5.コンピュータウイルス被害分析調査報告

5.1 感染したコンピュータの種類と台数

   ウイルスに感染したコンピュータの台数を見ると、「110台」が圧倒的に多い。豪州では、汎用機の感染台数はゼロである。

5.1(1) 感染したコンピュータの種類と台数 汎用機

  5.1(2) 感染したコンピュータの種類と台数 ワークステーション  
 

5.1(3) 感染したコンピュータの種類と台数 DOSWindows

  5.1(4) 感染したコンピュータの種類と台数 Macintosh

 

5.2 発見の経緯

   ウイルス発見の経緯としては、「ワクチンソフトによる定期検査」が最も多く、次いで「ファイル内容読み取り不可」、「ディスプレイメッセージ」となっている。

  5.2 ウイルス発見の経緯

 

国名

 

内容

米 国

ドイツ

北 欧

韓 国

台 湾

豪 州

回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比
起動できなくなった

11

8.7%

11

5.5

4

3.0

53

12.5

0

0.0

2

1.0

処理速度の低下

11

8.7

12

6.0

4

3.0

66

15.5

0

0.0

7

3.4

ファイル内容読み取り不可

18

14.3

28

14.0

7

5.3

104

24.5

0

0.0

31

15.1

FD内容破壊

2

1.6

12

6.0

2

1.5

14

3.3

0

0.0

2

1.0

HDD内容破壊

7

5.6

5

2.5

4

3.0

26

6.1

0

0.0

2

1.0

システムダウン

9

7.1

12

6.0

7

5.3

22

5.2

0

0.0

7

3.4

意味不明のファイル

3

2.4

5

2.5

5

3.7

11

2.6

0

0.0

3

1.5

ディスプレイメッセージ

16

12.7

18

9.0

10

7.5

32

7.5

0

0.0

17

8.3

ファイルサイズ等が変化

4

3.2

10

5.0

7

5.3

8

1.9

0

0.0

19

9.3

音楽の演奏

1

0.8

3

1.5

0

0.0

2

0.5

0

0.0

0

0.0

ワクチンソフトによる定期検査

39

31.0

75

37.5

81

60.9

87

20.5

112

100.0

109

53.2

発病無し

5

4.0

9

4.5

2

1.5

0

0.0

0

0.0

6

2.9

合   計

126

100.0

200

100.0

133

100.0

425

100.0

112

100.0

205

100.0

(複数回答有り)


5.3 発見に使用したワクチンソフト

   感染したウイルスを発見するのに使用したワクチンソフトとして最も多くあげられているのは、米国、韓国、豪州では「Norton Antivirus」、ドイツでは「Anti-Virus Toolkit」と「OS添付ソフト」、北欧では「F-PROT」、台湾では「VirusBuster」である。
 

5.3 発見に使用したワクチンソフト

 

国名

 

ワクチン名

米 国

ドイツ

北 欧

韓 国

台 湾

豪 州

回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比
Anti-Virus Toolkit

10

7.3%

21

13.6

2

1.4

32

9.8

0

0.0

0

0.0

F-PROT

2

1.5

13

8.4

36

26.1

8

2.4

0

0.0

1

0.6

IBM Antivirus

3

2.2

6

3.9

3

2.2

4

1.2

0

0.0

1

0.6

InocuLAN

10

7.3

4

2.6

2

1.4

0

0.0

0

0.0

18

10.2

Inter Scan

1

0.7

1

0.7

0

0.0

1

0.3

33

17.6

1

0.6

Norton Antivirus

43

31.4

5

3.3

14

10.2

55

16.8

17

9.1

39

22.2

VirusScan

25

18.2

7

4.6

0

0.0

17

5.2

30

16.0

8

4.5

XLSCAN.XLA

3

2.2

0

0.0

0

0.0

39

11.9

0

0.0

0

0.0

VirusBuster

0

0.0

0

0.0

0

0.0

0

0.0

107

57.2

0

0.0

ScanVakzin

0

0.0

0

0.0

0

0.0

0

0.0

0

0.0

0

0.0

Disinfectant

0

0.0

3

1.9

0

0.0

0

0.0

0

0.0

1

0.6

SAM

0

0.0

1

0.7

0

0.0

0

0.0

0

0.0

0

0.0

OS添付ソフト

0

0.0

21

13.6

0

0.0

0

0.0

0

0.0

1

0.6

その他

40

29.2

79

51.3

81

58.7

172

52.4

0

0.0

106

60.2

合   計

137

100.0

154

100.0

138

100.0

328

100.0

187

100.0

176

100.0

(複数回答有り)

 

その他:Vshield、H+B-EDV、Antiviv、Dr. Solomon、Camel、McAfee、Intel lan、Sophos、Virex、Laorachaun
        Inversible sophosCheyenneSyman Tec ScannerVetSophos Sweep EnterpriseFirewall server
        Dr Solomons magic bulletMacro VCommand Anti-virusLand deskWinguard、など

 

5.4 感染経路

   ウイルスの感染経路としては、以前の調査に比べて、「ネットワークによる外部からの侵入」が顕著に増えてきていることがわかる。FDを経由した感染が減る傾向にある。
 

5.4 感染経路

 

国名

 

経路

米 国

ドイツ

北 欧

韓 国

台 湾

豪 州

回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比
シェアウェアやサンプルソフト

22

18.3%

19

14.4

1

0.7

55

16.6

16

9.9

2

1.2

ネットワークによる外部からの侵入

42

35.0

13

9.9

10

7.3

75

22.6

12

7.5

72

44.4

知人から借用、コピーしたソフト

3

2.5

8

6.0

22

15.9

66

19.9

17

10.6

8

4.9

市販ソフト、雑誌

15

12.5

0

0.0

1

0.7

6

1.8

8

5.0

3

1.9

他部署からのFD

0

0.0

23

17.4

9

6.5

69

20.8

10

6.2

1

0.6

取引先からのFD

13

10.8

32

24.2

20

14.5

38

11.4

7

4.3

10

6.2

メーカーのサービス時

17

14.2

0

0.0

0

0.0

1

0.3

2

1.2

57

35.2

その他

0

0.0

13

9.9

73

52.9

10

3.0

89

55.3

2

1.2

不明

8

6.7

24

18.2

2

1.5

12

3.6

0

0.0

7

4.3

合   計

120

100.0

132

100.0

138

100.0

332

100.0

161

100.0

162

100.0

 その他: E-Mailの添付ファイル、など

5.5 復旧方法

   ウイルスに感染した際の復旧方法としては、台湾を除いて、各国とも「自分で対応した」が高い数値となっておる。台湾では「各種ツールの使用」が主流となっている。
 
 

5.5 復旧方法

 

国名

 

復旧方法

米 国

ドイツ

北 欧

韓 国

台 湾

豪 州

回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比
自分で対応

101

39.9%

64

33.0

44

25.9

63

23.2

9

6.4

79

42.7

社内の技術者に相談

24

9.5

26

13.4

57

33.5

64

23.5

15

10.7

43

23.2

外部の機関に相談

1

0.4

10

5.2

4

2.4

21

7.7

5

3.6

6

3.2

各種ツールの使用

48

19.0

10

5.2

47

27.6

62

22.8

111

79.3

48

25.9

ソフトウェアの再購入

3

1.2

1

0.5

0

0.0

2

0.7

0

0.0

0

0.0

データの再入力

13

5.1

2

1.0

1

0.6

3

1.1

0

0.0

1

0.5

バックアップの再ロード

7

2.8

4

2.0

3

1.7

0

0.0

0

0.0

1

0.5

ワクチンソフト独自開発

39

15.4

8

4.1

4

2.4

55

20.2

0

0.0

5

2.7

その他

17

6.7

69

35.6

10

5.9

2

0.7

0

0.0

2

1.1

合   計

253

100.0

194

100.0

170

100.0

272

100.0

140

100.0

185

100.0

(複数回答有り)

 
      その他:ハードディスクの削除と再インストール、など

 

5.6 被害規模

5.6.1 復旧に要した期間


   復旧に要した期間としては、「1日未満」が最も多く、次いで「13日」、「1週間程」と、各国とも比較的短い日数で復旧できている。「復旧不可能」のケースもある。
  5.6.1 期間


国名

 

期間

米 国

ドイツ

北 欧

韓 国

台 湾

豪 州

回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比
1日未満

110

85.9%

67

61.5

79

86.8

124

62.3

94

83.9

122

75.3

13日程度

8

6.3

32

29.4

6

6.6

47

23.6

18

16.1

20

12.3

1週間程度

5

3.9

66

5.5

3

3.3

14

7.0

0

0.0

7

4.3

12週間程度

1

0.8

4

3.6

1

1.1

4

2.0

0

0.0

4

2.5

1ヵ月程度

2

1.6

0

0.0

0

0.0

2

1.0

0

0.0

2

1.2

3ヵ月程度

1

0.8

0

0.0

0

0.0

2

1.0

0

0.0

6

3.7

6ヵ月程度

0

0.0

0

0.0

0

0.0

0

0.0

0

0.0

1

0.6

6ヵ月以上

0

0.0

0

0.0

1

1.1

1

0.5

0

0.0

0

0.0

復旧不可能

1

0.8

0

0.0

1

1.1

5

2.5

0

0.0

0

0.0

合   計

128

100.0

109

100.0

91

100.0

199

100.0

112

100.0

162

100.0

 

5.6.2 復旧に要した人日

   復旧に要した人日についても短いものが多く、各国とも「1人日未満」、「15人日」が大半となっている。
 
 

5.6.2 復旧に要した人日

 

国名

 

期間

米 国

ドイツ

北 欧

韓 国

台 湾

豪 州

回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比 回答数 構成比
1人日未満

103

81.1%

52

56.8

114

87.0

151

77.0

84

75.0

119

73.5

15人日

16

12.6

23

29.1

12

9.1

34

17.3

28

25.0

28

17.3

610人日

3

2.4

3

3.8

2

1.5

9

4.6

0

0.0

10

6.2

1120人日

3

2.4

1

1.3

1

0.8

0

0.0

0

0.0

5

3.1

2130人日

2

1.6

0

0.0

1

0.8

1

0.5

0

0.0

0

0.0

3150人日

0

0.0

0

0.0

1

0.8

0

0.0

0

0.0

0

0.0

51100人日

0

0.0

0

0.0

0

0.0

0

0.0

0

0.0

0

0.0

101人日以上

0

0.0

0

0.0

0

0.0

1

0.5

0

0.0

0

0.0

合   計

127

100.0

79

100.0

131

100.0

196

100.0

112

100.0

162

100.0

 

         (3)ウイルス感染対応策

   感染源は、従来のFD感染から、ネットワークによる外部からの侵入へと変化しつつある。

   また、感染したことを検出する方法としては、ワクチンソフトの使用が最も多く、ファイルの読み取り不可、ディスプレイメッセージの発生時点が続いている。そして、感染後の回復手段としてもワクチンソフトが多く使われており、バックアップからの再ロードや、データの再入力の率を大きく上回っている。

   今後のセキュリティ対策として、各国とも「ファイヤーウォールの構築」が上位となっているが、これは、更なるネットワーク化の普及とともに、各国ともにネットワーク経由でのウイルス感染が増大すると予想しているためと考えられる。
 
   以上、1年間の海外調査の結果を記載したが、同様の国内調査と比較してみると、日本はウイルス対策に関するユーザー教育の実施率が低く、またセキュリティ対策として各種ファイルのバックアップが上位を占めており、ウイルス対策に対する対応が遅れている。今後、日本でもウイルス対策教育の徹底、予防としてのワクチンソフトの導入が重要な課題といえる。