号 平成 2年 4月10日制定
  • 通商産業省告示第429号 平成 7年 7月 7日改訂
  • 通商産業省告示第535号 平成 9年 9月24日改訂
  • 通商産業省告示第952号 平成12年12月28日改訂

問い合わせ先:IPAセキュリティセンター(IPA/ISEC)
(ISEC:Information technology SEcurity Center)

TEL:03-5978-7508 FAX:03-5978-7518
E-mail: 電話番号:03-5978-7501までお問い合わせください。
相談電話:03-5978-7509 URL:http://www.ipa.go.jp/security/