ウイルス被害予測ツールの研究開発

1.背景
    昨今のコンピュータネットワークの拡大には目をみはるものがあり、急速に
   進展する基盤設備の充当やサービスの多様化に伴い、健全な情報化社会の運営
   にはコンピュータネットワークの利用が欠かせないものになりつつある。
    また、これらネットワークを介した有用なサービスが利用できる環境は、比
   較的短時間にかつ広範囲にコンピュータウイルスが波及するための環境も提供
   していることになり、このような状況のなかでは、コンピュータウイルスによ
   る被害は健全な情報化社会の運営に極めて甚大な被害を与える可能性を持つこ
   とになる。
    このような状況を踏まえて、コンピュータウイルスの伝播状況や被害状況の
   予測、障害対策や予防計画の立案等が重要な課題として上げられている。

2.目的
    本研究は、実在するネットワーク上での被害を極小化するための対策立案に
   必要なシミユレーションデータを作成するツールを研究開発するものであり、
   得られたデータは、インテグリティ法のネットワーク環境における有効性の評
   価等を行うための基礎データとする。

3.研究の概要
    実社会におけるコンピュータウイルスの伝播、増殖、感染、発症や、対抗策
   としてのワクチン投与、駆除などの状況を模擬し、効果的な対策や組織的な計
   画を立案する際のデータを提供するツールの研究開発を行った。
    主な機能として、ネットワーク上のコンピュータ資源を阻害するウイルスの
   発症や伝播の状況を模擬するとともに、これらウイルスに対抗するためのワク
   チンソフトの挙動を模擬する。 それらシミュレーションデータの取得及び解
   析を行って、インテグリティ法によるネットワーク環境を考慮した総合的なウ
   イルス対策技術の研究のための基礎資料を提供するツールを開発した。

    本研究では、モデル空間を下記のように定義しており、モデル空間内のウイ
   ルス及びワクチンの挙動を模擬し、実空間でのウイルス被害を予測する際のシ
   ミュレーションデータを提供するツールである。

    モデル空間の定義:
    本ツールでは、コンピュータを「ノード」、ネットワーク上のウイルス感染
    経路を「ノード間の結合」としてモデル空間定義を行っている。