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II.1.3.1 国内動向

金融・決済分野
セキュリティ面から接触型カードの応用が特に見込まれる分野が金融・決済である.
キャッシュカードに関しては, 郵便貯金スマートカード化実証実験(大宮), スマートコマース・ジャパン(神戸), スマートカード・ソサエティ(渋谷), スーパーキャッシュ(新宿)など, 電子マネーとの併用による多機能化が指向されている.
クレジットカードに関しては, 世界的クレジット会社がスマートカード化戦略を次々に発表し, VISAインターナショナルは2002年までに全発行カードの3分の1を, MasterCardは2010年までに全カードのスマートカード化を目標に掲げている. またJCBはクレジットカードとして世界初の 接触/非接触統合型カードを1998年に導入している.
1999年1月からサービスが開始された日本版デビットカードJ-Debitも, 特にオフライン処理によるコスト削減の目的から 金融系カードのスマートカード化に弾みをつけると見られている.

流通・サービス分野
ポイントカードのスマートカード化として, 商店街,ショッピングセンター,ガソリンスタンド等での発行事例がある. 従来との差別化としては,クレジットカードとの一体化, 顧客管理・サービス機能を持つメンバーズカードとしての利用が挙げられる. 今後は特に自動販売機での非接触型カードの普及が進むとの予測もある.

交通・運輸分野
金融・決済分野よりもスマートカード化が進んでいるのが この交通・運輸や情報・通信分野である.
汎用電子乗車券技術研究組合(TRAMET)による1998年からの スマートカード乗車券実証実験, JR東日本によるスマートカード出改札システムの2001年導入予定など, 利便性から非接触型カードの応用が期待されている. スマートカード化による効果としては, サービスアップ(定期券を取り出す必要がない), コストダウン(磁気券処理の低減,メカニカル部分が不要), セキュリティの向上が見込まれる.
ノンストップ自動料金収受システム(ETC)の導入も進み, 2000年からの利用が予定されている. ETCではスマートカードは車内設置する無線装置(車載器)に挿入して 使用される.クレジットカードやデビットカードなどとの 将来的な機能統合の構想もあると言われる.

情報・通信分野
NTT東日本,NTT西日本による非接触型スマートカード公衆電話のサービスが 1999年3月から開始され,同年9月時点での設置台数は5000台に上っている. 今後は全国の県庁所在地級都市の主要駅などに設置される. スマートカード化の最大の要因は変造テレホンカード問題への対策であるが, 導入によるその他のメリットとして, 公衆電話機のコスト削減,利用者への新サービスの提供などがある. 今後のスマートカード市場では約半数がテレホンカードで占められると 予測されている.

行政分野
自治省ではコミュニティ・ネットワーク構想の下, 行政サービスシステムの全国的な統一化のため スマートカードによる住民基本台帳番号カードの導入を検討しており, 全国17市町村がモデル事業地域の指定を受けている. 転入転出事務の効率化,住民票の写しの全国的交付などを目的とする.
社会保険庁は1995年から熊本県八代市で医療保険カード実験を行っており, 1998年からは八代市以外の全国の医療機関においても 医療保険カードのみでの受診が可能になっている.