2001年11月 6日
情報処理振興事業協会
セキュリティセンター
情報処理振興事業協会セキュリティセンターは、2001年10月の届出状況をまとめた。
10月の届出件数は1,241件。
W32/Nimdaウイルスも終息傾向にあり、前月(2,238件)に比べ大幅に減少した。しかしながらW32/Nimdaウイルスの感染実害率は56.3%に至っており、届出全体の感染実害率は22.8%と依然高水準となっている。
また、W32/Nimdaウイルスは、1件の届出で感染したパソコンの台数が50台 を超えたケースが15件にのぼり、中には300台以上というケースも1件あり、復旧には延べ人数200人日以上に及ぶような、多大な労力と時間を費やすこととなっている。
社内LANにおけるフォルダ共有は被害拡大の原因!!
W32/Nimdaウイルスや、その他LAN上のパソコンに感染を拡げるウイルスに1台でも感染すると、共有されているフォルダ(パソコン)に自動的に被害が拡大することとなり、 ダメージは計り知れない。
共有設定を見直そう!
対策として、社内LANであってもCドライブをフルアクセスで共有するなどの安易な設定は避けるべきである。共有する場合は、必要最低限のフォルダに留め、かつパスワードを設定するようにされたい。共有されているかは、アイコンを確認する。また、共有を解除するにはプロパティを開き、図Cに示すチェックをはずす。
参考:LAN上で感染を拡げるウイルス
| 累計届出件数 | 初届出年月 | ウイルスの概要 | |
| W32/Sircam | 2,726件 | 2001年 7月 | 共有ドライブに自分自身をコピーして感染 |
| W32/QAZ | 416件 | 2000年 9月 | 共有ドライブのNotepad.exeファイルに感染 |
| W32/ExploreZip | 22件 | 1999年 6月 | 共有ドライブのファイルを破壊 |
届出は減少したが、ワクチンソフトを導入されていないユーザから、ウイルスかどうかの判断を求める問い合わせが多く寄せられている。 中にはファイルを開いて確認される方もおり、 「開くことができなかったがウイルスに感染したのか」等の相談も多くある。
ワクチンソフトで検査を!怪しい添付ファイル付きメールが届いたらワクチンソフトで検査する。そうすることで、ウイルスかどうかの確認ができる。ウイルスであった場合、メールごと削除すれば感染することはない。
また、パソコンに異常を発見したとき、ワクチンソフトで検査することで ウイルスの感染の有無を確認することができる。「ワクチンソフトで、ウイルスを発見したとき駆除できないがどうすれば いいか」という質問も多く寄せられている。ファイル全体がウイルスそのもので ある場合、ウイルス部分だけの駆除は行えない。従って当該ファイルを削除する ことにより処置を行う必要がある。(下図参照)

なお、ダイレクトメールや知らない人から届いたメールは、 自分にとって必要がないものである場合が多い。特にプログラムが添付されている場合、使い方もわからないのにダブルクリックをするのは非常に危険で、 開かず削除するべきである。
10月は新種ウイルスの発見はなく届出件数も少なかったが、いつ凶悪なウイルスが出現するかわからないので、ウイルス対策は習慣として引き続き確実に実施されたい。

1)今月、届出のあったウイルスは49種類であった。
(Windows/DOS及びUNIXウイルス1,012件、
マクロウイルス及びスクリプトウイルス227件、Macintoshウイルスが2件。)
| Windows、DOSウイルス | 届出件数 | マクロウイルス | 届出件数 |
| W32/Sircam | 245 | XM/Laroux | 89 |
| W32/Hybris | 230 | X97M/Divi | 21 |
| W32/Nimda | 199 | XM/VCX.A | 19 |
| W32/Magistr | 191 | W97M/X97M/P97M/Tristate | 12 |
| W32/MTX | 81 | WM/Cap | 8 |
| W32/Ska | 9 | W97M/Ethan | 8 |
| W32/QAZ | 8 | W97M/Class | 5 |
| W32/CodeRed | 7 | W97M/Nsi | 3 |
| W32/Apost | 5 | W97M/Thus | 3 |
| W32/CIH | 4 | W97M/Marker | 2 |
| W32/Funlove | 4 | W97M/Melissa | 2 |
| W32/Msinit | 4 | W97M/Claud | 1 |
| W32/Navidad | 4 | W97M/Groov | 1 |
| Anti-CMOS | 2 | W97M/Myna | 1 |
| Cascade | 2 | W97M/Opey | 1 |
| W32/Badtrans | 2 | XF/Sic | 1 |
| W32/Fix2001 | 2 | X97M/Barisada | 1 |
| W32/PrettyPark | 2 | スクリプトウイルス | 届出件数 |
| Beijin | 1 | VBS/Haptime | 35 |
| Form | 1 | VBS/LOVELETTER | 4 |
| SAMPO | 1 | Wscript/Kakworm | 4 |
| Tequila | 1 | VBS/SST | 3 |
| WYX | 1 | VBS/Homepage | 2 |
| W32/Prolin | 1 | VBS/Freelink | 1 |
| UNIXウイルス | 届出件数 | Macintoshウイルス | 届出件数 |
| Solaris/Sadmind | 5 | AutoStart9805 | 2 |
注) ウイルス名欄で、各記号はそれぞれの下記ウイルスを示す。
| 記号 | 対象ウイルス |
| WM | MSword95(WordMacroの略) |
| W97M | MSword97(Word97Macroの略) |
| XM、XF | MSexcel95、97(ExcelMacro、ExcelFormulaの略) |
| X97M | MSexcel97(Excel97Macro) |
| W97M/X97M/P97M | MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97(Word97Macro、Excel97Macro、PowerPoint97Macroの略) |
| W32 | Windows32ビット環境下で動作 |
| VBS | VisualBasicScriptで記述 |
| Wscript | WindowsScriptingHost環境下で動作(VBSを除く) |
| Solaris | Solaris環境下で動作 |
(2)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、一般法人ユーザからのもので、81%を占めている。
届 出 者 |
届 出 件 数 |
|||||
| 2001/10 | 2001年合計 | 2000年合計 | ||||
| 一般法人ユーザ | 1005 | 81.0% | 13187 | 74.9% | 9975 | 89.8% |
| 教育・研究機関 | 68 | 5.5% | 968 | 5.5% | 214 | 1.9% |
| 個人ユーザ | 168 | 13.5% | 3440 | 19.6% | 920 | 8.3% |
(3)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて中部地方、近畿地方の順となっている。
地 域 |
届 出 件 数 | |||||
| 2001/10 | 2001年合計 | 2000年合計 | ||||
| 北海道地方 | 17 | 1.4% | 303 | 1.7% | 89 | 0.8% |
| 東北地方 | 28 | 2.3% | 602 | 3.4% | 121 | 1.1% |
| 関東地方 | 838 | 67.5% | 12408 | 70.5% | 9415 | 84.8% |
| 中部地方 | 166 | 13.4% | 1503 | 8.5% | 612 | 5.5% |
| 近畿地方 | 116 | 9.3% | 1776 | 10.1% | 628 | 5.7% |
| 中国地方 | 9 | 0.7% | 227 | 1.3% | 80 | 0.7% |
| 四国地方 | 41 | 3.3% | 285 | 1.6% | 35 | 0.3% |
| 九州地方 | 26 | 2.1% | 491 | 2.8% | 129 | 1.2% |
(4)届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。 海外からのメールも含めたメールにより感染したケースが最も多く、届出件数の72%を占めている。
感 染 経 路 |
届 出 件 数 | |||||
| 2001/10 | 2001年合計 | 2000年合計 | ||||
| メール | 623 | 50.2% | 12143 | 69.0% | 6171 | 55.5% |
| 海外からのメール | 269 | 21.7% | 3051 | 17.3% | 3843 | 34.6% |
| ダウンロード(※) | 201 | 16.2% | 535 | 3.0% | 82 | 0.7% |
| 外部からの媒体 | 80 | 6.4% | 591 | 3.4% | 424 | 3.8% |
| 海外からの媒体 | 0 | 0% | 21 | 0.1% | 4 | 0% |
| 不明・その他 | 68 | 5.5% | 1254 | 7.1% | 585 | 5.3% |
(5)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。感染台数の欄0台は、FDのみの感染またはファイルのみの感染を示し、事前の検査により、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。
感 染 台 数 |
届 出 件 数 | |||||
| 2001/10 | 2001年合計 | 2000年合計 | ||||
| 0台 | 958 | 77.2% | 14118 | 80.2% | 8927 | 80.4% |
| 1台 | 193 | 15.6% | 2725 | 15.5% | 1610 | 14.5% |
| 2台以上 5台未満 | 35 | 2.8% | 407 | 2.3% | 393 | 3.5% |
| 5台以上 10台未満 | 17 | 1.4% | 155 | 0.9% | 109 | 1.0% |
| 10台以上 20台未満 | 11 | 0.9% | 78 | 0.4% | 32 | 0.3% |
| 20台以上 50台未満 | 11 | 0.9% | 63 | 0.4% | 20 | 0.2% |
| 50台以上 | 16 | 1.3% | 49 | 0.3% | 18 | 0.2% |
特定日発病ウイルスについて
ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPA/ISEC に届出されたウイルスの中で、11月 6日〜12月31日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げたので注意されたい。(参考:特定日発病ウイルス[ウイルスカレンダー] )
| VBS/Haptime | 12月 1日 |
| W97M/Thus | 12月13日 |
| W32/Kriz | 12月25日 |
| W97M/Prilissa | 12月25日 |
コンピュータウイルスに関する届出制度は、経済産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報を IPA に届け出ることとされている。
IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシーを侵害することがないように配慮した上で、被害等の状況を分析し、検討結果を定期的に公表している。
○コンピュータウイルス対策基準
・通商産業省告示第139号 平成 2年 4月10日制定
・通商産業省告示第429号 平成 7年 7月 7日改訂
・通商産業省告示第535号 平成 9年 9月24日改訂
・通商産業省告示第952号 平成12年12月28日改訂
問い合わせ先:IPAセキュリティセンター(IPA/ISEC)
(ISEC:Information technology SEcurity Center)
TEL:03-5978-7508 FAX:03-5978-7518
E-mail: isec-info@ipa.go.jp
相談電話:03-5978-7509 URL:http://www.ipa.go.jp/security/
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