−漏れているのは、官公庁や大企業の情報だけではない−
最終更新日 2011年 3月31日
独立行政法人 情報処理推進機構
セキュリティセンター
官公庁や大企業の取り扱う個人情報や機密情報等が職員等の私有または私用パソコン(以下「私有パソコン」という。)から漏えいする事件が、毎日のようにニュースに取り上げられています。
報道によると、漏えいした情報の種類こそ違いますが、ほとんどの事件に共通している点は、職員がファイル共有ソフト(注1) Winnyを導入(インストール)した私有パソコンに、官公庁や企業等で取り扱う個人情報や機密情報等をコピーし、使用していたところ、ウイルス(W32/Antinny)に感染し、情報漏えいしたという点です。
(注1)インターネットを利用して、不特定多数のユーザ間でファイルを共有できるソフトウェア。
Winny経由で情報が漏えいする仕組みを、図1.1に示します
図1.1 Winny経由で情報が漏えいする仕組み
ウイルス(W32/Antinny)に感染すると、パソコン内の送受信メールやWordやExcel等のデータファイルが、パソコン内の公開フォルダにコピーされてしまいます。公開フォルダにコピーされたファイルは、世界中のWinny利用者が入手できる状態になったということです。
図1.1に示すように、インターネット(Winnyのネットワーク)に流出したデータは、不特定多数のWinny利用者が保有することになり、回収することは不可能です。
このため、情報漏えいを未然に防ぐことがとても重要です。
なお、中小企業や個人事業者、一般の個人ユーザの情報漏えいがニュースに取り上げられないのは、漏えいした情報がどこからのものか特定できない、重要ではないと考えられたなどニュース性が低いため報道機関が取り上げなかっただけと考えられ、情報漏えいがないということではありません。
情報漏えい問題は、他人事と考えずに、自分に当てはめて考えていただくことが重要です。
公表されたWinny経由での情報漏えい事件には、次のような原因と対策が挙げられます。
→ 私有パソコンを使わないように再徹底する。
→ ルールを再徹底し、チェックを強化する。
→ ウイルス対策の重要性を再徹底する。
貴方には当てはまりませんか?!
IPAが提供する、「情報漏えい対策ツール」をご利用ください。こちらから、利用申し込みができます。
情報漏えい対策ツールは、ファイル共有ソフト(Winny、Winnyp、Share)による『情報漏えい』を防ぐためのソフトウェアです。例えば、家族で共有している自宅のパソコンや企業・組織のパソコンに情報漏えい対策ツールをインストールすることで、そのパソコン上におけるファイル共有ソフトの実行を禁止することができます。また、企業や組織などの情報漏えい対策で、自宅のパソコンにファイル共有ソフトがインストールされていないことを証明することにも利用できます。
Winnyからの情報漏えいを防ぐには、次のような対策が考えられ、それらを組み合わせて実施することが有効と考えられます。
パソコンの管理者や利用者が自ら実施できる対策もあれば、上司が行うべき対策もあります。また、職場のルールを変えたり、ネットワークシステムや設備の変更を伴う対策もあります。どの対策を組み合わせるかは、簡単なもの、効果がありそうなものというような単純な選択ではなく、取り扱う情報と漏えい時の影響、導入コスト等を考慮し総合的に検討することが重要です。
官公庁や企業等においては、個人情報や機密情報等の情報漏えいを防ぐためにどのような対策を行うべきか、管理的対策と技術的対策について具体的にまとめてみます。 次にあげる対策のポイントを参照し、あらためて情報の扱いについて確認し、トラブルの発生を未然に防ぐよう対処してください。
組織(委託先を含む)で業務に用いるパソコンについては、ファイル共有ソフトの使用条件を定めておくことが重要です。
パソコン内の情報が漏えいする危険性を考慮すると、個人情報や機密情報等が保存されているパソコンではファイル共有ソフトの使用は控えるべきです。
業務に無関係な目的で導入しているソフトウェアは削除すべきです。
使用が許可される場合であっても、個人情報や機密情報等が保存されているパソコンへインストールするべきではありません。ウイルス感染や誤操作により、公開用フォルダ以外の場所に格納されている個人情報や機密情報等が外部に流出してしまう危険性があります。
定められた使用方法、使用条件に適合しているか、常に管理する必要があります。
私有パソコンは、組織として管理することが難しく、業務で使用することは望ましいとは言えません。更に、私有パソコンで個人情報や機密情報等を取り扱わせることは、きわめて危険で避けるべきです。しかし、やむをえず私有パソコンを業務に使用する場合は、管理について定めておくことが重要です。
業務に無関係な目的で使用すべきではありません。
扱う情報の範囲や期間などを明確にして許可する必要があります。
その私有パソコンに許可された利用範囲を、管理者が確認できるようにすべきです。
私有パソコンの許可は自動延長ではなく、定期的に再審査すべきです。
個人情報や機密情報等を取り扱う私有パソコンを職場から持ち出すことは、パソコン内の情報が漏えいする危険性が高く、許可するべきではありません。相応の理由で持ち出す場合は、個人情報や機密情報等が内在していないかをチェックし、職場外での利用形態や窃盗や紛失でも情報漏えい対策(暗号化等)が 十分であるかチェックする仕組みが必要です。
個人情報や機密情報等を含む業務情報を記録媒体などにコピーして外部に持ち出すことは、外部のパソコンからの情報漏えいや記録媒体の紛失などのリスクがあり、厳に避けるべきです。 しかし、やむをえず持ち出す場合には、次のような厳重な管理をすることが重要です。
手続きが煩雑なために手続きをしないことが起きては意味がありません。
また、形式的な手続きで、不要な持ち出しが許可されないよう注意する必要があります。ルールの運用にあたっては、職場外で作業するために持ち出すことを十分確認してください。
記憶媒体などにコピーされた業務情報の中に、許可された情報以外の情報が含まれていないか確認することも重要です。簡単に情報を確認できるように、ファイル名のつけ方のルールや、ファイル名等から検索できるデータベースの整備が有効です。
外部に持ち出した記憶媒体を取り扱う外部のパソコンがウイルス等に感染していて情報漏えいすることがないようにすることが重要です。
このため、外部のパソコンを利用して当該業務情報を取り扱った後、外部のパソコン等に当該業務情報が残らないようにする手順を定める必要があります。
実際の事件において、数年前に個人情報や機密情報等を取り扱った私有パソコンの該当ファイルは削除したはずと思いこんでいたパソコンにWinnyをインストールしたことにより、削除したはずのファイルが漏えいするという事例がありました。
サーバーを介さずに P2P(注2)により外部と接続することが可能なクライアントパソコンは、サーバーの段階でウイルスチェックがされていても、クライアントパソコンにウイルス対策ソフトを導入していなければ感染被害に遭ってしまいます。
新種や亜種のウイルスに対応するために、ウイルス対策ソフトのパターンファイルの更新を定期的行うことが肝要です。
(注2)P2P(Peer to Peer) 不特定多数の個人間で、サーバーを介さずに、直接データのやり取りを行うインターネットの利用形態。
ニュースに取り上げられているWinny経由での情報漏えい事件のほとんどは、私有のパソコンを業務に使うことにより被害が起きていることから、職員に対するウイルス対策の重要性の教育を繰り返し行うことが重要です。
ニュースに取り上げられている事件の関係者の多くが、自分は大丈夫だとの意識でした。
自分が扱っている個人情報や機密情報等が漏えいした場合や、ルールがあってもそれを守らない人がいれば、大きな被害をもたらすことを認識させることが大切です。
ウイルス対策製品やサービスを使用したり利用していても、必ずしもすべてのウイルスを防ぐことはできません。
以下の技術的対策は、オペレーティングシステム(OS)の機能として提供されるものと、ツールを導入して運用するものがあります。
市販またはフリーソフトウェアのウイルス対策製品を利用し、パソコン内にウイルスがあるかスキャンします。
また、いくつかのセキュリティベンダーは、ウイルススキャンを無料で行えるオンラインサービスを提供しています。
Windows XP等で、複数のユーザーで1台のPCを使用している場合、各ユーザーアカウント毎に同様の検出、削除の処置を行って下さい。
なお、上記サイトおよびそのリンク先内容の利用によって生じたトラブル・損失・損害には、当機構では一切責任を負いかねます。あくまでも自己責任の下、自己判断でご利用ください。
Winny(ファイル共有ソフト)やそれを悪用するウイルス(W32/Antinny)に関する相談は、「情報セキュリティ安心相談窓口」でお答えします。
TEL: 03-5978-7509
対応時間: 平日 月〜金 10:00 - 12:00 、13:30 - 17:00
なお、上記以外の時間においても、電話の自動応答システムによるFAX 送信サービスにより、予防・対処方法について情報提供をいたします。
FAX送信サービスメニュー( 音声ガイドに従い数字または#を入力)
E-mail: 
FAX:03-5978-7518
IPA 情報セキュリティ 安心相談窓口
TEL:03-5978-7509 FAX:03-5978-7518
E-mail: 
※このメールアドレスに特定電子メールを送信しないでください。
| 2011年 3月31日 | U.具体的な対策・その1:予防策 および V.具体的な対策・その2:対処方法 3.Winnyがインストールされているかを確認及び削除する方法 および FAXによる提供情報のPDFファイル に、IPA「情報漏えい対策ツール」の情報を追加 |
|---|---|
| 2011年 3月 2日 | V.具体的な対策・その2:対処方法 3 .Winnyがインストールされているかを確認及び削除する方法 の、利用できなくなった対策ツールの情報を削除 |
| 2011年 3月 1日 | V.具体的な対策・その2:対処方法 3 .Winnyがインストールされているかを確認及び削除する方法 の株式会社アークンの製品のダウンロードURLをVectorに変更 |
| 2010年10月19日 | 「Winny 緊急相談窓口(Winny119番)」を「情報セキュリティ安心相談窓口」に統合 |
| 2007年 7月30日 | V.具体的な対策・その2:対処方法 2 .情報が漏えいしているかを確認する方法 に株式会社ディアイティのサービスを追記 |
| 2006年 4月18日 | V.具体的な対策・その2:対処方法 3.Winnyがインストールされているかを確認する方法 のタイトル、内容を更新 |
| 2006年 4月 4日 | V.具体的な対策・その2:対処方法 3.Winnyがインストールされているかを確認する方法 の内容を更新 |
| 2006年 3月30日 | V.具体的な対策・その2:対処方法 の内容を更新 「Winny緊急相談窓口」、PDFファイルのダウンロード、FAQのリンクを追加 |
| 2006年 3月13日 | 留意事項の文章を一部修正 |
| 2006年 3月10日 | 掲載 |