電子メールは年齢、性別、趣味等の個人情報により、送信者を特定することができるPUSH型の広告媒体として利用されている。
 しかし、一方ではこれら商業宣伝メールを大量に送信する場合に以下のような問題が発生している。


 インターネットの普及によって日本国内にもインターネットに接続されているコンピュータの数が飛躍的に増えてきている。特にMicrosoft社製Windows NT等GUIを持ったOSの普及、昨今のLinuxブームによりより、各種入門書、解説書などを参照して手軽にインターネットに接続したサーバを構築することが可能になった。
 これらの方法でインターネットに接続可能なサーバマシンを構築した場合、基本的な機能に関しては動作するようにできるもののセキュリティに対する配慮などはほとんど行われていないのが現状である。

 特にMTAを第三者に不正に使用されUCE
1 等の中継に使用される場合がある。
このスパム・メールの中継に使用されると一度に数千から数万単位のメールの配送に利用される場合がある。これらの不正中継に使用されるとサーバマシン的なCPU等の資源の殆んどを消費されてしまい、本来のそのサーバが行なう処理に支障がでる。また、サーバマシンの処理に問題が発生するだけなく、中継に使用されたマシンの管理者に対して苦情のメールが届くなどの問題が発生する。それ以外も後述するMTAオープンリレーデータベースORBS等へ登録が行われ特定のサイトからは当該のサーバマシンから発信された電子メールの受取りを拒否される可能性がある。

 また、これら不正中継可能なサーバマシンの情報はスパム・メール発信ソフトの中に組み込まれる可能性がある。このソフトの中継可能リストに登録されると不正中継を拒否する設定を行なっても後から後から際限なく不正中継を行なう接続要求がくる。そのため、その要求をチェックして確認する処理にサーバマシンのCPU資源が消費され結局本来の業務に使用できない事になり、対策としてはサーバマシンのIPアドレスを変更する以外方法がなくなってしまう。

 この様な事態になる前に事前に適切に設定を行なうのが望ましい。特に電子商取引を行うサイトの場合にはこのような不正中継に使用されることによってサイト自体の信用を落とす可能性がある。
電子商取引を行うようなサイトではWEBサーバ等の構築だけに注意が注がれがちだが、MTAの不正中継またその他のセキュリティ対策にも十分な配慮が必要である。


1
UCE: Unsolicited Commercial Electronic mail
予期しない商業宣伝電子メールをいう。俗にスパムメールという。