2000年3月3日
情報処理振興事業協会

コンピュータウイルス被害の届出状況について(抜粋)

 

1.2000年2月ウイルス被害届出状況

 情報処理振興事業協会(略称IPA・石井賢吾理事長)は、2000年2月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。

 ●被害届出件数

414件(先月461件、1月〜2月累計875件)

  ['99年2月 251件、'99年一年間3,645件(月平均約304件)、'99年1月〜2月:449件]  

  ['90年4月から2000年2月までの届出総数12,717件] 

 ●被害届出状況

 先月よりやや減少したが、2ヶ月連続で400件を越える届出件数となった。
 届出ウイルスの種類は33種類で、 一番届出の多かったウイルスは、W32/Ska(Happy99)が93件(先月96件)、次いでXM/Larouxで68件(先月115件)であった。
  2月の新種ウイルスは、「W97M/Myna」「W97M/Thus」「W97M/Taro」「X97M/Divi」の4種類
 感染経路は、メールにより感染したケースが最も多く、海外からのメールにより感染したケースを含めると、不明を除いた届出件数の約88%を占めている。

2.今月の特記事項

(1)2ヶ月連続で被害届出400件を越える[約8割は感染を未然に防いだケース]

  先月よりはやや減少したが、昨年の月平均を大きく上回り、2ヶ月連続で400件を越える届出件数となった。昨年までに月間の届出件数が400件を越えたのは、'99年3月(455件)、'99年10月(405件)の2回。
  しかしながら、届出の内訳を見ると、感染を未然に防いだ届出が 336件と全体の約81%(先月71%)を占めており、実質的な被害は減少している。これは、管理者及びユーザのウイルスに対する意識が高まり、適切な感染予防対策が実施されてきたことによるものと思われる。今後も継続して、運用面も含めてきちんとした対策をとることが望まれる。

(2)9割近くがメールからの感染

  メールにより感染したケースが、海外からのメールにより感染したケースを含めると、不明を除いた届出件数の約88%を占めている。また、自動的にウイルスを添付したメールを送信し、感染を拡げるウイルスが数多く発見されているので、メールの添付ファイルの取り扱いには、細心の注意を払うようにされたい。 下記に、対策の基本的事項を示すので、周知徹底されたい。

a)たとえ、友人、知人、職場の同僚から送られてきた電子メールであっても、添付ファイルは、開いたり、実行したりする前に、必ず最新のワクチンソフトでウイルス検査を行うこと。

b)「W32/Ska(Happy99)」、「W32/PrettyPark」などのトロイの木馬型ウイルスで、新種の場合は、 最新のワクチンソフトでも発見できない可能性が高いので、特に、メールの添付ファイルで受け取ったプログラムファイルは、相手先に内容の問い合わせを行う等により、ファイルの安全が確認できるまでは、実行しないこと。

(3)VBS/Freelinkの届出増加

 メール機能を悪用したウイルスVBS/Freelinkの届出が増加している。(先月6件、今月29件)今のところ、その殆どは、添付ファイルを実行する前に検査を行い、パソコンに感染する前に発見したもので、大きな感染被害には至っていないが、今後も2次感染で被害を拡大させないために、引き続き以下の注意が必要である。

  例えよく知っている相手からのメールであったとしても、Links.vbsというファイルが添付されている場合、実行することなく、速やかに削除すること。 また、ウイルス定義ファイルの更新をするとともに、ワクチンソフトの検査対象設定時に、vbsの拡張子を追加されたい。
   (参考:主なワクチンソフトの検査対象の設定方法

(4)IPAのWebサイトの情報について

  IPAのWebサイトに掲載している、特定日発病ウイルスに、【2000年ウイルスカレンダー】の情報を追加したので、対策の参考にされたい。


ウイルス被害届出制度について

 コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。

 IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した被害届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシー を侵害することがないように配慮した上で、被害状況の調査及び検討結果を定期的に公表している。

 ○コンピュータウイルス対策基準
  ・通商産業省告示第139号 平成2年4月10日制定
  ・通商産業省告示第429号 平成7年7月 7日改訂
  ・通商産業省告示第535号 平成9年9月24日改訂


 届出件数は、'90年4月通商産業省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は12,707件となる。次に示すグラフは、 '98年1月から2000年2月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。

9911.gif (13421 バイト)

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年、'96年、'97年の届出件数はそれぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件、755件、2391件である。

  今月、届出のあったウイルスは33種類であった。届出件数の多いウイルスは、W32/Skaが93件となっている。 初めて届けられたウイルスは、W97M/Myna、W97M/Thus、W97M/Taro、X97M/Divi(*印)の4種類である。 (マクロウイルス219件、従来型195件。) 

項番

ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

2000/2

IBM機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
XM/Laroux 68
W97M/Ethan 31
W97M/X97M/P97M/Tristate 31
W97M/Class 27
W97M/Marker 26
WM/Cap
*7 W97M/Myna
W97M/Melissa
W97M/Opey
*10 W97M/Thus
11 W97M/Chack
12 W97M/Story
13 WM/Concept
14 WM/Niceday
15 WM/Nottice
16 W97M/Pri
17 W97M/Prilissa
*18 W97M/Taro
19 XM/VCX.A
*20 X97M/Divi
             
21 W32/Ska 93
22 W32/PrettyPark 37
23 VBS/Freelink 29
 24 W32/Fix2001 16
25 W32/CIH
26 カスケード
27 フォーム
28 D3
29 W32/ExploreZip
30 アンチシーモス
31 カンス
32 ステルスブート
33 AutoStart9805

注)
 1.ウイルス名欄で、
  XMは、MSexcel95、97で動作するウイルス。(ExcelMacroの略)
  W97Mは、MSword97で動作するウイルス。(Word97Macroの略)
  W97M/X97M/P97Mは、MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97で動作するウイルスを示す。
  (Word97Macro/Excel97Macro/PowerPoint97Macroの略)
  WMは、MSword95で動作するウイルス。(WordMacroの略)
   X97Mは、MSexcel97で動作するウイルス。(Excel97Macroの略)
 2.W32/は、Windows32ビット環境下で動作するウイルスを示す。
 3.VBS/は、VisualBasicScriptで記述されているウイルスを示す。
 4.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。

  2月の被害届出の詳細

 

問い合わせ先:
 

IPA(情報処理振興事業協会)セキュリティセンターウイルス対策室

TEL 03-5978-7508 FAX 03-5978-7518 E-mail virus@ipa.go.jp