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II.1.1 ICカードの種類

ICチップが埋め込まれたICカードは 演算やデータ処理等の高度な判断機能を備えており, 記憶容量に関しても磁気カードと比較して 数倍から数百倍の大容量を有している.

ICカードは,まずCPUの有無からメモリカードとCPUカードとに分類される. メモリカードには単にデータの記録を目的としたタイプと, メモリへのアクセスを制御するためのセキュリティ回路を 備えたプロテクティッド・メモリカードとがあり, 欧州での使い捨てプリペイドカードはこのプロテクティッド・メモリカードに相当する. 一方のCPUカードは演算機能や判断機能を有し, 情報を記録するだけの受動的メディアに対する能動的メディアとなる. このCPUカードが本報告書で調査対象としているスマートカードである. またCPUカードの内,暗号の高速処理用のコプロセッサを搭載したものを クリプトカードとも言う.メモリカードで先行する欧州に対し, 日本のベンダーはCPUカードの製造販売を主流としている. なおメモリカードおよびCPUカード以外の分類として, 表示機能,手動入力機能,磁気カードとの兼用機能などを備えた 多機能カードがある.

次にインターフェースの違いからICカードを 接触型カードと非接触型カードとに分類することができる. カード端末機との接続のための外部端子を有する接触型カードとは異なり, 非接触型カードは内部のアンテナを通して電力供給やデータの読み書きを行う. メモリカードが主体となる非接触型タイプは 通信距離によって表II.1に示したような4つのタイプに分類され, それぞれの通信距離は,密着型が2mm,近接型が10cm, 近傍型が70cm,遠隔型が数m程度までである. また近傍型までが電磁誘導方式,遠隔型がマイクロ波方式となっている. 電子乗車券やテレホンカードとして実用化が進んでいるのが近接型タイプである. なお接触型,非接触型の両方の機能を兼ね備えたものは コンビネーションカードないしハイブリッドカードと呼ばれ, 例えば電子マネー等の決済分野では接触型で, 入退出管理に関しては非接触型でという用途が期待されている.

以上を整理したものを表II.1に示す.


表 II.1: ICカードの分類
CPUの有無
メモリカード
CPUカード(スマートカード)
インターフェースの違い
接触型カード  
非接触型カード 密着型
  近接型
  近傍型
  遠隔型