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【未踏通信】第13号バックナンバー

最終更新日:2015年4月27日
IT人材育成本部
イノベーション人材センター
未踏人材グループ

【未踏通信】第13号 (2015.4.27)

皆さま、こんにちは、未踏通信編集局です。未踏通信 第13号をお送りします。
この未踏通信は、未踏OB・OGからの技術関連コラム、未踏関連イベント情報、未踏関連の話題等、未踏事業に関わる情報をお知らせするメールニュースです。随時お送りしておりますのでご愛読ください。

TECHNOLOGY EYE(未踏OB・OGが見た最新技術動向のコラム)

「注目の"インクルーシブデザイン"という考え方」 2014年度未踏の本多達也さん

 2014年度クリエータの本多達也です。未踏では「髪の毛で音を感じる新しいユーザインタフェースの開発」というテーマで、ろう者に音の特徴を伝える装置「ONTENNA」を開発しました。今回は、私の専門がデザインということもあり、現在注目が集まっている“インクルーシブデザイン”という考え方についてご紹介したいと思います。

インクルーシブデザインとは、従来デザインをする際に排除されてきた障がい者や高齢者、外国人といった多様な人々を、デザインプロセスの上流の段階から巻き込むデザイン手法のことです。これまでのデザインというものは、デザイナーや技術者が考えたものを一方的に消費者に押し付けるという構造が一般的でした。そのため、ボタンが増え過ぎてしまったリモコンや、あなたは障がい者ですよと誇張するような福祉機器のデザインが世の中に広まってしまいました。

そこで、デザインをする際に当事者とデザイナーが一緒になってデザインを行うことで、よりユーザビリティの高いプロダクトを作り出そうという取り組みが広まりつつあります。早い段階で当事者の意見を取り入れることにより、ユーザ目線での開発が可能となります。

私の開発したONTENNAも、ろう者と協働してデザインすることにより誕生したプロダクトです。開発者が一方的に良いと考えてデザインした形や機能でも、当事者からすると必要のないものであることが多く、デザインをする際に、いかにユーザ目線に立つことが出来ていなかったのかを痛感しました。結果的には、繰り返しろう者からプロトタイプに対する意見をもらうことで、コンセプトも機能もより芯のある装置となっていきました。障がい者は障害があるのではなくて、その道のスペシャリストなのかもしれません。

インクルーシブデザインという考え方は、一見排除されがちなエクストリームユーザの意見を取り入れることで、メインストリームユーザの生活に革命をもたらすアイデアやデザインを生むための、1つのキーワードとなるのではないでしょうか。私もこれから様々なプロダクトのデザインに携わっていく予定です。インクルーシブデザインという考え方を念頭に置いて、世界が驚いて使いたくなるようなものを作り出すデザイナーになれるように頑張りたいと思います。

▼「ONTENNA」のFacebook
www.facebook.com/pages/Ontenna/379339855579554

EVENT REPORT (未踏関連イベント・リポート)

「2014MITOU Final Reports」(第21回未踏事業成果報告会) 開催報告
ニコニコ生放送のLIVE配信で多くの方が視聴!

 第21回となる未踏事業成果報告会である「2014MITOU Final Reports」が2月21日、22日の両日にわたって開催されました。2014年度未踏事業で約9か月の間クリエータたちが取り組んできたプロジェクトの成果を発表する公開イベントで、会場には未踏OB・OGをはじめ、未踏を応援してくれる人たちも駆けつけてくれました。

採択されていたプロジェクトは全部で14件。一日7件ずつ発表が行われ、それぞれ担当したPMが先導する形で発表と質疑応答が行われました。冒頭、プロジェクトマネージャー代表として挨拶に立った夏野PMは「(一般社団法人未踏の発足したこともあり)今年は未踏が大きく羽ばたく年。皆さんの責任は重い」と発表するクリエータたちに発破をかけ「どうしようもない発表は炎上します」と笑いをとります。

多くのプロジェクトに共通しているのが、PMとの熱い議論の末にここまで漕ぎつけてきたということ。プロジェクトの主役はあくまでクリエータですが、PMの本気のアドバイスがクリエータたちの成長につながっていることが、発表の端々から感じ取ることができました。成果のレベルは、すでに実用レベルに達しているものから、今後さらにブラッシュアップが必要と思われるものまで、様々ですが、クリエータたちにとっては今回のプロジェクトが大きな財産になったはずです。

このイベントでは、未踏としては初めて「ニコニコ生放送」でライブ配信を行い、未踏を知らなかった多くの人たちも視聴し、驚嘆の声も上がっていました。卒業していくクリエータの方たちの今後の活躍が楽しみです。

▼参照:発表テーマ一覧(開催時のプログラム)
www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/2014/seikahoukoku21th.html

※発表時の動画は、YouTube IPA Channelでご覧になれます。
▼YouTube IPA Channel
www.youtube.com/playlist?list=PLi57U_f9scIKkrtnygOxh56MCe0TTbJO8

大きな盛り上がりを見せた新たなスペシャルイベント「未踏会議」

 去る3月10日(みとうの日)に、六本木アカデミーヒルズで「未踏会議」が開催されました。このイベントはこれまでIPAが手掛けてきたイベントとは一線を画すもので、よりジェネラルな視点から、広く未踏の意義を理解してもらおうと開催されたものです。当日のプログラムは、識者による対談と、未踏クリエータによるプレゼンテーションから構成され、その模様は「ニコニコ生放送」でLIVE配信されました。

対談としては、未踏の統括PMであり、iモードの生みの親である夏野剛さんがモデレータを務め、DeNAの創立者の南場智子さんと、LINEの代表取締役社長(2015年3月当時)の森川亮さんをお招きした"経営者編"。そして、TRONプロジェクトの創始者である坂村健さんと、日本のインターネットの父と言われる村井純さんをお迎えし、未踏の統括PMであり元祖ハッカーの竹内郁雄さんにモデレータを務めていただいた"学識者編"の2つが行われました。

「創造的人材を伸ばすビジネス環境~未踏的人材の破壊力!~」と題する経営者お二人による対談では、企業が未踏的な人材をどう活用していくべきかということが焦点に。森川さんは「新しいことをやる人はサッカーのフォワードみたいなもの。最初からシュートを打たせるべき」と日本的な我慢を強いる風潮に警鐘を鳴らし、南場さんは「未踏的な人が愛しているのは会社ではなく、サービス。お互いが利用しあうことが大切」と活用のポイントを挙げました。

もうひとつの学識者による対談の題目は「IoT時代を切り拓く創造的人材~未来を創る異端力!~」。日本のITの黎明期の思い出話から始まり、どう新しいことに挑んできたのか、現状の課題はどこにあるのか、といったところに話が広がりました。最後には、IoTの次に来るのは、人間の精神のつながり(坂村さん)、人間の抽象化(村井さん)、つまり「Internet of Spirit(IoS)」であるといった哲学的な話題も飛び出して、楽しい中にも示唆に富んだ対談になりました。

それぞれの対談の後には、未踏クリエータがそれぞれ4名ずつ登場し、現在取り組んでいる研究テーマやその成果が発表され、突出したIT人材の発想力と技術力を多くの皆さんに知っていただく良い機会になりました。ちなみに2つの対談の参加者とモデレータの6名の方たちは、この3月10日に正式に活動を開始した「一般社団法人未踏(Mitou Fondation)」の理事でもあります。未踏会議を通して、こうした方たちがMitou Fondationを支えていることも合わせてお伝えできたのではないでしょうか。

尚、未踏会議の後には、同じフロアのカフェテリアを使って未踏OBを中心とした懇親会「未踏ナイト」が行われました。近況を報告するライトニングトークなども交えながら、あちらこちらで会話の輪が生まれていました。
www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/2014/mitoukaigi.html

MITOU NOW (未踏事業の近況報告)

2015年度未踏事業公募締切、採択審査は白熱!2014年度スパクリ認定審査も進む

 昨年11月17日(月)に開始された2015年度未踏事業の公募は、約の5ヶ月の募集期間が経過して、3月18日(水)に締切られました。

全国各地で実施した説明会などの普及活動が功を奏して、昨年度を上回る応募が寄せられ、全ての書類に目を通して行われる一次審査にあたるプロジェクトマネージャーの方々は、嬉しい悲鳴をあげたようです。
先々週末4月18日(土)・19日(日)の2日間にわたり行われた二次審査のヒアリングが大きな山場となって、プロジェクトマネージャーの独自の視点により採択プロジェクトが選ばれ、未踏事業審査委員会での審議を経て決定されます。

提案されたアイディアの多彩さとユニークさからも、今年度はどのようなテーマとクリエータが採択されるのか、6月の発表のその日を、乞うご期待ください!

一方、終了した2014年度のスーパークリエータ認定者の評価、審査が進められています。約9か月のプロジェクトの取り組みと成果をみて、これもプロジェクトマネージャーが候補者を選び、未踏事業審査委員会での審議を経て決定されます。こちらも楽しみにお待ちください。

未踏通信編集局より

 統括PMである竹内郁雄さんと未踏OBの近藤秀和さんが代表理事となって、一般社団法人未踏(Mitou Fondation)がスタートしました。IPAとは相互協力協定(MOU) を締結し、お互いで役割分担をしたり、イベントを共催したりしながら、未踏事業を盛り上げていくことになります。2015年度の未踏事業の公募も3月18日で締め切り、現在採択に向けて審査を進めているところです。また新しい人材がそこから羽ばたいていくことでしょう。今後も未踏事業にご注目ください。
▼未踏通信バックナンバーは以下をご覧ください。 http://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/tsushin/index.html

更新履歴

2015年 4月27日 未踏通信第13号のバックナンバーを公開しました。

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