本章では,多くの団体,企業によって制定されたスマートカードの標準・仕様について, それらの位置づけ,ねらい,現状,相互関係を整理する.
図II.1に示すように国際的なスマートカード仕様の展開は ISO 7816が他の標準・仕様の基盤となる規格としてあり, 他の標準・仕様はISO 7816に準拠して制定されている.
ISO 7816ではスマートカードの物理的な部分の規格,電気的特性, 標準コマンド,標準セキュリティが定義されている. EMVは,金融系スマートカードの国際標準であり,スマートカードの基本OSと 位置づけられる. 更にEMVに準拠した形で多目的スマートカード用のOSとして, MAOSCOがMULTOS仕様,SUN MicrosystemsがJavaCard仕様を制定した. VISAインターナショナルはスマートカードにJavaCard 2.0を用いる Visa Open Platformを提案している.
図II.1における端末とは,主に金融ではPOSやATMなどが, 多目的利用においてはPCや携帯電話など様々なデバイスが想定されるが, スマートカードのPCでの利用を目的とする 図II.2の各標準・仕様がある.
スマートカードの規格・標準化について国内に目を向けると,国際規格である ISO 7816に基づき,以下のJIS(日本工業規格)が制定されている.
ISO及びJIS標準化を踏まえながら,アプリケーションのインターフェースを 標準化することを目的として国内の企業,団体を中心にJICSAP仕様が開発された.
この他に全日本銀行協会連合会によるスマートカード対応ATMへの互換性や銀行間 による相互乗り入れなどの統一を図った国内版EMV仕様ともいえる全銀協仕様がある.