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2006年度下期未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)  採択概要


 



1.担当PM


  安村 通晃



2.採択者氏名


代表者

新妻 雅弘(慶應義塾大学理工学部

共同開発者

松原 正樹(慶應義塾大学大学院 理工学研究科



3.プロジェクト管理組織


 リトルスタジオインク株式会社



4.採択金額


  3,000,000



5.テーマ名


 通奏低音自動リアライズによる古楽演奏者の独習支援システムの構築



6.テーマ概要 (応募時資料を一部分改訂)

本プロジェクトが提案するシステムの目的は大きく2つにわけられる。

◆通奏低音の自動リアライズ
  今日、数ある西洋音楽の中でもとりわけバロック音楽に対する興味と理解が高まっており、それが世界的な潮流となっている。その要因としては、チェンバリスト兼音楽学者のグスタフ・レオンハルトの出現によるところが大きい。国内おいても2000年度に東京芸術大学音楽学部において古楽科が設置されたのも記憶に新しい。このようなことから、世界中においてバロック音楽をレパートリーとするアンサンブル等が増えている。古楽においてのアンサンブルはソロ同様の重要性を秘めており、その基礎となっているのが通奏低音である。通奏低音は単なる音楽理論でなく、バロック期のすべての分野の演奏技術の基礎を成す重要な要素となっている。
  しかし、通奏低音を演奏できる者が器楽の専門家の中でも非常に少ないことが、バロック音楽の普及の妨げになっている。そこで、本プロジェクトが提案するシステムにより通奏低音の自動演奏を実現させることで、この問題を解決することを目的とする。

◆自動伴奏
  一方、近年国内において、大人になってから新たに楽器を始めるというケースが増えてきている。その多くは、独りで練習することが多く、一人で楽器を楽しく練習するためのシステムの需要が高まっている。特にバロック音楽においては、通奏低音を演奏できる者が非常に少ないため、伴奏者なしで練習しているのが現状である。
  そこで、本プロジェクトが提案するシステムにより数字付き低音のみの楽譜からその伴奏例をMIDIファイルとして生成してくれるため、旋律楽器の演奏者は、その伴奏音楽を耳で理解することができる。さらに、本プロジェクトが提案する自動伴奏システムによって、演奏者の演奏テンポにあわせてMIDIファイルを再生することで、伴奏者がいない場合でも伴奏をつけて練習することがき、楽器の独習を遥かに円滑にすることを目的とする。通奏低音を演奏できるものが非常に少ない現状では、声楽や器楽専門とするプロにおいても、前述のアマチュア独習者においても広く有用性が高いといえる。



7.採択理由(担当PMからのコメント)

バロック音楽の低音部を記述する数字のみから即興的な和音、すなわち、通奏低音を自動的に作り出す試みは独創的で面白い。新妻君と共同開発者の松原正樹君も共に、音楽の素養があり、また、プログラミングもできるので、両刀使いであるが、実際に作成した和音が適正なものか、専門家の判断を仰ぐ必要がある。プロトタイプとして、少しづつシステムを作りながら、でき上がったものを評価していく、と言ったスパイラルな開発方式が望ましい。
本方式の応用として、リコーダー教育への導入や、ジャズの自動伴奏などが挙げられているが、実際にそういった試みへとつなげられれば、夢はさらに広がってくるものとなり、そのためにも、基本部分はしっかりと作って欲しい。音楽情報関係の学会での発表も期待したい。





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