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2007年度第II期未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)  採択概要


 



1.担当PM


  竹内 郁雄



2.採択者氏名


代表者

岩川 建彦(鹿児島大学大学院 理工学研究科

共同開発者

 なし


3.プロジェクト管理組織


  株式会社 オープンテクノロジーズ



4.採択金額


  2,670,000



5.テーマ名


  分散アプリケーションのためのプログラミング言語開発



6.テーマ概要 (応募時資料を一部分改訂)

通信処理を抽象化し、分散ソフトウエアの開発を容易にすることを目的とした高 級プログラミング言語Espace(エスパース)の開発計画を提案します。
Espace の特徴は通信処理に関わる処理を言語文法に組み込み、抽象化するため に、分散プロセスや分散オブジェクトからなる分散環境をあたかも一つの計算機 であるかのように見なしてコーディングできる言語文法、および仕様を規定して いる点です。一連の抽象化により分散実行環境のアップデートが行われた場合も ソースコードが変更不要であるなど、保守性が高くなります。 また文法は可能な限りコンパクトになるように、そしてJava の言語文法ともな じむような設計をしています。文法をコンパクトにすることで、処理に対する細 かな指示ができなくなるという弊害がありますが、 Espace ではタスク実行中の リモート計算機の停止に備えるエントリ再発行のしくみなど、ユーザが可能な限 り調整・設定をしなくてすむように配慮しています。このような特徴から、Java のプログラマであればEspace の導入は容易であり、ソフトウエア開発、運用の 大幅な省力化が見込めます。また、分散実行環境の構築が非常に容易で、労力を 軽減できるばかりでなく、機動的な運用が可能であるため、開発するアプリケー ションの幅が広がります。Espace を用いることで、様々な機種の計算機の利点 を統合することができます。Java が実行できるデバイスは着実に増えており、 PC や携帯電話はもちろん、セットトップボックスやカーナビゲーションシステ ムでも利用されています。これらで直接ユーザ・コードが利用できるとは限りま せんが、今後利用できるようになる可能性は十分にあり、そのような機器を Espace の分散環境に取り込むことが出来れば多彩なアプリケーションの開発が 容易にできるようになります。




7.採択理由(担当PMからのコメント)

 分散計算で有名なLindaモデルに基づいて設計された分散環境プログラミング言語Espaceの設計と実装の提案である.ここで提案されているEspaceはJavaと見掛けはそっくりで,実際,JavaへコンパイルされるJavaの拡張言語である.これは一人で実装するのに無理のない方法であり,ユーザにも信頼感と安心感を与えるだろう.見たところ,分散計算における同期のややこしいところなどが,うまく隠蔽された構文が設計されているので,一般ユーザへの敷居も低そうだ.実はすでに実装がかなり進んでおり,提案されているのはEspaceを世に打って出すための最後の仕上げである.だから,実現性が高い.とはいえ,残っている課題がいろいろあり,分散計算の粒度の自動調整など,挑戦度の高いものもある.
  Lindaモデルなので,容易にヘテロな分散計算環境が実現できる.だから,なんと,携帯電話のようなものでも容易に分散計算ユニットとして参加できる (実際はイニシエータだろうが).本提案ではそれの実装も楽しみである.分散計算を始めるためのユーザインタフェースもシステムの敷居を低くするものになっている.岩川君のそもそもの開発の動機が,所属研究室内の別の研究の必要に迫られてというのもよい.必要は発明の母である.
  このプログラミング言語が普及することを期待したい.




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