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ソフトウェア高信頼化

2013年度及び2014年度のソフトウェア工学分野の先導的研究支援事業の成果を公開

2015年4月17日公開
独立行政法人情報処理推進機構
技術本部 ソフトウェア高信頼化センター

概要

  IPA/SECでは、我が国のソフトウェア工学の促進と、その成果の産業界への展開促進を目的に、2012年度より「ソフトウェア工学分野の先導的研究支援事業」として、ソフトウェア工学分野の先導的研究やソフトウェアの経済的効果に関する研究を公募し、支援する取組みを行っています。
  2013年度は5つ、2014年度は4つの研究テーマを採択し、これらを支援しました。この度2013年度採択の研究3件及び2014年度採択の研究1件が終了したため、これらの成果報告書を公開します。なお、2013年度の委託研究先である和歌山大学より、本研究の成果として、「定量的プロジェクト管理ツール(EPM-X)」の機能拡張プラグインをフリーウェアで公開しています。

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2013年度採択研究
組織名称 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
研究責任者 情報科学研究科 教授  松本 健一
研究区分(*1) A:ソフトウェア工学分野の先導的な研究
研究テーマ名 ソフトウェア品質の第三者評価のための基盤技術
-ソフトウェアプロジェクトトモグラフィ技術の高度化-
研究期間(*2) 2年
研究概要   ソフトウェア品質の第三者評価の技術基盤の確立を目指し、「ソフトウェアプロジェクトトモグラフィ」と呼ばれる新しい概念・手法を2012年度の委託研究で提案した。2013年度の研究では、研究成果をソフトウェアの品質評価方法、プロジェクトデータの解析やその可視化方法を高度化し、その妥当性・有用性をプロトタイプシステムの実装と実証実験を通じて示した。
   本手法では、プロジェクトを様々な観点で可視化し、ソフトウェアやその品質が実現される過程(プロセス)を表すことが可能となる。これによりソフトウェア品質の第三者評価で必要となる「ソフトウェアプロジェクトデータの提供」及び「提供されたデータに基づくプロジェクト理解」を容易に行うことができる。
報告書成果報告書PDF文書[5.62MB]
組織名称 国立大学法人 和歌山大学
研究責任者 システム工学部 情報通信システム学科 教授  和田 俊和
研究区分 B:ソフトウェア開発現場へのソフトウェア工学の適用に関する研究
研究テーマ名 IPA EPM-Xの機能拡張によるプロアクティブ型プロジェクトモニタリング環境の構築
―次世代の定量的プロジェクト管理ツールとリポジトリマイニング研究基盤―
研究期間 2年
研究概要   定量的なプロジェクト管理の普及のため、IPA/SECの成果物である「定量的プロジェクト管理ツール(EPM-X)」の機能を拡張し、「リポジトリマイニング(品質予測・工数予測など)」及び「プロアクティブマイニング(異常・予兆の検出など)」を支援するツール(プラグイン)を作成した。
   これにより、これまで勘や経験に頼りがちであったソフトウェア開発を、客観的・定量的な形で行うとともに、プロジェクト内の異変や問題発生の予兆をリアルタイムに検出することで、プロジェクトや管理の見直しのための定量的な材料にすることができる。
報告書 成果報告書PDF文書[4.69MB]
ツール「定量的プロジェクト管理ツールIPA EPM-Xの機能拡張(プラグイン)」の紹介
http://oss.sys.wakayama-u.ac.jp/msr/ ※外部リンク(国立大学法人 和歌山大学)
組織名称 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構
研究責任者 コンテンツ科学研究系 准教授  石川 冬樹
研究区分 B:ソフトウェア開発現場へのソフトウェア工学の適用に関する研究
研究テーマ名 形式仕様とテスト生成の部分的・段階的な活用
~探索を通したコード中心インクリメンタル型開発の支援
研究期間 2年
研究概要   アジャイル開発,形式手法,品質保証テストの3つの技術分野において、それぞれの特徴に起因する課題や、これらの相互補完や総合的な施策に対応するため、コードスケルトン(変数定義やメソッドシグネチャ定義)上に書き加えた断片的な仕様やテスト設計を基に、テストケースを探索、提示するツールを構築する。
   これにより、形式手法や品質保証のテスト生成ツールで求められる厳密・十分な記述を段階的かつフィードバック付きで行えるようになり、また、仕様やテストケース間の関係、基礎技術について、3つの技術分野にまたがった総合的な考えを行うきっかけになることが期待できる。
報告書 成果報告書PDF文書[1.93MB]
2014年度採択研究
組織名称 学校法人 芝浦工業大学
研究責任者 システム理工学部 電子情報システム学科 教授  松浦 佐江子
研究区分 B:ソフトウェア開発現場へのソフトウェア工学の適用に関する研究
研究テーマ名 保守プロセスにおけるモデル検査技術の開発現場への適用に関する研究
研究期間 1年
研究概要   システム開発時に、そのシステムが当初の「仕様」を満たしているかどうかの確認作業を高効率・高品質で実施することを目的に、モデル検査を用いたソースコード検証を、形式手法のスペシャリストでなくても実現できるような検査方法の構築に取り組んだ。
   これにより、仕様を満たしていることを低コストで確認でき、手戻りの少ない開発に貢献することが期待できる。
報告書 成果報告書PDF文書[6.37MB]

脚注

(*1)募集要項で定められた研究区分。詳細は以下「参考情報」を参照。
(*2)研究期間は1年と2年の二種類の期間がある。

参考情報

2014年度採択研究一覧

  2014年度は以下の4件の研究テーマを採択しました。このうち1件が単年度期間の研究として2015年2月に研究が終了し、今回成果を公開しました。残りの3件については、2016年2月に研究終了となる予定です。

単年度研究 (2015年2月まで実施)
1.学校法人 芝浦工業大学
「保守プロセスにおけるモデル検査技術の開発現場への適用に関する研究」
2年度研究 (2016年2月まで実施)
2. 学校法人 神奈川大学
「オープンシステム・ディペンダビリティのための形式アシュランスケース・フレームワーク」
3 .学校法人慶應義塾 慶應義塾大学
「システムモデルと繰り返し型モデル検査による次世代自動運転車を取り巻くSystem of Systemsのアーキテクチャ設計」
4 .学校法人同志社 同志社大学
「日本のソフトウェア技術者の生産性及び処遇の向上効果研究:アジア、欧米諸国との国際比較分析のフレームワークを用いて」
2014年度の募集研究区分

  2014年度は以下の研究区分の公募を行いました。なお、D区分についての研究テーマは採択されませんでした。

A:ソフトウェア工学分野の先導的な研究
要求工学、プロセス改善、高信頼性、アジャイル開発、形式手法、モデルベース開発等のソフトウェア工学分野の先導的な研究
B:ソフトウェア工学・システム工学の実践的な適用に関する研究
ソフトウェア開発現場への適用を目的としたソフトウェア工学の成果・手法を詳細化・具体化・実用化する研究またはスマートコミュニティ、ヘルスケア、ロボット、次世代自動車と交通システム等の複雑な統合システム(System of Systems)の研究開発において、ソフトウェア工学・システム工学の成果・手法を適用する研究
C:ソフトウェアが経済社会にもたらす革新的効果に関する実証研究
ソフトウェアが社会や組織経営にもたらす経済価値、生産性向上、競争力強化、イノベーション等の経済効果についての実証研究
D:ソフトウェア工学に関する課題指定研究 「ソフトウェア開発データの分析」
IPA/SECが過去9年間にわたり収集・蓄積してきたソフトウェア開発データを新たな視点や手法により分析・研究することにより、ソフトウェア開発における課題や方向性を提唱する研究