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2007年度第I期未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)  採択概要


 



1.担当PM


  竹内 郁雄



2.採択者氏名


代表者

西川 賀樹(東京大学大学院 情報理工学系研究科 博士課程

共同開発者

 なし


3.プロジェクト管理組織


  株式会社 オープンテクノロジーズ



4.採択金額


  2,420,000



5.テーマ名


  分散システムの開発を支援するテストベッド



6.テーマ概要 (応募時資料を一部分改訂)

 近年P2Pシステムに代表される分散システムが数多く開発されてきている。分散システムは常に数多くのマシンが通信を行うので開発は容易ではなく、動作検証の為のテストが頻繁に必要になる。しかし、テスト環境の構築には数多くのマシンが必要となり、特に個人で開発を行っているような場合はそれらの実機を用意することは難しい。
  そこで当提案では1台または数台の計算機上で数百から数千の仮想実行環境を生成することで、分散システムのテストを可能とするミドルウェアの開発を行うものである。またこのミドルウェアはGUI、デバッグ支援機構、チェックポイント・リスタート機能等により分散システムのテスト・開発を支援する。
具体的な開発項目は以下である。
1.仮想化の設計
  分散システムが必要とする資源を定める。
2.仮想化の実装
  1によって定めた各資源に対して仮想化を行う。
3.ネットワークエミュレーション機能の実装
  ネットワークトポロジと各ノードの役割(動作するアプリケーション、NAT、ファイアーウォール、プロキシ、ルータ等)
やリンク間の遅延、ノードの動的制御の再現
3.GUIの実装
  仮想環境上のネットワーク状態や通信状況、アプリケーションの状態、分散システムの
パラメータ設定に有効な情報等を視覚的に提示するGUIを実装する。
4.デバッグ支援機構の実装
  仮想環境上の各ノードのデバッグを効率的に行う機構の実装を行う。
5.チェックポイント・リスタート機能の実装
  定期的もしくはユーザからの入力によりチェックポイントを作成し、その時点からのリスタートを可能にする。
それによりテスト中に起こる問題等を再現する。
6.ユーザインターフェースの実装
  全ての機能をわかりやすく使用できるユーザインタフェースの設計と実装




7.採択理由(担当PMからのコメント)

 分散システムの開発をしたいプログラマは予想外に多そうだ.そういう彼/彼女らが,たとえばP2Pのアプリを開発したいと思ったとき,本物のネットワークの中でプログラムの動作を確かめるのは困難である.西川君の提案は,1台〜数台のPCを使って,その気になれば誰でも気軽に (OSをいじったりしないで) 数百〜数千台の大規模な分散システムの挙動を調べることのできるテストベッドを開発することである.
  一見大それた提案のようだが,修士課程のうちにシングルプロセッサでのプロトタイプが高い完成度でできあがっている.現状では100台の仮想マシンが動いているが,200〜300台/プロセッサの分散テストベッドにするという.もちろん,開発支援環境としての使い勝手も上げる.現状のシングルプロセッサのデモで,P2Pネットワークの動的変化が直観的に表示されていた.
  ともかく,これができあがれば,分散アプリケーションを個人や小人数グループで開発しようとしているプログラマには手軽さが朗報となる.一般ユーザにはほとんど関係ない,いたって硬派の提案であるが,このようなシステムが日本の若者から出てくることが重要である.西川君の修士の研究の延長であるが,研究としてというより,実用に供するために博士1年のうちに片付けるという意気込みがよい.




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