| 目上の人に対して、積極的に意見することを躊躇してしまう人は少なくない。また、不特定多数の人間が匿名で参加する掲示板などの環境では、積極的な意見が多く見られる反面、無責任な発言が横行している。特に日本人はそういった傾向が強い。
本プロジェクトの目的は、そのように引っ込み思案になりがちな人・環境から、コミュニケーションに積極的に参加するための「あと一歩の勇気」を引き出すことである。
本プロジェクトがそのために用いるのは、傘連判状(からかされんばんじょう)のメタファである。傘連判状とは、江戸時代の農民一揆の際、加盟者全員が平等であることを示すため、円形に名前を記したものである。当時、傘連判状は一揆の責任を一人の首謀者に負わせることを回避することを主な目的として作られたが、本プロジェクトではその考え方をより前向きに捉え、現代において復活させる。
傘連判状メタファは、単に発言者を特定できないようにするものではない。一揆の象徴としての傘連判状を常に見ながらコミュニケーションすることは、それ自体参加者の勇気を鼓舞する効果があるだろう。
本プロジェクトは当面、上記の傘連判状メタファを備えたチャットシステムを作成することを計画しているが、それに留まるものではない。本プロジェクトを通じて、非同期に会話が行われる掲示板、映像を利用するテレビ会議システムなどにも応用されうる成果が得られるものと提案者は考えている。
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