次ページへ

はじめに

デジタル技術の発展やインターネットの普及に伴い、オープンなネットワーク環境を利用した電子商取引に代表される情報通信が急増している。これらの情報通信の拡大に伴って、その利便性を得る事が出来ると同時に多くの脅威にさらされる事となり、そのセキュリティの確保が急務となっている。

現在、このオープンなネットワーク環境を利用した情報通信におけるセキュリティを確保するための通信インフラの基盤技術として暗号技術、特にPKI(公開鍵基盤)などの電子署名・認証技術がクローズアップされている。

すでに世界各国では電子署名法の制定や検討が行われており、日本においても、郵政省、通商産業省、法務省が「電子署名・認証に関する法制度の整備について」のパブリックコメント募集を行うなど、その認識は高まってきていると言える。

しかしながら、電子署名・認証技術がどのような分野で活用されているのか、また、どのような仕組みでセキュリティが確保されているのかについての体系的な資料が無く、電子署名・認証技術への理解を遠ざけ、ひいてはその普及を妨げている一因となっている。

本報告書は、電子署名・認証技術の利用分野やそこで適用されている暗号技術について調査を行い、その結果を体系的に整理し、暗号技術を用いたセキュリティ対策の普及啓蒙活動に役立てるものである。

本報告書作成にあたっての調査方法として、情報セキュリティ関連書籍、WEB、その他の公開記録からの情報収集、及び関連分野における有識者からのヒアリングの実施を行った。

 

本文書の構成

1.電子署名・認証技術の適用分野

電子署名・認証技術が、どのような分野において利用されているか調査を行い、それぞれの適用分野における適用形態について表形式で整理した。

2.電子署名・認証技術の適用形態

「1. 電子署名・認証技術の適用分野」で挙げられたそれぞれの適用形態について、その構成図、処理手順を例示し、そこで利用されている主な利用暗号技術、及びそこにおける技術的課題を挙げた。

なお、ここで例示したものは電子署名・技術を利用しているものの一例であり、現実には例示とは異なる実装がされている場合がある。

3.電子署名・認証技術の適用形態において利用されている製品と暗号技術

「1. 電子署名・認証技術の適用分野」で挙げられたそれぞれの適用形態について、そこで利用されている主な製品と利用技術を表形式で整理した

4.電子署名・認証技術適用分野における課題

「2.電子署名・認証技術の適用形態」で挙げた技術的課題について、有識者にヒアリングやアンケートによって調査を行い、その課題の詳細について纏めた。

また、インターネットショッピングやインターネットEDIなどにおける課題は、さまざまな要素が複合したの課題があるが、本調査では、電子署名・認証技術に関する課題のみに焦点を絞り調査を実施、またその結果を纏めている