通信処理を抽象化し、分散ソフトウエアの開発を容易にすることを目的とした高
級プログラミング言語Espace(エスパース)の開発計画を提案します。
Espace の特徴は通信処理に関わる処理を言語文法に組み込み、抽象化するため
に、分散プロセスや分散オブジェクトからなる分散環境をあたかも一つの計算機
であるかのように見なしてコーディングできる言語文法、および仕様を規定して
いる点です。一連の抽象化により分散実行環境のアップデートが行われた場合も
ソースコードが変更不要であるなど、保守性が高くなります。
また文法は可能な限りコンパクトになるように、そしてJava の言語文法ともな
じむような設計をしています。文法をコンパクトにすることで、処理に対する細
かな指示ができなくなるという弊害がありますが、 Espace ではタスク実行中の
リモート計算機の停止に備えるエントリ再発行のしくみなど、ユーザが可能な限
り調整・設定をしなくてすむように配慮しています。このような特徴から、Java
のプログラマであればEspace の導入は容易であり、ソフトウエア開発、運用の
大幅な省力化が見込めます。また、分散実行環境の構築が非常に容易で、労力を
軽減できるばかりでなく、機動的な運用が可能であるため、開発するアプリケー
ションの幅が広がります。Espace を用いることで、様々な機種の計算機の利点
を統合することができます。Java が実行できるデバイスは着実に増えており、
PC や携帯電話はもちろん、セットトップボックスやカーナビゲーションシステ
ムでも利用されています。これらで直接ユーザ・コードが利用できるとは限りま
せんが、今後利用できるようになる可能性は十分にあり、そのような機器を
Espace の分散環境に取り込むことが出来れば多彩なアプリケーションの開発が
容易にできるようになります。
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