2001年7月5日
情報処理振興事業協会
セキュリティセンター(IPA/ISEC)

コンピュータウイルスの届出状況について

1.2001年6月及び2001年上半期のウイルス届出状況

情報処理振興事業協会(略称IPA・村岡茂生理事長)は、2001年6月及び2001年上半期のコンピュータウイルスの届出状況をまとめた。

6月の届出件数は1335件と5月(1515件)と比較してやや減少。前年同月549件の約2.5倍で、引き続き高水準を記録。
実害の割合は2月以降4ヶ月連続で減少し、11.5%(先月より5ポイント減)となった。
ワクチンソフトの活用等、適切なウイルス対策が取られており、好ましい状況となっている。
なお、ウイルスの蔓延状況は相変わらず続いているので、気を抜くことなく適切な対策を継続して実施されたい。

2.今月の特記事項

半年間で届出約1万件(前年同期の約3倍)!!

2001年の上半期の届出件数〔9569件〕は、前年同期間(3290件)の約3倍もの件数となっている。 上半期の届出状況の詳細については添付資料「2001年上半期のウイルス発見届出状況」を参照されたい。

 


あなたの質問もここにあるかも!!
−よくある5つの相談事例−

 IPAのWeb掲載のウイルス関連FAQをリニューアルした。
1)最近よくある相談事例を5つピックアップ(今後随時更新予定)
2)より引きやすくするため、ジャンルを設けて整理 
 FAQの情報をウイルス対策のために活用されることを望む。 
 相談・問い合わせをされる前に是非一読。 

・ウイルス関連FAQより抜粋 

「電子メール(添付ファイル)」
 Q: 送信者、件名、本文が空白で、妙な名称(8文字のアルファベット)のexeファイルを受けとったが、ウイルスでしょうか?

 A:W32/Hybrisです。このウイルスに感染すると・・・

 「ウイルス種別(W32/MTX)」
 Q:W32/MTXに感染しました。修復したのですが、「不正処理・・・」が頻繁に表示されます。修復できていないのでしょうか?

 A:W32/MTXに感染すると、システムで使用されている多くの重要なプログラムファイルに・・・・

今月の呼びかけ:「ワクチンソフトでは治らない?!」
           
−ワクチンソフトは感染前の検査予防に活用−

 最近のウイルスは感染時に、システム上の重要なファイルやレジストリ等を改変してしまうものが 多く出現しており、それらのウイルスは、感染するとワクチンソフトでは修復できないものが ほとんどである。 ワクチンソフトのインストールができなかったり、定義ファイルの更新ができないなどの不具合が 起こるケースも多く見受けられる。

 感染前ならば、ウイルスファイルを単に削除するだけの対処で済む。感染後では、初期化及び システム等の再インストールを行うしか修復手段が無く、貴重なデータ(アドレス帳、お気に入り、 友人からのメールなど)を消失するなど、深刻な事態となってしまう。

 ワクチンソフトは、基本的に、対象を検査発見し感染を未然に防ぐために使うことが最も効果的 であり、修復機能が付いているものであっても、必ずしも感染後に駆除(修復)できるものではないことを理解されたい。

 最近では、メールのウイルスチェックサービスを提供するプロバイダーも出てきている。 このようなサービスを利用することも、感染を未然に防ぐためには有効である。 サービスの内容等を確認の上利用を検討されたい。

3.ウイルス届出の詳細

1)今月、届出のあったウイルスは53種類であった。初めて届けられたウイルスは、 「VBS/Mawanella」である。 (Windows及びUNIXウイルス960件、マクロウイルス及びスクリプトウイルス375件。)

Windows、DOSウイルス 届出件数 マクロウイルス 届出件数
 W32/Hybris 376  XM/Laroux 99
 W32/Magistr 253  X97M/Divi 49
 W32/MTX 203  XM/VCX.A 22
 W32/Badtrans 30  W97M/Marker 20
 W32/QAZ 19  W97M/Class 11
 W32/Funlove 15  W97M/Ethan

11

 W32/Navidad 13  W97M/Melissa

8

 W32/BleBla 10  X97M/Barisada

8

 W32/Msinit 8  W97M/X97M/P97M/Tristate

4

 W32/Ska 7  W97M/Opey 3
 Anti-CMOS 4  WM/Cap 3
 W32/Kriz 3  W97M/Myna 2
 Form 2  W97M/Thus 2
 W32/CIH 2  W97M/Titch 2
 WYX 2  W97M/Bablas 1
 D3 1  W97M/Chack 1
 J&M 1  W97M/Eight941 1
 W32/PrettyPark 1  W97M/Footer 1
 Yonyu 1  W97M/Groov 1
UNIXウイルス 届出件数  W97M/JulyKiller 1
 Solaris/Sadmind 9  W97M/Nsi 1
Macintoshウイルス 届出件数  W97M/Panther 1
 

なし

 W97M/Vmpck1 1
スクリプトウイルス 届出件数  W97M/Smac 1
 VBS/Homepage 45  XM/Extras  
 Wscript/Kakworm 25    
 VBS/Haptime 21    
 VBS/SST 11    
 VBS/LOVELETTER 7    
 VBS/Mawanella(※) 7    
 VBS/Stages 3    
 VBS/Netlog 1    

注) ウイルス名欄で、各記号はそれぞれの下記ウイルスを示す。(※)印は、今月の新種ウイルスを示す。

記号 対象ウイルス
 WM  MSword95(WordMacroの略)
 W97M  MSword97(Word97Macroの略)
 XM、XF  MSexcel95、97(ExcelMacro、ExcelFormulaの略)
 X97M  MSexcel97(Excel97Macro)
 W97M/X97M/P97M  MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97(Word97Macro、Excel97Macro、PowerPoint97Macroの略)
 W32  Windows32ビット環境下で動作
 VBS  VisualBasicScriptで記述
 Wscript  WindowsScriptingHost環境下で動作(VBSを除く)
 Solaris  Solaris環境下で動作

2)6月にIPAに初めて届け出のあったウイルスの概要を記述する。

VBS/Mawanella

このウイルスはメールの添付ファイルを介して感染を広げるウイルスである。
添付ファイルを実行すると、Outlookのアドレス帳の登録アドレス全てに、以下の内容のメールを送信する。
件名:Mawanella
本文:Mawanella is one of the Sri Lanka's Muslim Village
添付ファイル名 : Mawanella.vbs
   そして、以下のメッセージを表示する。

Mawanella is one of the Sri Lanka's Muslim Village.
This brutal incident happened here 2 Muslim Mosques & 100 Shops are burnt.
I hat this incident, What about you? I can destroy your computer
I didn't do that because I am a peace-loving citizen.


(2)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、一般法人ユーザからのもので、約81%を占めている。

届   出   者

届  出  件  数

2001/6   2001年合計   2000年合計  
 一般法人ユーザ 1086 81.3% 7041 73.6% 9975 89.8%
 教育・研究機関 51 3.8% 516 5.4% 214 1.9%
 個 人 ユ ー ザ 198 14.8% 2012 21.0% 920 8.3%

(3)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて中部地方、近畿地方の順となっている。

地     域

届  出  件  数
2001/6   2001年合計   2000年合計  
 北海道 地 方 17 1.3% 165 1.7% 89 0.8%
 東 北 地 方 27 2.0% 324 3.4% 121 1.1%
 関 東 地 方 1031 77.2% 7036 73.5% 9415 84.8%
 中 部 地 方 117 8.8% 740 7.7% 612 5.5%
 近 畿 地 方 91 6.8% 905 9.5% 628 5.7%
 中 国 地 方 22 1.6% 119 1.2% 80 0.7%
 四 国 地 方 18 1.3% 140 1.5% 35 0.3%
 九 州 地 方 12 0.9% 140 1.5% 129 1.2%

(4)届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。 海外からのメールも含めたメールにより感染したケースが最も多く、届出件数の88%を占めている。

感  染  経  路

届  出  件  数
2001/6   2001年合計   2000年合計  
 メール 1018 76.3% 7031 73.5% 6171 55.5%
 海外からのメール 157 11.8% 1645 17.2% 3843 34.6%
 ダウンロード 24 1.8% 61 0.6% 82 0.7%
 外部からの媒体 57 4.3% 320 3.3% 424 3.8%
 海外からの媒体 1 0.1% 12 0.1% 4 0%
 不 明 78 5.8% 500 5.2% 585 5.3%

(5)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。感染台数の欄0台は、FDのみの感染またはファイルのみの感染を示し、事前の検査により、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。

感  染  台  数

届  出  件  数
2001/6   2001年合計   2000年合計  
  0台 1182 88.5% 7821 81.7% 8927 80.4%
  1台 129 9.7% 1459 15.2% 1610 14.5%
  2台以上 5台未満 18 1.3% 195 2.0% 393 3.5%
  5台以上10台未満 3 0.2% 50 0.5% 109 1.0%
 10台以上20台未満 2 0.1% 24 0.3% 32 0.3%
 20台以上50台未満 0 0% 11 0.1% 20 0.2%
 50台以上 4 0.3% 9 0.1% 18 0.2%

特定日発病ウイルスについて

 ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPAに届出されたウイルスの中で、7月5日〜8月31日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げた。(参考:特定日発病ウイルス[ウイルスカレンダー]
 発病してからではデータを破壊される等修復が困難となるので市販のワクチンソフト等を用いて、発病する前に発見・駆除することを望む。(駆除方法についてはIPAまで)

 VBS/Haptime  システムの「月」と「日」の合計が13のとき。(例:7月6日、8月5日)

コンピュータウイルスに関する届出制度について

 コンピュータウイルスに関する届出制度は、経済産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
 IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシーを侵害することがないように配慮した上で、被害等の状況を分析し、検討結果を定期的に公表している。

 ○コンピュータウイルス対策基準
  ・通商産業省告示第139号 平成2年4月10日制定
  ・通商産業省告示第429号 平成7年7月 7日改訂
  ・通商産業省告示第535号 平成9年9月24日改訂
  ・通商産業省告示第952号 平成12年12月28日改訂


問い合わせ先:IPAセキュリティセンター(IPA/ISEC)
         (ISEC:Information technology SEcurity Center)
         TEL:03-5978-7508 FAX:03-5978-7518
         E-mail: isec-info@ipa.go.jp
         相談電話:03-5978-7509 URL:http://www.ipa.go.jp/security/