| 採択したのは,つぎの10 件である。
プロジェクト1 スプラインスキャン法による曲線認識とその応用(代表開発者:宇野雄介,共同開発者:吉田憲吾)
画像認識の出発点ともなる「線」の認識に使われているHough 変換を超えるものを作り出そうというプロジェクト。このプロジェクトの先には,今現在のコンピューアへの入力を超える,「紙」入力を夢見ている。その夢への第一歩を踏み出してくれることを期待しての採択であった。
プロジェクト2 FileUtils - URI: ローカルファイルにWeb コンテキストを付加するためのライブラリの開発(代表開発者:越智悠太)
計算機ファイルにそうした「Web コンテキスト」を付加することができる環境を用意しようという提案。環境は,ライブラリの形で提供する。キラーアプリケーションになってくれる可能性も秘めているものの,現時点で構想している実現方法では,ファイルをコピーしたり移動したり改名したりするとURI 付加情報が失われてしまう。 この欠陥を補う工夫を期待しての採択であった。
プロジェクト3 思いついた全てのアイディアを集積・管理・公開するWiki 型CMS『Ubiki』の開発(代表開発者:栗川洋平)
つぎつぎに思いついたアイディアを意識することなく集積し管理し公開することのできるWiki 型CMS を作ろうという提案。アイディアも計画もまだまだ荒削りなものであるが,提案者の馬力に期待しての採択であった。
プロジェクト4 統合ディスクレスネットワーク基盤システム(代表開発者:古橋貞之)
開発者は,筑波大学AC 入学の学生の一人。高速ネットワークの整備された環境を活かして,1台の計算機のディスク装置においたOS を,つぎつぎにネットワーク上の計算機にネットワークブーティングしていって,瞬時にディスクレスネットワークを組織する,という提案。すでに,その構想に基づいた試作品はできあがっていて,その改良・刷新を行おうというもの。。プロジェクト終了時に,高いレベルで洗練したシステムが仕上っていているだけでなく,自らの腕を上げていることを期待しての採択であった。
プロジェクト5 Spark project(代表開発者:新藤愛大)
新藤君は,高校3年生。それでもすでに, Flash と,それに搭載されている ActionScriptについては専門家はだしである。提案は,ゲームフレームワーク土台部分を作ろうというもの。一大飛躍してくれることを期待しての採択であった。
プロジェクト6 CPU とGPU を用いる高速数値計算ライブラリ(代表開発者:大島 聡史)
高性能な GPU と CPU とをうまく組み合わせることで,演算性能を引き上げることのできる数値計算ライブラリを開発して提供しよう提案。すでに修士論文として仕上げてあるアイディアを基にライブラリを仕上げ,m CPU + n GPU 環境でその並列計算を行う機能までも組み込んだライブラリを提供する計画である。ライブラリを活かしたキラーアプリケーションを見いだして提供してくれることを期待しての採択であった。
プロジェクト7 ブックマーク連携型検索エンジン「netPlant」の開発(代表開発者:大澤昇平)
キーワード相互の関係や,キーワードとページの関連を,多くの人の履歴から自動的に抽出・蓄積し,関連ネットワークとして保持・活用しようという提案。この種のシステムが,そのアイディアや性能以上に,どれだけの初期ユーザを得てどれだけのデータを蓄積できるかでその勝敗が決まることも心得た計画になっている点も,なかなかのものである。このプロジェクト期間に大きく伸びてくれることを期待しての採択であった。
プロジェクト8 身体イメージを利用した装着型擬人化ディスプレイロボットの開発(代表開発者:大澤博隆)
「人であること (being human) の本質」を探りたいというのが当面の研究課題という大学院生。ディスプレイロボットの開発と,ディスプレイロボット用のAPI の開発,そしてそれらを踏まえたアプリケーションの開発を目指す提案。最終成果が今後に活かせる形に仕上げられることを期待しての採択であった。
プロジェクト9 「旅する漢字 “漢字んカナメ” 漢字学習支援システム」(代表開発者:猪子徹,共同開発者:木村将希)
子供や外国人が漢字を勉強する際に,楽しく学べる場をつくるという提案。それぞれの漢字の成り立ちに基づいて「お話」を作り出しアニメーションとして画面表示するこ
とも行う。二人の共同作業で個々人の能力の和以上のものが生まれることを期待しての
採択であった。
プロジェクト10 アニメ表現におけるアーティスティックな陰影コントロール法(代表
開発者:藤堂英樹)
トゥーンレンダリングの陰影をセルアニメのように制御する仕組みを提供するとい
う提案。すでに特定のクリエータとは意見交換を行いながらアイディアのブラシアップを行ってきている。何より,本人がアニメ描画に深い興味をもっているのできちんとし
た成果が出るに違いない。ただし,成果を享受して くれるユーザが著しく限定されて
いるのが難点といえば難点である。より多くのユーザが得られる展開も見い出す努力も期待しての採択であった。 |