6.まとめ

   1章の調査概要で示した様に、本調査は平成10年度1年間にわたって米国、ドイツ、北欧、韓国、台湾、豪州の9ヶ国について被害実態の調査を行ったものである。アンケートを送付した件数は約3万件で、合計1,448件のコンピュータユーザから回答を入手している。また、コンピュータウイルスの被害状況や防止技術に関しては、海外諸国の実情から日本の今後の対策について学ぶべき点も多い。本章では調査全体として特徴的な事項を記載する。
 
    (1)ウイルス感染の状況
 
   過去1年間にウイルスに感染した経験のある事業所は、各国とも概ね50%を超えており、地域による差は感じられない。これは、インターネット/イントラネットの普及により、コンピュータの使用形態が世界中で均一化してきているためと考えられる。

   また、ウイルス感染を受けた機種は、PCからワークステーション、汎用機に広がっており、Macintoshの被害は少なかった。

    (2)感染ウイルスの種類

   感染ウイルスの種類としては、圧倒的にマクロウイルスが多いが、古くから被害報告のあるAntiCMOSFormの感染も多い。マクロウイルスの被害の増加は、E-mailの利用の普及によって文書ファイルのやり取りによる感染が増えているためと考えられるが、Bootセクタ型(システム感染型)ウイルス被害が無くならないのは、依然としてFDによるデータの受け渡しがあるためである。

    (3)ウイルス感染対応策

   感染源は、従来のFD感染から、ネットワークによる外部からの侵入へと変化しつつある。

   また、感染したことを検出する方法としては、ワクチンソフトの使用が最も多く、ファイルの読み取り不可、ディスプレイメッセージの発生時点が続いている。そして、感染後の回復手段としてもワクチンソフトが多く使われており、バックアップからの再ロードや、データの再入力の率を大きく上回っている。

   今後のセキュリティ対策として、各国とも「ファイヤーウォールの構築」が上位となっているが、これは、更なるネットワーク化の普及とともに、各国ともにネットワーク経由でのウイルス感染が増大すると予想しているためと考えられる。
 
   以上、1年間の海外調査の結果を記載したが、同様の国内調査と比較してみると、日本はウイルス対策に関するユーザー教育の実施率が低く、またセキュリティ対策として各種ファイルのバックアップが上位を占めており、ウイルス対策に対する対応が遅れている。今後、日本でもウイルス対策教育の徹底、予防としてのワクチンソフトの導入が重要な課題といえる。
 
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  1. 復旧人日 米 国 ドイツ 北 欧 韓 国 台 湾 豪 州
    1人日未満

    103

    52

    114

    151

    84

    119

    1〜5人日

    16

    23

    12

    34

    28

    28

    6〜10人日

    3

    3

    2

    9

    0

    10

    11〜20人日

    3

    1

    1

    0

    0

    5

    21〜30人日

    2

    0

    1

    1

    0

    0

    31〜50人日

    0

    0

    1

    0

    0

    0

    51〜100人日

    0

    0

    0

    0

    0

    0

    101人日以上

    0

    0

    0

    1

    0

    0

    合   計

    127

    79

    131

    196

    112

    162

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