本事業では、積極的に独創性を評価するために産学界から専門知識を持つプロジェクトマネージャー(PM)を任用し、各PMが独自の眼力による提案内容の審査、開発者への指導・助言、開発の進捗管理、開発結果の評価等を行います。
2006年度は下記10名の方がPMを担当しており、応募者の皆様に向けたメッセージとともに各PMをご紹介いたします。 なお、各PMの略歴・専門分野・公募分野などにつきましては下記の「公募対象プロジェクト」を、応募方法につきましては下記の「公募概要」をクリックしてご覧ください。
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1.北野 宏明(きたの ひろあき)
−株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 取締役副所長
単に奇をてらったものではなく、真にオリジナルなものは何かと考えると、表面的な見え方ではなく、真に価値のあるものは何かという問いに真剣に答えようとした結果にもたらされるものであると思います。
細かい技術的な改良ではなく、ものの見方が変わるような提案をお待ちしています。みんなが思ってはいてもやらなかった事をやってみるというのも、実は非常にオリジナルなことであると思います。結局は、価値を生み出すことです。
「アイデアの良い人は世の中にたくさんいるが、良いと思ったアイデアを実行する勇気のある人は少ない。我々は、それをがむしゃらにやるだけである。」(盛田昭夫、ソニー創業者)。
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2.黒川 利明(くろかわ としあき)
−株式会社CSKホールディングス 総合企画部 CSKフェロー
私は、ソフトウェア開発の上流工程(だけとは限らないのだが)で最大の課題とされる「要求」に関する技術開発を公募している。
この課題は、日本のソフトウェア産業のアキレス腱(暗部?)という指摘もあるのだが、重要だという評価の割には、研究開発が進んでいない。
現場経験の無い若い人たちには、「要求」の問題は、課題すら把握できないとか、個人ベースで取り組むには、難しすぎるという意見がソフトウェア開発の専門家からも出るのが実情だ。
しかし、たとえ困難であることが分かっていても挑戦するのが「未踏」の精神だろうと私は信じている。多くの挑戦者が現れることを祈っている。
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3.高田 浩和(たかた ひろかず)
−株式会社ルネサステクノロジ システムコア技術統括部 CPU開発第二部
IPAの未踏ソフトウェア事業は、ご存じのように、スーパークリエータを発掘することを目的に、独創的で優れたソフトウェアを生み出すことのできる開発者を支援すべく、年2回のプロジェクト公募を行っている他に類を見ないプロジェクトです。
その最も大きな特徴は、小人数で活動されている個人またはグループを対象としており、開発者の所属を問わないということでしょう。大学・研究機関はもとより、企業で活躍されている方、フリーで活動されている方からの幅広い応募を受け付けています。
応募の障壁は決して高くありません。アイデアと技術、そして何よりもやりたい事があることこそが重要です。未来を拓く技術も、チャレンジ精神無くしては生まれません。未踏プロジェクトに採択されることで、新たな世界が広がることでしょう。あなたもぜひ応募してみませんか?
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4.千葉 滋(ちば しげる)
−東京工業大学大学院 情報理工学研究科 助教授
採択者の方と雑談していたときに出た話です。よいソフトを作りたいと常に熱意をもっていても、本当に作る価値のあるソフトにはそう巡り会えません。
でも必ずいつか巡り会えます。だから巡りあったと思ったときは、本気で作らなければいけません。そういう本気な人のサポートをしたいと願っています。
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5.並木
美太郎(なみき みたろう)
−東京農工大学大学院 共生科学技術研究部 助教授
学生の頃から、OSやコンパイラなどの基盤ソフトウェアをフルスクラッチで作り、今も年間数千行のプログラムを自分で作っています。自分のアイデアを実際に計算機上に実現する感激は、天才プログラマ・スーパークリエータを生み出す基本的な要素です。
私の応募要綱は、一つは実用的視点、もう一つはアイデア重視と書きましたが、堅苦しく難しく考えず、「自分で作ったこの基盤ソフトって面白いんだぜ」「自作のこのシステムって結構使えるだぜ」という気持ちで応募してみてください。
未踏性のある開発内容もありますが、未踏のもう一つの心は人材発掘にあります。ですので、臆することなくどんどん応募してみてください。
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6.David
J. Farber(ディビット・ファーバー)
−カーネギーメロン大学 特別優秀教授
To The Young
Researchers of Japan
The Internet has come to its adulthood.
First, let me set the scene. If you look back over the last twenty
years, we've gone through a tremendous evolution in the networking
world. When we started the Arpanet, we were interested in computers.
We hooked them together and were interested in computers talking
to computers. What's happened over the last ten years is things
have changed dramatically. The network is the object of attention.
Computers are no longer the motivating items as they were, people
and information are. People want to talk to people; they want to
look at information. Nobody is interested just in computers talking
to computers. I think that's worth keeping in mind.
We are at a very critical crossroads right now. We could evolve
in several directions relative to what the future communications
world will looks like. There is a lot of pressure in the commercial
world to turn the Internet into a television set, to push passive
interaction for citizens, limited program availability, do your
shopping, watch more television. But we could instead produce a
major change in the way people work, the way people live and the
way people interact. Where we end up is still very much unknown,
but you, the young researchers, will be the ones who can determine
much of the directions. Most of the major steps in the network application
area started as ideas of young researchers working in small groups
or alone. They were not the result of large corporate developmental
activities, they started as an idea in some researcher's mind that
grew and grew. We offer you the chance to start down a similar road.
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【参考和訳】 日本の若い研究者のみなさんへ
インターネットは、成熟期に入りました。
最初に状況を説明すると、この20年を振り返れば、ネットワーク界は多大なる進化を遂げてきました。アーパネット(Arpanet)を始めたとき、私たちはコンピュータに興味をもっていました。コンピュータ同士をつないで、コンピュータがコンピュータと会話することに興味をもっていたのです。この10年の間に状況は劇的に変化し、いまやネットワークが注目の的です。もはや昔のようにコンピュータが動機を与えるアイテムなのではなく、人々と情報がそうなのです。人は人と話をしたがり、情報を見たがり、コンピュータがコンピュータに話しかけることに興味を持つ人はいなくなりました。それがとても重要なことだと思います。
私たちはまさに今、とても大切な岐路に立っています。これまで私たちは、未来の通信の世界がどういうものになるかということに関連するいくつかの方向で、進化を実現してきました。商業の世界においては、インターネットをテレビに変えることや、人々に受け身的な相互関係を押しつけることに、たくさんの圧力がかけられています。プログラムは制限され、買い物をしなさい、とか、もっとテレビをみなさいとか。しかし、その代わりに、人が働く方法や生きる方法、また人々が相互に作用する方法に、大きな変化をもたらしてくることができたのです。
私たちの行き着く先は、いまだによくわかっていません。しかし、あなた方のような若い研究者のみなさんこそが、その方向の大半を決定することができるのです。ネットワーク・アプリケーションの領域における大きなステップの多くは、小さなグループで、あるいはたった一人で研究を進める、若いみなさんのアイディアとして始まったものでした。大企業における開発活動の結果ではなく、数人の研究者たちの心の中にあったアイディアが、成長に成長を重ねて始まったものだったのです。私たちは、あなたにそういう道を歩み始めるチャンスを提供したいと思います。
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7.ウィリアム
齋藤(ウィリアム サイトウ)
−株式会社フォーバル 取締役副社長
私は米国で暗号化技術や認証などのセキュリティ分野に興味を持ち、長年にわたり研究開発や起業に携わってまいりましたが、現在も依然として解決していない問題があると認識しております。応募要領に示すとおり、今回はその中で最も重要と考えているテーマを3つ選び、公募対象プロジェクトにいたしました。昨年4月の個人情報保護法の施行や日本版SOX法の導入が予想される中、いずれもホットで取り組みがいがあるセキュリティのテーマであると考えます。
是非、皆様の積極的な応募と斬新なアイデアを期待しております。
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8.大川 恵子(おおかわ けいこ)
−株式会社スクールオンインターネット研究所 代表取締役所長
力と熱意のある皆さんと一緒に「学ぶ」ことを追求し、世界で利用される技術の開発に参加したいと思います。
自由な発想で応募ください。
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9.河野 恭之(こうの やすゆき)
−奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 助教授
自分の創り出したものが多くの人に利用され役立つのを見るのは嬉しいものです.ソフトウェアの世界にはこれまで誰も見たことのないようなものを「創る」チャンスがあります.わくわくする提案をお待ちしています. 一緒に夢を形にしましょう.
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10.美馬 義亮(みま よしあき)
−公立はこだて未来大学 システム情報科学部 助教授
日本という国から世界に向けて、先端的なソフトウェアをこれまで以上に続々と生み出していくことは可能だと信じます。それを実現するために、しばらく自分の時間と労力をかけてみたいという人たちをお手伝いさせてください。
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