IPA/ISEC


2002年 7月 5日
情報処理振興事業協会
セキュリティセンター(IPA/ISEC)

コンピュータウイルスの届出状況について

上半期の届出件数11569件!前年同時期の1.2倍!!


1.2002年 6月及び2002年上半期のウイルス届出状況

 情報処理振興事業協会セキュリティセンター(IPA/ISEC)は、2002年 6月及び2002年上半期の届出状況をまとめた。
 2002年上半期の累計届出件数は11569件となり、昨年同時期9569件の1.2倍となった。届出の多かったウイルスはW32/Klez 5005件W32/Badtrans 2973件W32/Hybris 615件となっており、メール機能悪用ウイルスが上位を占めている。また、上位2種はセキュリティホールを悪用するウイルスであった。

 上半期の届出状況の詳細については添付資料「2002年上半期のウイルス発見届出状況」を参照されたい。

2.今月の特記事項

W32/Klezウイルス依然として蔓延!!

 6月の届出件数は1965件(5月2410件)、実際に感染被害を受けた実害率は6.4%(5月7.8%)であった。

 W32/Klezウイルスの届出が1555件届出全体の約8割を占めており、依然として蔓延状況が続いている。

今月の呼びかけ:「誰がウイルスを送っているの??」
       
−ウイルス対策をしていない友達はいませんか?−

 

 W32/Klezウイルスは、差出人アドレスを詐称するため、本来の送信者(感染者)を特定することが困難である。また、この種のメール機能を悪用するウイルスは、アドレス帳の登録アドレスにウイルスメールを送信するものがほとんどであり、メール交換をしたことのある友達や知り合いのパソコンが感染している可能性がある


図 W32/Klezウイルス受信画面

 ウイルスが添付されたメールを受信しても感染しないためには、各人が対策を行うことが必要である。メール交換をする友達や知り合いにもウイルス対策を行うように勧めよう

「ワクチンソフトによるウイルス対策」

 ワクチンソフトによる対策は、感染予防に必須であり比較的容易にできる。下記の3ステップを実施しよう。

ステップ1:ワクチンソフトをインストールしよう。

ステップ2:ワクチンソフトの設定を確認し、受信メールを検査するようにしよう。
 ・リアルタイム検索(常時監視)の設定が効果的!

ステップ3:ワクチンソフト(ウイルス定義ファイル)の更新を週一回はしよう。
      
(ワクチンソフトのほとんどは、購入後、一定期間無償で更新を行えるサービスが付いている。)
 ・新種(最新)のウイルスに対応するために更新しよう。
 ・定義ファイルを自動的に更新する機能などを積極的に活用しよう。

 発病するとデータを破壊されることになるので、感染を早期発見し、発病前に駆除するためにワクチンソフトを使おう。

3. ウイルス届出の詳細       

1) 6月、届出のあったウイルスは33種類であった。
(Windows、DOSウイルス1,907件、マクロウイルス及びスクリプトウイルス58件、Macintosh及びUNIXウイルスは0件。)

Windows、DOSウイルス 届出件数 マクロウイルス 届出件数
 W32/Klez 1,555  XM/Laroux 28
 W32/Badtrans 139  W97M/Marker 3
 W32/Hybris 56  W97M/Melissa 2
 W32/Magistr 42  W97M/Bablas 1
 W32/Sircam 28  W97M/Thus 1
 W32/Nimda 21  W97M/Verlor 1
 W32/CIH 16  WM/Cap 1
 W32/Fbound 10   X97M/Divi 1
 W32/Aliz 9  XM/VCX.A 1
 W32/MTX 8     
 W32/Ska 6 スクリプトウイルス 届出件数
 W32/Gibe 5  VBS/Haptime 15
 W32/QAZ 3  Wscript/Kakworm 2
 Anti-CMOS 2  VBS/Homepage 1
 W32/Goner 2  VBS/LOVELETTER 1
 W32/Funlove 1     
 W32/Msinit 1     
 W32/Mylife 1      
 W32/Navidad 1     
  W32/Porkis  1     
       

備考:件数には亜種の届出を含む

注) ウイルス名欄で、各記号はそれぞれの下記ウイルスを示す。

記号 対象ウイルス
 WM  MSword95(WordMacroの略)
 W97M  MSword97(Word97Macroの略)
 XM、XF  MSexcel95、97(ExcelMacro、ExcelFormulaの略)
 X97M  MSexcel97(Excel97Macro)
 W97M/X97M/P97M  MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97(Word97Macro、Excel97Macro、PowerPoint97Macroの略)
 W32  Windows32ビット環境下で動作
 VBS  VisualBasicScriptで記述
 Wscript  WindowsScriptingHost環境下で動作(VBSを除く)
 Solaris  Solaris環境下で動作

2)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、一般法人ユーザからのもので、約70%を占めている。

届   出   者

届  出  件  数

2002/6   2002/1〜6   2001年合計  
 一般法人ユーザ 1,363 69.4% 8,610 74.4% 17,332 71.4%
 教育・研究機関 229 11.6% 1,060 9.2% 1,286 5.3%
 個人ユーザ 373 19.0% 1,899 16.4% 5,643 23.3%

3)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて近畿地方、中部地方の順となっている。

地     域

届  出  件  数
2002/6   2002/1〜6   2001年合計  
 北海道地方 55 2.8% 202 1.7% 506 2.1%
 東北地方 38 1.9% 319 2.8% 882 3.6%
 関東地方 1,171 59.6% 7,378 63.8% 16,291 67.1%
 中部地方 160 8.2% 1,046 9.0% 2,360 9.7%
 近畿地方 369 18.7% 1,748 15.1% 2,589 10.7%
 中国地方 52 2.6% 208 1.8% 387 1.6%
 四国地方 10 0.5% 95 0.8% 399 1.6%
 九州地方 110 5.6% 573 4.9% 847 3.5%

4)届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。 海外からのメールも含めたメールにより感染したケースが最も多く、届出件数の約99%を占めている。

感  染  経  路

届  出  件  数
2002/6   2002/1〜6   2001年合計  
 メール 1,733 88.2% 10,291 88.9% 17,790 73.3%
 海外からのメール 207 10.5% 1,074 9.3% 3,791 15.6%
 ダウンロード(※) 5 0.3% 42 0.4% 593 2.4%
 外部からの媒体 7 0.4% 45 0.4% 655 2.7%
 海外からの媒体 0 0% 4 0% 22 0.1%
 不明・その他 13 0.6% 113 1.0% 1,410 5.8%

(※)ホームページからの感染を含む

5)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。感染台数の欄0台は、FDのみの感染またはファイルのみの感染を示し、事前の検査により、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。

感  染  台  数

届  出  件  数
2002/6   2002/1〜6   2001年合計  
0台 1,840 93.6% 10,527 91.0% 19,585 80.7%
1台 87 4.4% 834 7.2% 3,733 15.4%
2台以上 5台未満 16 0.8% 120 1.0% 528 2.2%
5台以上 10台未満 9 0.5% 35 0.3% 190 0.8%
10台以上 20台未満 9 0.5% 36 0.3% 93 0.4%
20台以上 50台未満 4 0.2% 13 0.1% 74 0.3%
50台以上 0 0% 4 0% 58 0.2%

特定日発病ウイルスについて

 ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPA/ISEC に届出されたウイルスの中で、 7月6日〜 8月31日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げたので注意されたい。(参考:特定日発病ウイルス[ウイルスカレンダー]

 W32/Klez  7月 6日、8月 6日(毎月6日に発病)
 VBS/Haptime  7月 6日、8月 5日(「月」と「日」の合計が13の時に発病)

コンピュータウイルスに関する届出制度について

 コンピュータウイルスに関する届出制度は、経済産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
 IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシーを侵害することがないように配慮した上で、被害等の状況を分析し、検討結果を定期的に公表している。

 ○コンピュータウイルス対策基準
  ・通商産業省告示第139号 平成 2年 4月10日制定
  ・通商産業省告示第429号 平成 7年 7月 7日改訂
  ・通商産業省告示第535号 平成 9年 9月24日改訂
  ・通商産業省告示第952号 平成12年12月28日改訂


問い合わせ先:IPAセキュリティセンター(IPA/ISEC)
         (ISEC:Information technology SEcurity Center)
         TEL:03-5978-7508 FAX:03-5978-7518
         E-mail: isec-info@ipa.go.jp
         相談電話:03-5978-7509 URL:http://www.ipa.go.jp/security/


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