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建築デザインの現場において、無数のスケッチや模型制作と同じように、自らコンピュータプログラムを駆使しながら設計にフィードバックを得る事は、ますます複雑化するこれからの建築設計プロセスの中で、より重要になると思われます。しかし構造設計においては普及しつつあるインテリジェントなCADも、建築デザインの現場ではまだまだ実際に使用されている例は少ないように思います。
そこで建築設計の現場で実際に使用できるような汎用的でインテリジェントなソフトウェアを提案します。
巨視的な視点で建築全体の形態を生成するようなソフトウェアは存在しますが、ここでは場と場の微視的な関係性を積み重ねる事でその総体として自律的に形が生成されるようなソフトウェアを提案しています。
例えば、従来の設計ではキッチンや寝室、リビングといったように、機能的視点の空間単位で設計されがちです。しかしいくらリビング単体のデザインがよくても周囲の猥雑な風景が視界に入ればその空間性は台無しですし、逆に空や樹木といった周辺の自然環境を借景として取り込む事でリビングという空間単体が持つ紋切り方の機能性とはまた違った性質が現れてきます。
つまりこのソフトウェアでは、場の表層的な形にとらわれずに、場と場のトポロジカルな関係性の構築に焦点を合わせることで、あらゆる建築設計の基礎的な視点を提供します。また、このソフトウェアを使用することによって、局所的にはとても単純な関係性が、10、100、1000と徐々にその数を増やすに従って、そうした局所的な関係性に直接依存しない大局的な性質が少しずつ現れてきて、やがては多様で複雑な時空間を生成できればいいと思います。
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