2000年1月14日
情報処理振興事業協会

コンピュータウイルス被害の届出状況について(抜粋)

 

1.1999年12月ウイルス被害届出状況

 情報処理振興事業協会(略称IPA・石井賢吾理事長)は、'99年12月のコンピュータウイルス被害の届出状況をまとめた。

 ●被害届出件数

238件(先月219件、一年間累計3,645件(月平均約304件))

  ['98年12月 230件、'98年一年間2,035件(月平均約170件)]

 ●被害届出状況

先月やや上回る届出件数となった。
届出ウイルスの種類は28種類で、一番届出の多かったウイルスは、XM/Larouxで51件(’99年11月52件)であった。
12月の新種ウイルスは次のとおりで、'99年における月当たり最多の6種類であった。('99年のこれまでは、6月の5種類が最多)
W97M/Story」「W97M/Astia」「W97M/Locale」「W97M/Bogor」「W32/Fix2001」「VBS/Freelink」 
感染経路は、メールにより感染したケースが最も多く、海外からのメールにより感染したケースを含めると、不明を除いた届出件数の約72%の割合を占めている。

2.今月の特記事項

(1)1999年被害届出状況について!!

 '99年一年間の被害届出件数は、3,645件とIPAが '90年4月に被害届出を受理するようになってから、最大の届出件数となった。(過去最大の届出件数は、 '97年の2,391件)
'99年一年間の状況を'98年のデータと併記して参考資料「1999年ウイルス被害届出状況」に記述したので参照されたい。

(2)2000年ウイルスについて!!

 年末に、海外で2000年ウイルスの新種が数種発見されたが、マクロウイルスを除いて、いずれもウイルスの感染能力がまったくなく、被害はほとんど出ていない。なお、国内ではこれら新種のウイルスは発生していない。
  参考:年末ぎりぎりに発見され報道された新種ウイルス(Y2K便乗ウイルス)について
 年末年始に、2000年ウイルスが大量に発生し、大混乱になるとの懸念が噂されたが、上述の新種ウイルスが発見された程度で、大きな被害はなかった。しかしながら、今後も引き続き適切なウイルス対策を継続していくことが必要である。
 なお、IPAへの届出では、2000年ウイルスに該当するものとして、W32/Fix2001の届出があった。

(3)VBS/Freelinkについて!!

 VBS(VisualBasicScript)の記述言語を用いたウイルスで、VBS/Freelinkの届出があった。国内ではまだ大きな被害は出ていないが、海外ではVBSタイプのウイルスは数多く発見されており、国内に上陸することも十分考えられるので、注意されたい。
 ウイルス定義ファイルの更新をするとともに、ワクチンソフトの検査対象に、拡張子がVBSのファイルも追加されたい。


ウイルス被害届出制度について

 コンピュータウイルスの届出制度は、通商産業省のコンピュータウイルス対策基準に基づき、'90年4月にスタートした制度であって、コンピュータウイルスを発見したものは被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届け出ることとされている。

 IPAでは、個別に届出者への対応を行っているが、同時に受理した被害届出等を基に、コンピュータウイルス対策を検討している。また受理した届出は、届出者のプライバシー を侵害することがないように配慮した上で、被害状況の調査及び検討結果を定期的に公表している。

 ○コンピュータウイルス対策基準
  ・通商産業省告示第139号 平成2年4月10日制定
  ・通商産業省告示第429号 平成7年7月 7日改訂
  ・通商産業省告示第535号 平成9年9月24日改訂


 届出件数は、'90年4月通商産業省が告示した「コンピュータウイルス対策基準」に基づ いて、IPAが被害の届出機関に指定されてから受理した届出の件数である。今まで の届出件数は11,842件となる。次に示すグラフは、 '97年1月から'99年12月までの被害届出件数の月別推移を表したものである。

9911.gif (13421 バイト)

注記)'90年(4月〜12月)、'91年、'92年、'93年、'94年、'95年、'96年の届出件数はそれぞれ 14件、57件、253件、897件、1127件、668件、755件である。

 今月、届出のあったウイルスは28種類であった。届出件数の多いウイルスは、XM/Larouxが51件となっている。初めて届けられたウイルスは、W97M/Story、W97M/Astia、W97M/Locale、W97M/Bogor、W32/Fix2001、VBS/Freelink(*印)の6種類である。(マクロウイルス127件、従来型112件。1件で複数のウイルス感染届出があるため、合計は、届出件数の238件に合致しない。)

項番

ウ イ ル ス 名

届出件数

感  染  し  た  機  種

'99/12

IBM機

互換機

NEC98機

互換機

MAC機 FDのみ
XM/Laroux 51
W97M/Class 14
W97M/Marker 14
W97M/Ethan
WM/Cap
*6 W97M/Story
W97M/X97M/P97M/Tristate
W97M/Melissa
*9 W97M/Astia
*10 W97M/Locale
*11 W97M/Bogor
12 W97M/Chack
13 W97M/ColdApe
14 W97M/Opey
15 W97M/Protected
16 XM/VCX.A
             
17 W32/Ska 41
18 W32/PrettyPark 33
19 W32/CIH 16
20 W32/EploreZip
*21 W32/Fix2001
*22 VBS/Freelink
23 アンチシーモス
 24 カスケード
25 フォーム
26 モンキー
27 AutoStart9805
28 nVIR

注)
 1.ウイルス名欄で、XMはExcelMacro、W97Mは、Word97Macro、WM/はWordMacro、W97M/X97M/P97Mは、Word97Macro/Excel97Macro/PowerPoint97Macro、の略である。
 2.W32/は、Windows32ビットの環境下で動作するウイルスを示す。
 3.VBSは、VisualBasicScriptの略である。
 4.感染した機種欄の印は、●感染有り、−感染無しである。

  12月の被害届出の詳細

 

問い合わせ先:
 

IPA(情報処理振興事業協会)セキュリティセンターウイルス対策室

TEL 03-5978-7508 FAX 03-5978-7518 E-mail virus@ipa.go.jp