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2007年度第II期未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)  採択概要


 



1.担当PM


  安村 通晃



2.採択者氏名


代表者

田邊 矩之(千葉大学大学院  工学研究科

共同開発者

 なし


3.プロジェクト管理組織


  株式会社 オープンテクノロジーズ



4.採択金額


  2,500,000



5.テーマ名


  マルチコアプロセッサを利用したSIMD型数値計算の高速化システム



6.テーマ概要 (応募時資料を一部分改訂)

 近年,より高い処理能力を獲得するためにプロセッサのマルチコア化が進んでいる.一般的なシングルコアプロセッサには,プロセッシングコアが1個内蔵されているのに対し,マルチコアプロセッサには複数個のプロセッシングコアが内蔵されてる.各プロセッシングコアは互いに独立して動作するため,処理を完全に分担することができ,処理全体の効率化,高速化につながる.
  今回はSIMD型マルチコアプロセッサ(CSX600)を2個搭載した,ClearSpeed Advance(TM) アクセラレータボードを用いて開発を行う.CSX600は1チップあたり96個のプロセッシングコアを内蔵しており,その高い並列性を利用することによって高速化を実現することができる.
  具体的なアプリケーションの対象には計算機合成ホログラムを選定した.ホログラムの数値計算は,究極の三次元映像技術ともいわれている電子ホログラフィ技術の重要な一角を担っているが,計算負荷が非常に高く,通常のCPUによる計算では結果を得るのに時間がかかることで知られており,電子ホログラフィの分野ではこの計算の高速化が課題となっている.
  ただし,ホログラムの計算では,各画素ごとにデータ依存性のない独立した計算を行うため,マルチコアプロセッサで分担して計算を行うのに適している.
  本研究では,ClearSpeed Advance(TM) アクセラレータボードを用いたシステムで,SIMD型の構造を持った計算機合成ホログラムを高速に作成するソフトウェア開発を行う.



7.採択理由(担当PMからのコメント)

 3次元画像を特殊な装置で再現しようとする試みも多いが、特殊な装置を使わないものとしてのホログラフィの役割は大きい。ホログラフィには、よりリアルで大きなサイズのものが期待されるが、そのための立体映像データ作成が必要である。これに対して今回の提案は、 CSX600と呼ぶSIMD型の付加プロセッサ(ピーク性能が50GFlops)を用いて高速化するためのソフトウェアを開発しようとするものである。適用対象がやや狭いとか、特殊なプロセッサを必要とするという制約はあるものの、ホログラフィのような3次元映像が日常的に扱えるようになるためのステップとして、本研究開発は意義がある。既に予備的な開発には着手しており、現在約18倍程度の性能向上比を得ている。
  ここで用いるCSX600のプロセッサの規模を拡大したものとして、東工大が保有するTSUBAMEと言う名のスーパーコンピュータがある。これは 85TFlopsのピーク性能があり、今回の開発がうまくいけば、この東工大のスーパーコンでの大規模計算への道が一挙に開かれる。楽しみである。




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