近年,より高い処理能力を獲得するためにプロセッサのマルチコア化が進んでいる.一般的なシングルコアプロセッサには,プロセッシングコアが1個内蔵されているのに対し,マルチコアプロセッサには複数個のプロセッシングコアが内蔵されてる.各プロセッシングコアは互いに独立して動作するため,処理を完全に分担することができ,処理全体の効率化,高速化につながる.
今回はSIMD型マルチコアプロセッサ(CSX600)を2個搭載した,ClearSpeed Advance(TM) アクセラレータボードを用いて開発を行う.CSX600は1チップあたり96個のプロセッシングコアを内蔵しており,その高い並列性を利用することによって高速化を実現することができる.
具体的なアプリケーションの対象には計算機合成ホログラムを選定した.ホログラムの数値計算は,究極の三次元映像技術ともいわれている電子ホログラフィ技術の重要な一角を担っているが,計算負荷が非常に高く,通常のCPUによる計算では結果を得るのに時間がかかることで知られており,電子ホログラフィの分野ではこの計算の高速化が課題となっている.
ただし,ホログラムの計算では,各画素ごとにデータ依存性のない独立した計算を行うため,マルチコアプロセッサで分担して計算を行うのに適している.
本研究では,ClearSpeed Advance(TM) アクセラレータボードを用いたシステムで,SIMD型の構造を持った計算機合成ホログラムを高速に作成するソフトウェア開発を行う.
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