2000年2月4日
情報処理振興事業協会

コンピュータウイルス被害の届出状況について(抜粋)

 

1.2000年1月ウイルス被害届出状況

 情報処理振興事業協会(略称IPA・石井賢吾理事長)は、2000年1月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。

 ●被害届出件数

461件(先月238件)

  ['99年1月 198件、'99年一年間3,645件(月平均約304件)]

 ●被害届出状況

IPAが '90年4月に被害届出を受理するようになってから、最大の届出件数となった。
 (過去最大の届出件数は、'99年3月の455件)
届出ウイルスの種類は32種類で、 一番届出の多かったウイルスは、XM/Larouxで115件('99年12月51件)、次いでW32/Ska(Happy99)が96件('99年12月41件)であった。
1月の新種ウイルスは、「W97M/Prilissa」「W97M/Bribagi」「W32/LoveSong」の3種類
 感染経路は、メールにより感染したケースが最も多く、海外からのメールにより感染したケースを含めると、不明を除いた届出件数の約85%を占めている。

2.今月の特記事項

(1)過去最大の届出件数

 月間の届出件数としては過去最大となった。
 届出の内訳をみると、一般法人からの割合が、全体の約89%を占めており、また、パソコンに感染する前にウイルスを発見し、未然に感染を防いだ届出が 326件と、全体の約71%を占めていることから、Y2K対策の一環として、ワクチンソフトをサーバーレベルで使用するなど、運用面で強化がなされたことが、ウイルスの発見、届出増加の大きな要因の一つであると考えられる。
 過去、月間の届出件数が400件を越えたのは、'99年3月(455件)、10月(405件)の2回

(2)W32/Fix2001の届出増加

  メールの機能を悪用したウイルスW32/Fix2001の届出が増加している。今のところ、その殆どは、添付ファイルを実行する前に検査を行い、パソコンに感染する前に発見したもので、大きな感染被害には至っていないが、今後も2次感染で被害を拡大させないために、引き続き以下の注意が必要である。例えよく知っている相手からのメールであったとしても、fix2001.exeというファイルが添付されている場合、実行することなく、速やかに削除すること。

     参考:W32/Fix2001に関する情報

(3)「2000年ウイルス」について!!

 2000年問題に便乗したいわゆる「2000年ウイルス」の届出は、上述のW32/Fix2001の1種類のみであり、年があけて2000年になると発病するウイルスも海外では発見されていたが、それらの届出は1件もなかった。

(4)システム管理者向けコンピュータウイルス対策/不正アクセス対策セミナー東京地区開催

 IPAでは、関東通産局と共催で、「システム管理者向けコンピュータウイルス対策/不正アクセス対策セミナー」(実践的なシステム防衛術を身につけるために)を開催する。
 開催日時等 :平成12年3月15日(水)10:00〜16:30 於:銀座ヤマハホール
 申込受付期間:平成12年2月25日(金)〜3月10日(金)
 申込宛先方法:関東通商産業局産業企画部情報政策課宛 E-mail、FAXにて申し込み。
  E-mail kanto-josei@miti.go.jp FAX:048-601-1289
 詳細は、「開催のお知らせ」を参照のこと。


ウイルス被害届出制度について

 コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。

 IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した被害届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシー を侵害することがないように配慮した上で、被害状況の調査及び検討結果を定期的に公表している。

 ○コンピュータウイルス対策基準
  ・通商産業省告示第139号 平成2年4月10日制定
  ・通商産業省告示第429号 平成7年7月 7日改訂
  ・通商産業省告示第535号 平成9年9月24日改訂


 届出件数は、'90年4月通商産業省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は12,303件となる。次に示すグラフは、 '98年1月から2000年1月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。

9911.gif (13421 バイト)

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年、'96年、'97年の届出件数はそれぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件、755件、2391件である。

 今月、届出のあったウイルスは32種類であった。届出件数の多いウイルスは、XM/Larouxが115件となっている。初めて届けられたウイルスは、W97M/Prilissa、W97M/Bribagi、W32/LoveSong(*印)の3種類である。(マクロウイルス270件、従来型191件。)

項番

ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

2000/1

IBM機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
XM/Laroux 115
W97M/Ethan 30
W97M/X97M/P97M/Tristate 28
WM/Cap 25
W97M/Marker 24
W97M/Class 23
W97M/Melissa
XM/Extras
W97M/Story
*10 W97M/Prilissa
11 XM/VCX.A
12 WM/Appder
13 WM/Npad
14 WM/Wazzu
*15 W97M/Bribagi
16 W97M/Chack
17 W97M/Locale
18 W97M/Opey
             
19 W32/Ska 96
20 W32/PrettyPark 31
21 W32/Fix2001 19
22 W32/CIH 17
23 フォーム
 24 VBS/Freelink
25 アンチシーモス
26 W32/ExploreZip
*27 W32/LoveSong
28 カスケード
29 タイパン
30 ベイジン
31 ヤンキードゥードル
32 AutoStart9805

注)
 1.ウイルス名欄で、
  XMは、MSexcel95、97で動作するウイルス。(ExcelMacroの略)
  WMは、MSword95で動作するウイルス。 (WordMacroの略)
  W97Mは、MSword97で動作するウイルス。 (Word97Macroの略)
  W97M/X97M/P97Mは、MSword97、MSexcel97、MSpowerpoint97で動作するウイルスを示す。
  (Word97Macro/Excel97Macro/PowerPoint97Macroの略)
 2.W32/は、Windows32ビット環境下で動作するウイルスを示す。
 3.VBS/は、VisualBasicScriptで記述されているウイルスを示す。
 4.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。

  1月の被害届出の詳細

 

問い合わせ先:
 

IPA(情報処理振興事業協会)セキュリティセンターウイルス対策室

TEL 03-5978-7508 FAX 03-5978-7518 E-mail virus@ipa.go.jp