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ソフトウェア高信頼化

SEC journal論文賞

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  IPAでは、情報化社会を支えるソフトウェアの安全性や信頼性向上に向けた活動の一環として、ソフトウェア開発技術に関する情報提供や、開発技術の普及、研究促進を目的に、その最新動向、開発における実証的な論文や事例、IPAの活動成果などを掲載した「SEC journal」を発行しています。また同ジャーナルではソフトウェア開発現場で役立つ論文を募集しており、応募論文は有識者の査読(*1)により、SEC journalへの掲載が決定されます。IPAではその掲載論文の中から毎年1回「SEC journal論文賞」を選定(*2)し、授与、表彰しています。

2016年SEC journal論文賞

   2015年8月から2016年7月に掲載決定となった論文の中からSEC journal論文賞の受賞論文を選定し、2016年11月17日(木)にEmbedded Technology 2016/IoT Technology 2016内で開催したSEC journal論文賞授賞式にて、「SEC journal論文賞」を授与しました。

SEC journal論文賞の発表・授賞式

日時:2016年11月17日(木) 11:00~12:00
会場:パシフィコ横浜 アネックスホール 2階 F203(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)

対象論文

  2016年SEC journal論文賞は、以下の論文を対象に選定されました。

掲載号論文テーマ
43号 契約を用いたソフトウェア開発の修正傾向調査PDF文書[731KB]
44号 IT組織における職場リーダー像の系統的な導出PDF文書[611KB]
45号 ソフトウェア開発記録の多次元データ分析に向けた可視化方式Treemap Forestの設計と実証的評価PDF文書[1.27MB]
46号 プロセス改善技術者育成コースの設計と実装PDF文書[1.22MB]
47号 組込みシステムにおける検証アーキテクトと育成プログラムPDF文書[1.54 MB]
47号 Goal Structuring Notationを用いた汎用的な安全要求の明確化と評価PDF文書[1.07 MB]


2016年SEC journal論文賞 受賞論文

  2016年SEC journal論文賞の受賞論文は以下の2編です。(所属などは投稿当時の情報です)

最優秀賞

  本年は該当論文なし

優秀賞

  受賞論文:1編

論文テーマ プロセス改善技術者育成コースの設計と実装
執筆者 久野 倫義
所属団体 三菱電機株式会社
共著者 1 中島 毅(芝浦工業大学)
共著者 2 芝田 晃 (三菱電機株式会社)
共著者 3 近藤 聖久 (三菱電機株式会社)
共著者 4 小笠原 公一 (三菱電機株式会社)
論文 掲載論文(SEC journal46号)の詳細・ダウンロードPDF文書[1.22B]

 優秀賞には、「プロセス改善技術者育成コースの設計と実装(執筆者:久野 倫義氏 他4名)」が選ばれました。ソフトウェア開発組織の改善の核となるプロセス改善技術者(SPEG要員)の重要性は、誰しも感じることであると思いますが、改善技術者の育成は難しいという現実があります。スキル項目が多岐にわたること、育成できる指導者が潤沢ではないといったこと等が要因として挙げられます。
 本論文では、 これまでのSEPG要員に対する教育、ISO/IEC 15504 Part 5やCMMI6で示されるプロセスの理解など、抽象的な知識を詰め込む形式ではなく、SEPG要員が現場で直面する問題を解決できることに絞った達成レベルとする育成コースのプログラムを構成・実施し、短期間での育成を可能とした事例を紹介しています。コース開発の背景、設計上の課題と解決策、その実施結果の評価などが過年度の実績に基づき紹介されており、産業界で横展開可能な有効性のエビデンスを示している点なども評価されました。

SEC所長賞

  受賞論文:1編

論文テーマ Goal Structuring Notationを用いた汎用的な安全要求の明確化と評価
執筆者 柿本 和希
所属団体 奈良先端科学技術大学院大学
共著者 1 川口 真司(宇宙航空研究開発機構)
共著者 2 高井 利憲(奈良先端科学技術大学院大学)
共著者 3 石濱 直樹(宇宙航空研究開発機構)
共著者 4 飯田 元(奈良先端科学技術大学院大学)
共著者 5 片平 真史(宇宙航空研究開発機構)
論文 掲載論文(SEC journal47号)の詳細・ダウンロードPDF文書[1.07 MB]

 所長賞には、「Goal Structuring Notationを用いた汎用的な安全要求の明確化と評価(執筆者:柿本 和希氏 他5名)」が選ばれました。一般安全要求と呼ばれるものや、国際標準規格などの安全規格など汎用的に適用される安全要求はあいまいな記述を含んでいますが、あいまいな記述に対する解釈の誤りはコストの増大や事故の原因につながります。
 本論文では、汎用的な安全要求が暗黙的に仮定する知識などの暗黙知をゴール構造化記法(Goal Structuring Notation,GSN)を用い明確にすることにより、思い込みによる危険性の見過ごしを防止する効果があることを示しています。「安全」に前提をおかなければ、様々な分野のソフトウェアやシステムの開発現場に適用可能である点も評価されました。

脚注

(*1) 学界と産業界の有識者2名以上で査読し、SEC journalへの掲載論文を選定する。
(*2) SEC journalへの掲載論文の中から産学の有識者20名で構成する選考委員会が審査し、さらに選考委員会とは異なる有識者8名で構成する表彰委員会の審査を経て決定する。