暗号技術関連の外部講演
外部機関からの講演依頼により以下の講演活動を行った。
(1) RSA Data Security Conference (1998/01/13) "IPA and its Activity"
日本における、政府による情報産業育成事業の一環としてIPAが行っている活動を講演した。
この講演はパネルの一部として行われたが、このパネルのタイトルは「各国の暗号政策」であり、日本以外は各国の政府政策代表者が発表していた。 この意味で日本からIPAが代表として参加するには少々場違いな講演であった。IPAの活動概要を講演したのでIPAの宣伝にはなった。
(2) SCIS'98(1998/01/30)「イスラエル訪問報告」
本講演は、1997年度にJETROが主催し通産省中東アフリカ室と情報処理振興課が後援した「ホモトピーとセキュリティの国際協力に関するフィージビリティ調査委員会」
の活動の一環として、10月に行った海外調査の報告である。
この委員会の発足したきっかけは、IPAの平成9年度のプロジェクトとして株式会社モノリスが
行っている、ホモトピーを用いたCG技術開発と著作権管理システム開発で、海外の関連研究者を訪問することとなった。 モノリスはモスクワ大学の協力の基にCGを、イスラエルのアルゴリズミックリサーチ社の協力の基に著作権管理システムを開発してい
る。モスクワ大学は微分幾何学において先端の研究を続けており、またイスラエルはワイツマン研究所を初めとしてセキュリティに関しては世界のトップクラスの研究者と企業が集まっている。
単にモノリスと両国との関係にとどまらず、日本の多くの企業が両国と協力して技術開発を推進できるか否かを探るため、国際協力を推進するための委員会をJETROに設けて、
その委員会の委員が両国を訪問して最先端の研究成果を吸収することとなった。
なお、モノリスとやはり協力関係にあるジェノアの応用数学研究所とパリのセルジポントワーズ大学も同時に訪問することとなった。
これらの訪問の内容を講演した。
(3) COMDEX-Japan'98(1998/04/07) 「公開鍵認証局の技術」
タイトル:「セキュリティ技術最先端〜インターネット・コマースを支えるもの
Network Security Technology - Base for Internet Business
インターネット電子決済の前提となる電子認証のしくみ、電子透かし、暗号、認証手段などがエレクトロニック・コマースを実現する鍵となる。認証局の設立とそれにともなう技術について解説した。
◆北米における認証ビジネスの現状
◆日本における認証ビジネスの現状
◆情報セキュリティ技術の基礎
◆暗号技術の基礎
◆電子認証のしくみ
◆認証局のしくみ
参加者は約70名。質疑は次の通り。
Q:日本の暗号輸出規制内容はどのようなものか?
A:外為法と輸出管理令に記載されていますが、詳しい内容はCISTECが発行している本を参考お願いします。暗号製品は輸出規制対象となっており、個別認可が必要です。同じ製品であっても仕向け先ごとに認可申請が必要です。
(4) 情報サービス協会(JISA)セキュリティ委員会(1998/12/22)「公開鍵インフラストラクチュアの動向」
JISAセキュリティ委員会は情報産業に係るサービス会社、メーカーの代表者によって構成される委員会で、委員会としての独立した活動によらず、講演形式でテーマごとに外部からの講演によるセキュリティ情報サービスを活動としている。公開インフラストラクチュアの動向として、主に利用者の立場から見た全般的な動向解説を行った。 ◆
◆PKIの動向……利用者の動向、産業界の動向、標準化動向、法的な側面
◆PKIの課題
参加者は約80名。デジタル署名の法律上の有効性について質問があった。日本ではまだ法制度の整備中であり、今後の状況による。デジタルドキュメントそのものの法的な有効性についても日本では明確な規定がなく裁判官の自由心証で個別に審議されている。
(5) ECOM(1999/01/12)「暗号強度評価プロジェクト」
ECOMのセキュリティWGの要請により、暗号の強度評価一般、IPAが行っているプロジェクトの紹介、及び私見について講演した。内容は以下の通り。
(6) SCIS'99(1999/01/28)「Information Hiding into JPEG Images」
これは、講演ではなく論文発表である。 内容はステガノグラフィの新技術で、これを用いるとJPEGファイルの中に情報を秘匿できる。 過去の研究はビットマップやGIFに情報秘匿するものしかなく、それではインターネット上で全く使用できないが、 本研究によりインターネット上で幅広く用いられているJPEGファイルにも情報が秘匿できるようになった。