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「厳密な仕様記述における形式手法成功事例調査報告書」の公開

2013年1月25日公開
独立行政法人情報処理推進機構
技術本部 ソフトウェア・エンジニアリング・センター

概要

  ソフトウェア開発現場では、日本語で作成する仕様書の記述内容が曖昧である事に起因する製品品質の低下やプログラム不具合対応などの手戻り作業に伴う開発コストの増加が問題視されています。「形式手法」(*1)は、こうした仕様記述の内容から曖昧さを排除し、誤解を招かない仕様書を作成する手法の一つとして注目されています。
  国際規格においても、高い安全性を要求される製品に関連する規格であるIEC 61508(*2)や、自動車業界に対するISO 26262(*3)など、形式手法の使用を推奨しており、形式手法に対する国内企業の関心も高まってきています。
  IPA/SECにおいても、「形式手法」が上流工程の品質向上に有効な手法のひとつとして、普及促進を行ってきました。
  本調査では、仕様記述における形式手法導入の成功プロジェクトのキーパーソンに対し、「仕様書作成に係る諸問題の根本原因が何か」、「それを形式手法の活用によりどう解決したか」などのヒアリング調査を実施しました。その結果、成功プロジェクトの共通点として明確になった「プロジェクトでの厳密な仕様の効果」、「形式仕様の適切な適用箇所」、「自然言語(日本語)記述との共存による相互作用」などを分析し、「厳密な仕様記述」導入への提言としてまとめました。

  本調査報告書により、「形式手法」が誤解を招かない仕様書作成を可能にすることで、上流工程におけるソフトウェアの品質向上の技術的解決策のひとつとしてだけではなく、ソフトウェア開発ライフサイクル全般を通して品質向上に有効な技術として理解を深めていただけることを期待します。
  なお、IPA/SECでは、本調査結果をベースとし、形式手法導入教材の副読本「厳密な仕様記述ガイド(仮題)」を作成し、公開する予定です。


※2012年11月13日に実務家のための形式手法 教材 「厳密な仕様記述を志すための形式手法入門」を公開しました。

脚注

(*1) 形式手法:数学的な規範を用いることで、曖昧性や不正確さを排除する手法。形式的仕様記述と形式検証に大別される。形式的仕様記述は、数学的な規範で仕様を記述して、仕様の曖昧性を排除する手法。
(*2) IEC 61508:IEC(国際電気標準会議)が策定した一般的な機械を対象とした機能安全に関する国際規格。
(*3) ISO 26262:ISO(国際標準化機構)が策定した自動車分野の機能安全に関する国際規格。

ダウンロード

  注:当ページのコンテンツはPDF形式での提供となっております。
厳密な仕様記述における形式手法成功事例調査報告書[5.68MB]PDF文書

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