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次世代認証基盤技術の調査・開発

最終更新日 2003年11月5日

実施者

概要

背景

電子認証は、なりすましやデジタルデータの偽造、改ざんなどの不正行為を防止する技術であり、電子決済をはじめとする様々なアプリケーションにおいて重要な役割を担っている。これらの技術の中でも、電子署名方式は、特に重要な技術となっている。

現在利用されている電子署名の安全性は、素因数分解や離散対数問題などの計算困難とされている数学的問題の困難性に依拠しており、現時点において、本質的な攻撃方法は、存在していない。

しかし、このような計算量的な困難性を仮定した電子署名方式に対し、計算機および計算アルゴリズムの進歩による将来における安全性への不安が指摘されている。例えば、インターネット上の電子商取引の 95%において 512bit の合成数による RSA 暗号系を用いた電子署名が利用されていたが、これは 1999年 8月に世界各地に設置された 292台のコンピュータ上で分散処理することにより 5.2ヶ月かけた結果破られている。また、量子計算機を用いて素因数分解や離散対数問題を多項式時間で解くアルゴリズムが提案されており、将来量子計算機が完成することより、それまでに作成されたすべての電子署名が一切の効力を失ってしまうおそれがある。

すなわち、現在利用されている電子署名方式を用いて将来にわたる安全性を保証する事は困難である。この事実は、これらの現在一般に利用されているような電子署名方式が長期的な安全性の保証を必要とするアプリケーションに対し利用することができないことを意味している。

目的

本開発は、長期間の安全性が保障されない既存の「計算量的安全性に基づく電子署名システム」に代わる電子署名システムとして、長期間の安全性が保障された「情報量的安全性に基づく電子署名システム 」を提供することを目的とする。「情報量的安全性に基づく電子署名システム」とは、情報量の不足により原理的に攻撃が不可能な電子署名システムのことを指す。

本開発においては、平成 13 年度 IPA 公募による「情報量的安全性に基づく暗号インフラの開発」の成果である擬似センター構成法に加えて、「情報量的に安全な電子署名方式の厳密な安全性に関する研究」および「情報量的に安全な電子署名方式の効率化に関する研究」の研究成果を更に組み込むことにより、効率的でより安全な情報量的安全性に基づく電子署名方式を提供することを目的とする。

報告書