2001年4月6日
情報処理振興事業協会

コンピュータウイルスの発見届出状況について

1.2001年3月ウイルス発見届出状況

 情報処理振興事業協会(略称IPA・村岡茂生理事長)は、2001年3月のコンピュータウイルスの発見届出状況をまとめた。

 ・2001年3月の届出概要

 3月の届出件数は1476件と、昨年末の特別多いケースに比べると減少してきてはいるが、昨年の1〜3月期と比べると3倍以上であり、引続き注意が必要である。 
 3月の届出ウイルスは50種類で、新種ウイルスは「W32/Cabanas」「X97M/Remeel」の2種類、各1件の届出であった。

2.今月の特記事項

1)パソコン初心者にも出来るウイルス対策

 新しくパソコンを購入する新規ユーザが増えてきており、メール交換を開始した途端にウイルスに感染してしまったという相談も寄せられている。 

 今月の届出総数1476件のうち実際に感染した割合は全体では20.6%であるが、個人ユーザに限ると感染割合は30.6%で、個人ユーザは実際に感染してしまうケースの比率が大きくなっている。

 

  新規ユーザにすぐ出来る、効果的なウイルス対策は、「添付ファイルは触らない」ことである。

 

 2001年3月届出では、全体の91.5%がメール経由の感染である。このメール経由感染のうち、約98%は、メールの添付ファイルによる感染である。

  たとえ知合いからのメールの添付ファイルであっても、先方に確認し、なおかつウイルス検査後に使用するという用心深さが必要である。

2.あなたもウイルス感染源に?

 ウイルスに感染していても、はっきりと感染していることが分かる症状が出ない場合が多い。そのままにしていると、ウイルス感染源として、大切なメール友達や、全く知らない第三者にウイルスをばら撒く加害者となる。
 その結果、故意にウイルスを送り付けて来ると誤解されるケースも多々ある。
  パソコンユーザは、自分の責任において、対策を取る必要がある。

今月の呼びかけ

  「触らぬ添付ファイルに被害なし」

 ウイルス感染してしまうと、場合によっては初期化しなければならないなど、修復等の処置が大変であるが、添付ファイルに触る前であれば、削除するだけで済んでしまう。削除にあたっては、操作ミスによる感染を防止するため、添付ファイルをドラッグして削除するなど、直接添付ファイルを「触る」操作は行わずに、メールごと削除する方法を用いること。
 なお、写真や画像データなどの安全が確認されているファイルはこの限りではない。ただし、ウイルスが画像データファイルのように見せかけている場合もあるので、念のためウイルス検査後使用することが望ましい。

 ウイルス対策に関する基本的な対策や情報については、下記に掲載されている。

<簡単に解る初心者必須参照のページ>

  ・パソコンユーザのためのウイルス対策7箇条
  ・メールの添付ファイルの取り扱い5つの心得
  ・安易なダウンロードがもたらす大きな被害について

<対策項目リストのページ>

  ・ウイルス対策チェックシート

<基礎知識が得られるページ>

  ・ウイルス関連FAQ
  ・ウイルス対策スクール

3.ウイルス届出の詳細

1)今月、届出のあったウイルスは50種類であった。届出件数の多いウイルスは、W32/Hybrisが557件、W32/MTX が359件となっている。
 初めて届けられたウイルスは、「W32/Cabanas」「X97M/Remeel」の2種類である。(マクロウイルス及びスクリプトウイルス399件、Windows、DOS 1077件、Macなし。)

Windows、DOSウイルス 届出件数 スクリプトウイルス 届出件数
 W32/Hybris 557  VBS/SST 93
 W32/MTX 359  Wscript/KakWorm 23
 W32/Navidad 35  VBS/LOVELETTER 16
 W32/Funlove 27  VBS/Stages
 W32/QAZ 22 マクロウイルス 届出件数
 W32/BleBla 16  XM/Laroux

93

 W32/Ska 16  X97M/Divi 66
 W32/CIH 11  W97M/Marker 21
 W32/Msinit   W97M/X97M/P97M/Tristate 16
 W32/PrettyPark  W97M/Class 10
 Form  XM/VCX.A
 WYX  X97M/Barisada
 W32/Kriz  W97M/Myna
 W32/Plage  WM/Cap
 Anti-CMOS  W97M/Thus
 B1  W97M/Bablas
 D3  W97M/Opey
 Jimi  W97M/Story
 PeterU  XF/Sic
 W32/Cabanas(※)  W97M/Ethan
 W32/Fix2001  W97M/Panther
 W32/Prolin  X97M/Remeel(※)
     W97M/Chack
     W97M/Groov
     W97M/Melissa
     WM/Npad
     W97M/Pri
Macintoshウイルス 届出件数  W97M/Proverb

なし

   W97M/Vvmpck1

注) ウイルス名欄で、各記号はそれぞれの下記ウイルスを示す。(※)印は、今月の新種ウイルスを示す。

記号 対象ウイルス
 WM  MSword95(WordMacroの略)
 W97M  MSword97(Word97Macroの略)
 XM、XF  MSexcel95、97(ExcelMacro、ExcelFormulaの略)
 X97M  MSexcel97(Excel97Macro)
 W97M/X97M/P97M  MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97(Word97Macro、Excel97Macro、PowerPoint97Macroの略)
 W32  Windows32ビット環境下で動作
 VBS  VisualBasicScriptで記述
 Wscript  WindowsScriptingHost環境下で動作(VBSを除く)

2)3月にIPAに初めて届け出のあったウイルスの概要を記述する。

X97M/Remeel

このウイルスは、マイクロソフト社のExcel(以下MSexcel)を介して感染する マクロウイルスである。
ウイルスに感染したデータファイルを読み込むと、XLStartフォルダに、 「personal.xls」というウイルスに感染したファイルを作成し、そのMSexcelに 感染する。以降感染した MSexcelで作成、編集したデータファイルを閉じるときにそのファイルに感染する。発病機能は無い。
 このウイルスはマイクロソフトエクセル97/2000で動作・感染する。

W32/Cabanas

このウイルスは、Windowsの32ビット実行形式のファイルに感染するファイル感染型ウイルスである。
ウイルスに感染したプログラムを実行すると、ウイルスはウインドウズフォルダ、システムフォルダ、カレントフォルダにある、拡張子がEXEまたはSCRのPE形式の実行可能ファイルに感染する。感染したファイルのサイズは101の倍数になる。 発病機能はない。
このウイルスは、Windows95/98/ME/NT/2000で動作する。

(2)届出の届出者別件数は次のとおりである。一番多い届出は、一般法人ユーザからのもので、約71%を占めている。

届   出   者

届  出  件  数

2001/3   2001年合計   2000年合計  
 一般法人ユーザ 1041 70.5% 3917 71.4% 9975 89.8%
 教育・研究機関 75 5.1% 265 4.8% 214 1.9%
 個 人 ユ ー ザ 360 24.4% 1301 23.7% 920 8.3%

(3)届出の地域別件数は次のとおりである。関東地方が最も多く、続いて近畿地方、中部地方の順となっている。

地     域

届  出  件  数
2001/3   2001年合計   2000年合計  
 北海道 地 方 22 1.5% 114 2.1% 89 0.8%
 東 北 地 方 65 4.4% 173 3.2% 121 1.1%
 関 東 地 方 1079 73.1% 4057 74.0% 9415 84.8%
 中 部 地 方 102 6.9% 379 6.9% 612 5.5%
 近 畿 地 方 144 9.8% 529 9.6% 628 5.7%
 中 国 地 方 15 1.0% 68 1.2% 80 0.7%
 四 国 地 方 17 1.2% 72 1.3% 35 0.3%
 九 州 地 方 32 2.2% 91 1.7% 129 1.2%

(4)届出から感染経路を区分けすると次の表のようになる。海外からのメールも含めたメールにより感染したケースが最も多く、届出件数の約92%を占めている。

感  染  経  路

届  出  件  数
2001/3   2001年合計   2000年合計  
 メール 1223 82.9% 4032 73.5% 6171 55.5%
 海外からのメール 128 8.7% 1067 19.5% 3843 34.6%
 ダウンロード 0.5% 16 0.3% 82 0.7%
 外部からの媒体 40 2.7% 126 2.3% 424 3.8%
 海外からの媒体 0% 0% 0%
 不 明 78 5.3% 241 4.4% 585 5.3%

(5)届出のあったウイルスが感染させたパソコンの台数は次のとおりである。感染台数の欄0台は、FDのみの感染またはファイルのみの感染を示し、事前の検査により、パソコンに感染する前にウイルスを発見したものである。

感  染  台  数

届  出  件  数
2001/3   2001年合計   2000年合計  
  0台 1172 79.4% 4361 79.5% 8927 80.4%
  1台 253 17.1% 957 17.5% 1610 14.5%
  2台以上 5台未満 40 2.7% 111 2.0% 393 3.5%
  5台以上10台未満 0.3% 27 0.5% 109 1.0%
 10台以上20台未満 0.1% 14 0.3% 32 0.3%
 20台以上50台未満 0.3% 0.2% 20 0.2%
 50台以上 0% 0.1% 18 0.2%

特定日発病ウイルスについて

 ウイルスの被害の拡大を防止する意味から、今回は、IPAに届出されたウイルスの中で、4月6日〜5月31日に発病する可能性がある主なウイルスを下記に掲げた。(参考:特定日発病ウイルス[ウイルスカレンダー]
 発病してからではデータを破壊される等修復が困難となるので市販のワクチンソフト等を用いて、発病する前に発見・駆除することを望む。(駆除方法についてはIPAまで)

 W32/CIH  4月26日

コンピュータウイルスに関する届出制度について

 コンピュータウイルスに関する届出制度は、経済産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
 IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシーを侵害することがないように配慮した上で、被害等の状況を分析し、検討結果を定期的に公表している。

 ○コンピュータウイルス対策基準
  ・通商産業省告示第139号 平成2年4月10日制定
  ・通商産業省告示第429号 平成7年7月 7日改訂
  ・通商産業省告示第535号 平成9年9月24日改訂
  ・通商産業省告示第952号 平成12年12月28日改訂


問い合わせ先:IPAセキュリティセンターウイルス対策室
         TEL:03-5978-7508 FAX:03-5978-7518
         E-mail: virus@ipa.go.jp 相談電話:03-5978-7509 URL:http://www.ipa.go.jp/security/