ISEC


2001年 9月 6日
情報処理振興事業協会
セキュリティセンター(IPA/ISEC)

コンピュータウイルスの届出状況について

1.2001年8月のウイルス届出状況

 情報処理振興事業協会セキュリティセンターは、2001年 8月の届出状況をまとめた。

 8月の届出件数は2,809件感染実害件数も592件とこれまでの月間過去最多であった2000年12月(2,778件)及び感染実害件数過去最多2000年11月(546件)を超え、史上最悪の届出件数となった。(7月1,738件、感染実害件数344件)

2.今月の特記事項

W32/Sircamウイルス猛威!!月間届出1,257件!!!

W32/Sircamウイルスの届出が1,257件と1種類のウイルスの月間届出として過去最多の件数となった。(1種類のウイルスでは2000年12月のW32/MTXウイルス1,008件が最多)実害件数も281件(22.3%)と猛威を奮っている。

W32/Sircamウイルスの特徴(下図参照)

・同じアドレスに対し、何通もメールを送信し、しかも短い間隔で送信されることがあるため、スパムメール(迷惑メール)のようになる。
・添付ファイルのサイズがウイルス部分だけで134KBと大きいため受信に時間がかかる。
・題名(件名)と添付ファイル名に実在するファイル名を使うため、つい開いてしまい二次感染が起きやすい。

ウイルスメールを受け取らない方法

・プロバイダーの受信拒否サービスやウイルスチェックサービスを利用する。
・Outlook Expressの「メッセージルールの作成」を適切に設定し、ウイルスメールをサーバーから削除する。(細かい設定ができるので、確認することをお勧めする。)

今月の呼びかけ:「セキュリティ機能の設定を適切に」
           
−不正スクリプトによる被害を防ぐ−

 ワクチンソフトによるウイルス対策を適切に行っていても、ブラウザなどにセキュリティホールがあると、ホームページを見ただけで、パソコンが使用不能になるなどの被害に遭うケースがある。これは、ホームページに埋め込まれている不正スクリプトが自動実行されるために生じるもので、8月には、オークションサイトを閲覧して、被害に遭ったという相談が多数寄せられた。 
 このような、不正スクリプトによる被害を防ぐためには、ブラウザのセキュリティ機能を適切に設定することが必要である。(図1参照)

図1.InternetExplorerのセキュリティ機能の設定画面
(スクリプトの実行を無効にする設定例を示す)


     参考:個人ユーザのWebサーフィン、メール利用などに係わる危険性への対策

 また、最新のセキュリティパッチ(修正プログラム)を当てることで、より安全にホームページを閲覧することが出来る。
 図2にマイクロソフト社のセキュリティ情報一覧のページを示す。 Windows、InternetExplorerのユーザは定期的にチェックして活用されたい。 

図2.「Microsoft 社のセキュリティ情報一覧のページ

情報セキュリティセミナー開催

 IPAは、全国の経済産業局と共催で、情報セキュリティセミナー(ウイルス対策/不正アクセス対策)を10月24日から11月29日の間に、全国13会場において無料で開催する。
 本年度は、「エンドユーザー向けコース」と「管理者向けコース」の2コースを同じ会場で同じ日の午前、午後にそれぞれ行う。
 開催場所、日程、申し込み方法等の詳細は、【情報セキュリティセミナー】開催のお知らせを参照のこと。

3. ウイルス届出の詳細

1)今月、届出のあったウイルスは54種類であった。初めて届けられたウイルスは、「W32/CodeRed」である。(Windows/DOS及びUNIXウイルス2,456件、 マクロウイルス及びスクリプトウイルス352件、Macintoshウイルスが1件。) (※)印は、今月の新種ウイルスを示す。

Windows、DOSウイルス 届出件数 マクロウイルス 届出件数
 W32/Sircam 1257  XM/Laroux 131
 W32/Hybris 442  X97M/Divi 53
 W32/Magistr 319  XM/VCX.A 27
 W32/MTX 162  W97M/Marker 21
 W32/CodeRed(※) 110  W97M/X97M/P97M/Tristate 9
 W32/Funlove 46  W97M/Melissa 7
 W32/QAZ 28  WM/Cap 6
 W32/Badtrans 21  W97M/Ethan 6
 W32/Navidad 12  W97M/Class 4
 W32/Ska 8  W97M/Myna 3
 W32/Msinit 8  W97M/Nsi 3
 W32/PrettyPark 7  W97M/Proverb 3
 Form 6  W97M/Thus 3
 Anti-CMOS 4  W97M/Groov 2
 W32/CIH 3  W97M/Story 2
 W32/Kriz 3  WM/Concept 1
 W32/Plage 2  WM/Wazzu 1
 WYX 2  W97M/Assilem 1
 Anti-TELEFONICA 1  W97M/Bablas 1
 D3 1  W97M/Claud 1
 W32/Fix2001 1  W97M/Newhope 1
スクリプトウイルス 届出件数  W97M/Opey 1
 VBS/Haptime 35  W97M/Vmpck1 1
 Wscript/Kakworm 10  XM/Extras 1
 VBS/LOVELETTER 9 UNIXウイルス 届出件数
 VBS/Homepage 5  Solaris/Sadmind 13
 VBS/SST 2 Macintoshウイルス 届出件数
 VBS/Netlog 1  MBDF 1
 VBS/Stages 1     

注) ウイルス名欄で、各記号はそれぞれの下記ウイルスを示す。

記号 対象ウイルス
 WM  MSword95(WordMacroの略)
 W97M  MSword97(Word97Macroの略)
 XM、XF  MSexcel95、97(ExcelMacro、ExcelFormulaの略)
 X97M  MSexcel97(Excel97Macro)
 W97M/X97M/P97M  MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97(Word97Macro、Excel97Macro、PowerPoint97Macroの略)
 W32  Windows32ビット環境下で動作
 VBS  VisualBasicScriptで記述
 Wscript  WindowsScriptingHost環境下で動作(VBSを除く)
 Solaris  Solaris環境下で動作

2)8月にIPAに初めて届け出のあったウイルスの概要を記述する。

W32/CodeRed

  このウイルスは、マイクロソフト社の Internet Information Server (IIS) の脆弱性を利用して感染を拡げるワームである。セキュリティホールのあるシステムに侵入すると、メモリ上で動作し、英語版の場合は、Webを改ざんする。次に、インターネット上のセキュリティホールのあるIISサーバーを検索し、発見するとそのマシンに侵入する。
  バックドアプログラムをインストールする亜種も発見されている。

(2)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、一般法人ユーザからのもので、76%を占めている。

届   出   者

届  出  件  数

2001/8   2001年合計   2000年合計  
 一般法人ユーザ 2136 76% 10435 73.9% 9975 89.8%
 教育・研究機関 160 5.7% 792 5.6% 214 1.9%
 個 人 ユ ー ザ 513 18.3% 2889 20.5% 920 8.3%

(3)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて近畿地方、中部地方の順となっている。

地     域

届  出  件  数
2001/8   2001年合計   2000年合計  
 北海道地方 56 2% 247 1.7% 89 0.8%
 東北地方 111 4% 482 3.4% 121 1.1%
 関東地方 1853 66% 10162 72% 9415 84.8%
 中部地方 268 9.5% 1129 8% 612 5.5%
 近畿地方 365 13% 1440 10.2% 628 5.7%
 中国地方 40 1.4% 190 1.3% 80 0.7%
 四国地方 44 1.6% 211 1.5% 35 0.3%
 九州地方 72 2.6% 255 1.8% 129 1.2%

(4)届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。 海外からのメールも含めたメールにより感染したケースが最も多く、届出件数の86%を占めている。

感  染  経  路

届  出  件  数
2001/8   2001年合計   2000年合計  
 メール 1926 68.6% 10066 71.3% 6171 55.5%
 海外からのメール 511 18.2% 2556 18.1% 3843 34.6%
 ダウンロード 29 1% 123 0.9% 82 0.7%
 外部からの媒体 69 2.5% 457 3.2% 424 3.8%
 海外からの媒体 4 0.1% 19 0.1% 4 0%
 不明・その他 270 9.6% 895 6.3% 585 5.3%

(5)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。感染台数の欄0台は、FDのみの感染またはファイルのみの感染を示し、事前の検査により、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。

感  染  台  数

届  出  件  数
2001/8   2001年合計   2000年合計  
0台 2217 78.9% 11432 81% 8927 80.4%
1台 456 16.2% 2173 15.4% 1610 14.5%
2台以上 5台未満 68 2.4% 318 2.3% 393 3.5%
5台以上 10台未満 34 1.2% 94 0.7% 109 1.0%
10台以上 20台未満 17 0.6% 49 0.3% 32 0.3%
20台以上 50台未満 13 0.5% 33 0.2% 20 0.2%
50台以上 4 0.1% 17 0.1% 18 0.2%

特定日発病ウイルスについて

 ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPA/ISEC に届出されたウイルスの中で、9月 6日〜10月31日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げた。(参考:特定日発病ウイルス[ウイルスカレンダー]
 発病してからではデータを破壊される等修復が困難となるので市販のワクチンソフト等を用いて、発病する前に発見・駆除することを望む。(駆除方法についてはIPAまで)

 W32/Sircam  10月16日

コンピュータウイルスに関する届出制度について

 コンピュータウイルスに関する届出制度は、経済産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
 IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシーを侵害することがないように配慮した上で、被害等の状況を分析し、検討結果を定期的に公表している。

 ○コンピュータウイルス対策基準
  ・通商産業省告示第139号 平成 2年 4月10日制定
  ・通商産業省告示第429号 平成 7年 7月 7日改訂
  ・通商産業省告示第535号 平成 9年 9月24日改訂
  ・通商産業省告示第952号 平成12年12月28日改訂


問い合わせ先:IPAセキュリティセンター(IPA/ISEC)
         (ISEC:Information technology SEcurity Center)
         TEL:03-5978-7508 FAX:03-5978-7518
         E-mail: isec-info@ipa.go.jp          相談電話:03-5978-7509 URL:http://www.ipa.go.jp/security/


Copyright © 2001 Information-technology Promotion Agency, Japan. All rights reserved.