2000年4月7日
情報処理振興事業協会

コンピュータウイルスの発見届出状況について(抜粋)

 

1.2000年3月ウイルス発見届出状況

 情報処理振興事業協会(略称IPA・石井賢吾理事長)は、2000年3月のコンピュータウイルスの発見届出状況をまとめた。

 ●発見届出件数

490件(先月414件、1月〜3月累計1,365件)

  ['99年3月 455件、'99年一年間3,645件(月平均約304件)、'99年1月〜3月:904件]  

  ['90年4月から2000年3月までの届出総数13,207件] 

 ●発見届出状況

 IPAが '90年4月に届出を受理するようになってから、月間で最大の届出件数となった。
  (過去最大の届出件数は、2000年1月の461件)
   届出ウイルスの種類は32種類で、 一番届出の多かったウイルスは、W32/PrettyParkが101件(先月37件)、次いでXM/Larouxで93件(先月68件)であった。
 3月の新種ウイルスは、「W97M/Tolose」「W97M/Brenda」「W32/Funlove」「W32/Kenston」の4種類。
 感染経路は、メールにより感染したケースが最も多く、海外からのメールにより感染したケースを含めると、不明を除いた届出件数の約88%を占めている。

2.今月の特記事項

(1)過去最大の届出件数[約8割は感染を未然に防いだケース]

 3ヶ月連続で 400件を越える届出となり、月間で過去最大の届出件数となった。
 しかしながら、届出の感染台数の内訳を見ると、パソコンに感染する前にウイルスを発見し、未然に防いだケースが 390件と全体の約80%(先月81%)を占めている。1月から3月までの累計でも、約77%となっている。 (1999年一年間の届出のうち、未然に防いだケースの割合は、約46%)
 今月、感染を未然に防いだケースのうち、約95%は、ワクチンソフトの常駐によりウイルスを発見しており、この背景には、ワクチンソフト利用率の向上があるものと考えられる。

(2)W32/PrettyPark、VBS/Freelinkの届出急増

 メール機能を悪用したウイルスW32/PrettyParkVBS/Freelinkの届出が急増している。
 W32/PrettyParkは、101件(2000年1月31件、2月37件)、VBS/Freelinkは67件(2000年1月6件、2月29件)の届出件数となった。
 いずれも、アドレス帳に登録されているメールアドレス全てに対し、ウイルスを添付したメールを送信するウイルスで、このようなウイルスに感染すると知らないうちにウイルスを外部に出してしまい、ウイルス感染の加害者になってしまうので、注意が必要である。
 友人、知人からのメールであっても、 Prettypark.exeLinks.vbsという名称の添付ファイルは、速やかに削除して、決して実行しないこと。また、送信元が感染に気づいていない場合がほとんどなので、相手にウイルスに感染している旨を連絡されたい。

(3)コンピュータウイルス被害状況調査について

  届出以外のウイルス被害状況の実態を把握するために、国内及び海外におけるアンケートによるコンピュータウイルス被害状況調査を実施し、調査結果をまとめたものを「コンピュータウイルス被害状況調査結果要約」として添付した。

 被害状況調査結果の詳細 ( 国内 ・ 海外 )   

(4)システム管理者向けウイルス対策/不正アクセス対策セミナー総括

 IPAでは、平成12年3月15日(水)10:00〜16:30 銀座ヤマハホールにおいて、関東通産局と共催で、「システム管理者向けコンピュータウイルス対策/不正アクセス対策セミナー」(実践的なシステム防衛術を身につけるために)を開催した。会場での質問、内容等を要約してまとめたものを「開催総括」として添付した。


コンピュータウイルスに関する届出制度について

 コンピュータウイルスに関する届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。
 IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシー を侵害することがないように配慮した上で、被害等の状況を分析し、検討結果を定期的に公表している。

 ○コンピュータウイルス対策基準
  ・通商産業省告示第139号 平成2年4月10日制定
  ・通商産業省告示第429号 平成7年7月 7日改訂
  ・通商産業省告示第535号 平成9年9月24日改訂


 届出件数は、'90年4月通商産業省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は12,707件となる。次に示すグラフは、 '98年1月から2000年3月までの届出件数の月別推移を表したものである。

9911.gif (13421 バイト)

  今月、届出のあったウイルスは32種類であった。 届出件数の多いウイルスは、W32/PrettyParkが101件となっている。 初めて届けられたウイルスは、W97M/Tolose、W97M/Brenda、W32/Funlove、W32/Kenston(*印)の4種類である。 (マクロウイルス、VBSウイルス289件、Windows・DOS、Macintoshウイルス202件、1件で複数のウイルスの届出があるため、合計は届出件数の490件に合致しない。) 

マクロウイルス 届出件数 Windows、DOSウイルス 届出件数
 XM/Laroux 93 20  W32/PrettyPark 101
 W97M/Marker 36 21  W32/Ska 71
 W97M/Ethan 25 22  W32/CIH 13
 W97M/X97M/P97M/Tristate 22 23  W32/Fix2001
 W97M/Class 14 24  フォーム
 W97M/Melissa 25  W32/Funlove(*)
 WM/Cap 26  W32/Kenston(*)
 W97M/Myna 27  アンチシーモス
 W97M/Opey 28  アンジェリーナ
10  W97M/Tolose(*) 29  ウィンナー
11  W97M/Thus 30  プリントスクリーン
12  W97M/Story 31  リッパー
13  W97M/Brenda(*)      
14  W97M/Chack      
15  W97M/Groov      
16  W97M/Locale      
17  WM/Wazzu      
18  XM/VCX.A      
VBSウイルス 届出件数 Macintoshウイルス 届出件数

19

 VBS/Freelink

67

32

 AutoStart9805

注)
 1.ウイルス名欄で、
  XMは、MSexcel95、97で動作するウイルス。(ExcelMacroの略)
  W97Mは、MSword97で動作するウイルス。(Word97Macroの略)
  W97M/X97M/P97Mは、MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97で動作するウイルスを示す。
  (Word97Macro/Excel97Macro/PowerPoint97Macroの略)
  WMは、MSword95で動作するウイルス。(WordMacroの略)
   X97Mは、MSexcel97で動作するウイルス。(Excel97Macroの略)
 2.W32/は、Windows32ビット環境下で動作するウイルスを示す。
 3.VBS/は、VisualBasicScriptで記述されているウイルスを示す。

  3月の発見届出の詳細

 

問い合わせ先:
 

IPA(情報処理振興事業協会)セキュリティセンターウイルス対策室

TEL 03-5978-7508 FAX 03-5978-7518 E-mail virus@ipa.go.jp