| 近年の放送通信融合環境への注目の高まりにより,STB (SetTopBox) や携帯電話といった,インターネットに接続しながら放送電波を受信できる機器が普及している.しかし,ユーザが視聴できる映像データは従来の電波放送で配信されているデータのみであり,ユーザが見たい映像を見たいときに視聴することはできなかった.このようなオンデマンド型の視聴形態は,近年のインターネット放送の普及により一般化しており,ネットワーク接続型の映像再生装置(上記のSTBや携帯電話)においても見たい映像を見たいときに視聴できる視聴形態が求められている.このため,インターネットで映像データを取得することが考えられるが,ダウンロード型やストリーム型はサーバの負荷が大きい.そこで,近年普及しており,ピアに負荷を分散できるP2Pネットワークに着目する.これまで放送型配信とP2Pを同時利用してる放送システムはなく,まさに「未来の放送局」としてのあるべき姿を提示できると確信している.放送型配信で映像データを配信し,その映像に関するデータや放送帯域が安定しない場合にはP2Pを用いることで,安定した放送局を実現できる.
具体的な計画を,以下に示す.
1)P2P技術を利用した放送型配信システムの設計
これまで代表者たちは,放送型配信システムを実際に設計・実装し,学会やシンポジウムで発表してきた実績がある.この経験を生かして,P2P技術を導入した放送型配信システムの設計を行う.
2)P2Pネットワークシステムの実装
放送型配信システムについては,前述の実装を利用する.また,無線LANによる局所的な放送型配信を行う提案システムを用いたウェブサービスをたちあげる.ここでは,P2P技術を利用したネットワークシステムの実装を行う.具体的には,セキュリティの問題を考慮して,非匿名性のネットワークを構築できるBitTorrentの仕組みを利用する.
3)動作確認
実際にP2Pネットワークを構築して放送型配信を行うことで,動作を検証し,実環境における有用性を確認する.
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