デジタル人材の育成
首藤 一幸(東京工業大学 大学院情報理工学研究科 数理・計算科学専攻 准教授)
チーフクリエータ
横窪 安奈(お茶の水女子大学大学院)
コクリエータ
なし
日常生活の中に花を取り入れることは、心や感情を豊かにする。そのため、花を多様な材料と組み合わせて構成し、鑑賞する芸術として華道やフラワーアレンジメントなどが幅広く好まれており、日本のみならず海外でも美しいと認識されている。しかし、一般的には花は親しみにくい存在であり、生け花に取り組むまでに敷居が高いという現状がある。
そこで、本提案では、生け花をより身近にすることを目的とした、生け花支援システムを開発する。生け花をより身近にするためには、花材集めのサポートや生け花のデザインイメージの提供、そして生け花の手順の提示などの支援がある。今回は画面上に花材イメージを用意し、それらを配置することで、様々な生け花体験ができる新しいアプリケーションCADoを開発する。
これにより、従来よりも手軽に生け花を楽しむことが可能になる。また、本システムはアプリケーションが用意した花材だけでなく、実際の花を取り込んだり、華道の法則に準じたデザインイメージを提示するなど、より現実の華道に近いエンターテイメントシステムとして応用できる。更に、日本の華道の美しさをわかりやすく伝えるツールとしても活用可能である。
生け花体験、指導システムを開発するという提案である。
利用者は、撮影した花材を画面上で生けたり、その際にデザインイメージの提案を受けたりできる。
心や感情を豊かにする花、それと向き合う生け花を身近なものとしたい、という横窪さんの思いが提案の動機となっている。
PMからは様々な意見が出た。
バーチャル生け花体験と生け花指導は分けて考えて、指導の代わりにソーシャルゲームで他者と交流した方がよい、という意見や、花材の撮影を必須とするか否かをよく考えた方がよい、という意見があった。
また、花、生け花に触れる機会を増やすという大目標に向けた手段を、バーチャル生け花に限らず、いろいろと考えてみるとよいのではないだろうか。
強い動機に裏付けられた提案なので、大変楽しみである。