デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2017年度採択プロジェクト概要(坂元PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 五十嵐 悠紀(明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 専任講師)

2.採択者氏名

  • 坂元 律矛(名古屋工業大学 工学部第一部 情報工学科 知能系)

3.採択金額

  • 2,304,000円

4.テーマ名

  • プロトタイピングを通じて論理的思考を学ぶ迷路作成キット

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

本プロジェクトでは、情報技術(デジタル)を図画工作(アナログ)と融合させた、プロトタイピングを通じて論理的思考を学ぶ迷路作成キットを開発する。本キットは小中学生でも大人でも、誰でも簡単に工作の延長線でプログラミングに必要な論理的思考が学べるものである。
本キットの機能は「ガイドブック」「アナログパーツ」「開発ツール」「アイデア共有SNS」に大別され、パーツとしては汎用マイコンボード、床や壁の素材、サーボモータ、金属レール、金属球、LED、コンデンサ、抵抗、導線が盛り込まれており、誰でも気軽に、ガイドブックを読み進めながら、手を動かし、プログラミングを学び、自分で迷路のコースを考え、組み立て、完成させることができる。本キットによって作られる迷路には、金属レールを用いたセンサが備えられ、チャタリングによるセンシングにより、迷路を動く鉄球に連動して扉や動く壁が操作される。ユーザはif文とfor文を用いてマイコン入りLEDとサーボモータを操作することが可能であり、それにより鉄球をゴールさせることを目指す。最初のうちはゴールできる迷路を作ることを目指すが、徐々にギミックをうまく活用し面白い迷路に作り直していく。その過程で様々な問題が浮上するが、原因を突き止め、部分ごとにデバッグを重ね、修正し、完成を目指すことで論理的思考を養うことができる。また、アイデア共有SNSで面白いと思った他のユーザのアイデアを自分の迷路に実装することもできる。

7.採択理由

現在注目されている、STEM教育に関するプロジェクトである。「子ども用のものを作成するのではなく、大人でも楽しめるものを子どもに与える」といった坂元氏のポリシー、熱意、プロトタイプの完成度、などを評価し採択した。小学校の教育課程について、関連研究など技術的なこともしっかり調査してあり、意欲的な提案である。小学校で配布されるくらい安価で手軽なものが完成することを期待する。