4.5 技術的対策と制度的対策

セキュリティ対策は、技術的対策と制度的対策に大別することができます。技術的対策は、セキュリティを守るための直接的対策ともいい、制度的対策は、セキュリティを守るための管理面での対策で、間接的対策ともいいます。
 判明している脅威に対する技術的対策はほぼ出揃っていますが、100%大丈夫という対策は無く、また、脅威と対策はいたちごっこになっているので、常に新しい脅威が発生することを想定しておく必要があります。
 また、技術的セキュリティ対策は強化すればするほど費用が掛り、使い勝手も悪くなります(手間が増えたり、応答速度が遅くなったりする)。したがって、技術的対策だけで対応するのではなく、制度的な対策も強化して、両方でバランスの良い対策をとる必要があります。
 セキュリティ意識を向上させ、利用者には多少の不便も許容してもらうこと、経営者にはセキュリティ強化への妥当な投資を認めてもらうことが重要です。セキュリティ投資は後ろ向きの投資と考えられがちで、後まわしにされることが少なくありません。しかし、情報化しないで事業の拡大は望めませんし、情報化するためにはセキュリティ対策は必須の条件です。自動車に乗るときには自動車保険に入ることが必須であることと同じです。「水と安全はただ」の時代は終わりました。「まさか、我が社は大丈夫」ではありません。コストと使い勝手の両面で、バランスの取れたセキュリティ対策を行うことが必要です。そのためには、十分に検討したセキュリティ対策基本方針(セキュリティポリシー)(5.3参照)を設定し、利用者や経営者の理解を得ることが重要です。このとき参考になるものとして、次ページに紹介する「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準」があります。
 

2005年12月に「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準(2005年12月版(全体版初版))が制定され、2007年6月に改訂されて第二版が内閣官房セキュリティセンターのホームページ
 
http://www.nisc.go.jp/active/general/
 で公開されています。また、この資料の解説書や遵守事項一覧表、また資料作成の経過なども公開されています。
 これらの資料は、政府機関の情報セキュリティ対策となっていますが、一般の企業や団体などでも利用できる一般的な内容を網羅的に体系化して示しています。
 一般の企業で、セキュリティ対策方針(セキュリティポリシー)を策定する時には、この資料を参考に自社に必要な項目を取捨選択して、企業の経営方針に沿った、個々の企業にふさわしい方針を策定すると良いでしょう。
 

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