ISEC


2001年10月 5日
情報処理振興事業協会
セキュリティセンター

コンピュータウイルスの届出状況について

1.2001年 9月のウイルス届出状況

 情報処理振興事業協会セキュリティセンターは、2001年 9月の届出状況をまとめた。

 9月の届出件数は 2,238件と 2ヶ月連続で 2,000件を超えた。新種W32/Nimdaウイルスは届出件数323件、実害数218件(67.5%)と感染実害率が非常に高く、 届出全体の実害数も 510件(22.8%)と 2001年の月間の最高実害率となった。

2.今月の特記事項

複数の感染経路をもつW32/Nimdaウイルス出現!!

 W32/Nimdaウイルスには複数の感染経路があり、そのひとつはInternet Explorer(IE)のセキュリティホールを攻撃しているため、ホームページを閲覧するだけ、またはメールをプレビューするだけで感染する可能性がある。なお、ホームページを閲覧しての実害数が 113件と約半数を占めている。 

 IEのバージョンアップ(セキュリティパッチの適用)を行っていれば、感染したホームページを閲覧しても、下図のウイルスファイルのダウンロードを促すWindowが表示され、ここでキャンセルを押せばダウンロードを拒否でき被害に遭わずに済む。
 クライアントマシンにセキュリティホールが存在していると、OKボタンを押さなくても自動的にダウンロードが行われてしまい、Outlook、またはOutlook Expressが使用されている環境では、ウイルスが自動実行され感染する。

 

メール本文を開くだけで感染するウイルス
  累計届出件数 初届出年月 ウイルスの概要
W32/Nimda 323件 2001年 9月 IE、IIS Webサーバーのセキュリティホールを攻撃
Wscript/Kakworm 684件 2000年 4月 IEのセキュリティホールを悪用して感染
VBS/Haptime 148件 2001年 5月 ウイルスをメールの署名ファイルとして送信

 

 

今月の呼びかけ:「備えあれば憂いなし」
           
−セキュリティパッチを当てれば恐くない−

 インターネット上には、パソコン内の設定ファイルを書き換えたり、ウイルスを掲載しているホームページが存在する。
 また、W32/Nimdaウイルスは、マイクロソフトのIEとWebサーバーソフトIISのセキュリティホールを攻撃対象として感染を拡げる。

 これらの被害に遭わずに快適にインターネットを利用するために、次に示す対策を実践されたい。

1. ブラウザやメーラーのセキュリティ機能を適切に設定する。
 参考:「主なソフトウェアのセキュリティ機能の設定画面

2. ワクチンソフトを常駐(リアルタイム検索・リアルタイム保護・オートプロテクト等)させる。

3. セキュリティパッチを適用する。(ソフトウェアのバージョンアップ) 
 参考:「Microsoft 社のホームユーザー向け セキュリティ対策 早わかりガイド

    

 

3. ウイルス届出の詳細

1)今月、届出のあったウイルスは48種類であった。初めて届けられたウイルスは、「W32/Nimda」と「W32/Apost」である。(Windows/DOS及びUNIXウイルス1,954件、 マクロウイルス及びスクリプトウイルス283件、Macintoshウイルスが1件。) (※)印は、今月の新種ウイルスを示す。

Windows、DOSウイルス 届出件数 マクロウイルス 届出件数
 W32/Sircam 704  XM/Laroux 88
 W32/Nimda(※) 323  XM/VCX.A 33
 W32/Hybris 322  X97M/Divi 27
 W32/Magistr 299  W97M/Marker 12
 W32/MTX 96  W97M/Melissa 9
 W32/CodeRed 67  W97M/X97M/P97M/Tristate 6
 W32/QAZ 33  W97M/Ethan 5
 W32/Funlove 20  W97M/Nsi 3
 W32/Apost(※) 18  WM/Cap 3
 W32/Navidad 13  W97M/Vmpck1 2
 W32/Badtrans 8  W97M/Bogor 1
 W32/Ska 8  W97M/Class 1
 W32/CIH 6  W97M/Eight941 1
 W32/PrettyPark 6  W97M/Pri 1
 W32/Msinit 5  W97M/Story 1
 Anti-CMOS 4  W97M/Thus 1
 Ripper 2  XF/Sic 1
 W32/Plage 2 スクリプトウイルス 届出件数
 WYX 2  VBS/Haptime 54
 Form 1  VBS/LOVELETTER 12
 W32/BleBla 1  Wscript/Kakworm 11
 W32/Cabanas 1  VBS/Homepage 6
UNIXウイルス 届出件数  VBS/SST 2
 Solaris/Sadmind 13  VBS/Stages 2
Macintoshウイルス 届出件数 VBS/Netlog 1
 AutoStart9805 1    

注) ウイルス名欄で、各記号はそれぞれの下記ウイルスを示す。

記号 対象ウイルス
 WM  MSword95(WordMacroの略)
 W97M  MSword97(Word97Macroの略)
 XM、XF  MSexcel95、97(ExcelMacro、ExcelFormulaの略)
 X97M  MSexcel97(Excel97Macro)
 W97M/X97M/P97M  MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97(Word97Macro、Excel97Macro、PowerPoint97Macroの略)
 W32  Windows32ビット環境下で動作
 VBS  VisualBasicScriptで記述
 Wscript  WindowsScriptingHost環境下で動作(VBSを除く)
 Solaris  Solaris環境下で動作

2)9月にIPAに初めて届け出のあったウイルスの概要を記述する。

W32/Apost

このウイルスはWindows95/98/ME/NT/2000で動作する32ビットのウイルスである。
動作するためには、Visual Basic 6のランタイムライブラリ、MAPI(Outlook)が必要。
感染すると、Outlookのアドレス帳に登録されているアドレスにウイルスを添付した メールを送信する。
添付ファイル名はreadme.exeで、件名と本文は下記の通り。
件名
As per your request!

本文
Please find attached file for your review.
I look forward to hear from you again very soon. Thank you.

W32/Nimda

このウイルスは、セキュリティホールを悪用したウイルスで、Windows95/98/ME/NT/2000で動作する。
マイクロソフト社の Internet Information Server (IIS) のセキュリティホールのあるシステムに侵入するとホームページを改ざんする。
セキュリティホールのあるInternetExplorerで改ざんされたホームページを見るとウイルスに感染する。
クライアントが感染すると、Outlookのアドレス帳に登録されているアドレス等にウイルスを添付したメールを送信する。 添付ファイル名はreadme.exeである。
そのウイルス付メールを受け取ると、Outlookではメールを開いただけで、OutlookExpressではプレビューしただけでも感染することがある。

(2)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、一般法人ユーザからのもので、78%を占めている。

届   出   者

届  出  件  数

2001/9   2001年合計   2000年合計  
 一般法人ユーザ 1747 78.1% 12182 74.5% 9975 89.8%
 教育・研究機関 108 4.8% 900 5.5% 214 1.9%
 個 人 ユ ー ザ 383 17.1% 3272 20.0% 920 8.3%

(3)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて近畿地方、九州地方の順となっている。

地     域

届  出  件  数
2001/9   2001年合計   2000年合計  
 北海道地方 39 1.7% 286 1.7% 89 0.8%
 東北地方 92 4.1% 574 3.5% 121 1.1%
 関東地方 1408 62.9% 11570 70.7% 9415 84.8%
 中部地方 208 9.3% 1337 8.2% 612 5.5%
 近畿地方 220 9.8% 1660 10.2% 628 5.7%
 中国地方 28 1.3% 218 1.3% 80 0.7%
 四国地方 33 1.5% 244 1.5% 35 0.3%
 九州地方 210 9.4% 465 2.8% 129 1.2%

(4)届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。 海外からのメールも含めたメールにより感染したケースが最も多く、届出件数の75%を占めている。

感  染  経  路

届  出  件  数
2001/9   2001年合計   2000年合計  
 メール 1454 65.0% 11520 70.4% 6171 55.5%
 海外からのメール 226 10.0% 2782 17.0% 3843 34.6%
 ダウンロード(※) 211 9.4% 334 2.0% 82 0.7%
 外部からの媒体 54 2.4% 511 3.1% 424 3.8%
 海外からの媒体 2 0.1% 21 0.1% 4 0%
 不明・その他 291 13.0% 1186 7.3% 585 5.3%
(※)ホームページからの感染を含む

(5)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。感染台数の欄0台は、FDのみの感染またはファイルのみの感染を示し、事前の検査により、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。

感  染  台  数

届  出  件  数
2001/9   2001年合計   2000年合計  
0台 1728 77.2% 13160 80.5% 8927 80.4%
1台 359 16.0% 2532 15.5% 1610 14.5%
2台以上 5台未満 54 2.4% 372 2.3% 393 3.5%
5台以上 10台未満 44 2.0% 138 0.8% 109 1.0%
10台以上 20台未満 18 0.8% 67 0.4% 32 0.3%
20台以上 50台未満 19 0.8% 52 0.3% 20 0.2%
50台以上 16 0.7% 33 0.2% 18 0.2%

特定日発病ウイルスについて

 ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPA/ISEC に届出されたウイルスの中で、10月 6日〜10月31日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げたので注意されたい。(参考:特定日発病ウイルス[ウイルスカレンダー]
 W32/Sircam  10月16日


コンピュータウイルスに関する届出制度について

 コンピュータウイルスに関する届出制度は、経済産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報を IPA に届け出ることとされている。
 IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシーを侵害することがないように配慮した上で、被害等の状況を分析し、検討結果を定期的に公表している。

 ○コンピュータウイルス対策基準
  ・通商産業省告示第139号 平成 2年 4月10日制定
  ・通商産業省告示第429号 平成 7年 7月 7日改訂
  ・通商産業省告示第535号 平成 9年 9月24日改訂
  ・通商産業省告示第952号 平成12年12月28日改訂


問い合わせ先:IPAセキュリティセンター(IPA/ISEC)
         (ISEC:Information technology SEcurity Center)
         TEL:03-5978-7508 FAX:03-5978-7518
         E-mail: isec-info@ipa.go.jp          相談電話:03-5978-7509 URL:http://www.ipa.go.jp/security/


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