1999年7月9日
情報処理振興事業協会
コンピュータ不正アクセス被害の届出状況について
1.はじめに
IPA(情報処理振興事業協会、石井賢吾理事長)は、1999年6月のコンピュータ不正アクセス被害の届出状況をまとめた。
コンピュータ不正アクセス被害の届出制度は、通商産業省のコンピュータ不正アクセス対策基準(1996年8月8日付通商産業省告示第362号)に基づき、1996年8月にスタートした制度であり、同基準において、コンピュータ不正アクセスの被害を受けた者は、被害の拡大と再発を防ぐために必要な情報をIPAに届出ることとされている。
2.届出の状況
2.1 1999年6月の届出の概要
1999年6月のコンピュータ不正アクセス被害の届け出が6件あった(別紙参照)。概要を以下に報告する。
(1)スキャニング
ポートスキャン(*1)もしくは類似のスキャニングツールによると思われるアクセスに関する届出が5件あった。いずれもログの確認のレポートであり、実際の被害には遭っていない。
- ケース1
- 毎月同一組織から届出されているもの。5月分(6月2日届出)に関しては約50回のアクセスであった。
- ケース2
- IMAP(*3)その他のポートにアクセスしている。約60回のアクセスがあった。
- ケース3
- sendmail(*4)ポートにアクセスしている。インターバルを置いて繰り返し同じアドレスからアクセスしている。アクセス元への問い合わせでは、不正アクセスを意図したものではないとの回答が来ているが、詳細の状況は不明である。
- ケース4及びケース5
- IMAP及びpop3(*5)のポートにアクセスしている。
- )ポートスキャン:98年6月頃より出回っているポート(*2)やアドレスに順次アクセスするツール。
- )ポート:元来港の意味であり、マシン同志が通信を行なう際に利用される口のこと。ほとんどの場合、種々の通信はそれぞれのサービスに固有のポートを使って行われる。その対応情報は例えば /etc/services (UNIXの場合)といったファイルに記載されている。
- )IMAP:Internet Message Access Protocol。電子メール送受信用プロトコル。メールサーバ上のメールもしくは掲示板のメッセージをクライアントから読み書きするのに使われる。
- )sendmail:メール処理に広く用いられているソフトウエア。最新もしくは最新に近いバージョンでは、メール中継等の制御に関わる機能が強化されている。
- )pop3:Post Office Protocol Version3。電子メール受信用プロトコル。メールサーバが受信し蓄積したメールをクライアントが取り出すときに使われる。
(2)spamメール(*6)中継(*7)
spamメール中継の届出が1件あった。
システム管理者宛てにエラーメールが届き調査したところ、spamメールの中継に利用されていた。システム管理者は、sendmailをバージョンアップし、中継を行わない設定にして対応した。現在中継メールは拒否されている。
- )spamメール:大量に送られる(ばらまかれる)メールのこと。
- )中継:ここでは特に、あるメールサーバが、自分のサイトとは直接関係ない外部アドレスから外部アドレス宛てのメールの経由地点として指定され、利用されること。spamメール送信者は、送信元を隠すなどの目的で、この機能を利用することが多い。
2.2 注意事項
IPAでは皆様方から届け出された不正アクセス被害について原因分析を行い、当協会内に設置したコンピュータ不正アクセス対策委員会の協力のもと対策を策定していきます。策定した対策はマスメディア等の協力を得て皆様方に広報するとともに今後の国の施策に反映して行きます。これからもコンピュータ不正アクセス被害の届け出にご協力をお願いします。
問い合わせ先 IPA(情報処理振興事業協会)
セキュリティセンター不正アクセス対策室
TEL (03)5978−7508
FAX (03)5978−7518
e-mail isec-info@ipa.go.jp