デジタル人材の育成
首藤 一幸(東京工業大学 大学院情報理工学研究科 数理・計算科学専攻 准教授)
チーフクリエータ
友広 歩李 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部 情報アーキテクチャ学科)
本プロジェクトでは、平面に描いたスケッチが現実空間の奥行きに基づいて立体的になる描画システムを開発する。本システムではスケッチを行う際、はじめにRGBカメラ、深度センサー等を用いて、描画対象の風景自体と奥行きを取り込み、取り込んだ深度データを元に奥行き感のあるでこぼこのキャンバスを生成する。ユーザはそのでこぼこのキャンバス上にスケッチの線を描き入れる。その際、描かれた線はでこぼこのキャンバス上に張り付く形で配置される。スケッチ後にこのキャンバスを左右上下に傾けることで、キャンバス上の線も一緒に移動し、描いた世界の中で視点を変えることができる。加えて、キャンバスがでこぼこになることで、正面からは見えなかった横や上部などの描き込みを可能にし、スケッチで残すことのできる情報量を増加させる。
タブレットなどを用いてスケッチを描く際、深度センサ (Kinect など) で得た深度情報を付加するという提案である。これによって、奥行きのあるスケッチ、または、スケッチが付加された3D 空間を得られる。
友広さんは、技術だけでなく、スケッチを含めた創作活動を幅広く行ってきている。つまり、彼女自身が当事者・利用者であり、自らが欲しいものを自らの動機で開発するということである。新しい創作・協働作業の形を産み出してくれると信じている。心象からなる3D空間、見せて欲しい。