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2006年度下期未踏ソフトウェア創造事業  天才プログラマー/スー パークリエータ


 




[ 「天才プログラマー/スーパークリエータ」の認定者 ]
[ 「天才プログラマー/スーパークリエータ」の認定基準 ]






 
 

 
「天才プログラマー/スーパークリエータ」の 認定者
 

 


 2006年度下期未踏ソフトウェア創造事業では、下記8名の開発者(敬称略)が優れた開発成果を残し、担当プロジェクト・ マネージャー
(PM)から高い評価を得て、IPAが「天才プログラマー/スーパークリエータ」と認定いたしました。
 これら8名の「天才プログラマー/スーパークリエータ」には、2007年10月30日に開催する「IPAフォーラム2007」の会場にて認定証の授与式を行います。

 (注)開発者の所属は認定時点の所属です。


(1) 安藤 英俊 (山梨大学大学院 医学工学総合研究部 准教授) 

 
テーマ名
 

 
 GPU上でのCIP法に基づく数値シミュレーション環境の開発

 
高田 浩和PM
の評価
コメント

 

 
  本プロジェクトでは、GPUをベクトル型並列演算装置として使用し、高性能な数値シミュレーション環境を実現した。応用範囲も広く、有用な技術であり、また学術的にも意義のある研究テーマであることから、今回の未踏プロジェクトで採択を行ったものである。地球シミュレータでも利用されている最新数値シミュレーション手法である CIP法をGPU上に実装し適用することで、市販のPCを用いて数値シミュレーションを高速・高精度・安定的に解くことを可能にするなど、開発された成果は非常に有用なものとなった。ここで、GPUとCIP法という最適とも言える組み合わせを見い出したのは安藤氏である。
 本プロジェクトでは、GPUを用いた数値シミュレーション結果の高度な3次元可視化技術についても開発を行っており、数値シミュレーション結果をただちに表示できる点で GPUのメリットを最大限に利用したものとなっている。なかでも注目すべきは、数値シミュレーション結果を2D/3Dでリアルタイムに表示することの可能な可視化プログラムである。安藤氏の開発したこの可視化プログラムだけを見ても、非常に有用性の高いものとなっており、今回、開発されたプログラムについては、その完成度の高さに全く驚かされた。まさにスーパークリエータにふさわしい出来となっている。
 近年のGPUの性能向上のスピードは、マイクロプロセッサのそれを凌駕するものであるが、今回開発された技術が普及すれば、容易に入手可能なハードウェアを用いた高性能数値シミュレーションを誰もが利用できる環境が実現する。ゲームやCG製作のみならず、その他の分野においても数値シミュレーションの活用と普及が一気に加速される可能性があり、今回開発された成果のインパクトは極めて大きい。

 以上の理由から、安藤氏をスーパークリエータとして認定すべきと考える。

 
開発成果評価書
 

 
 PMによる開発成果の評価


 

(2) 鳥山 孝司 (山梨大学大学院 医学工学総合研究部 助教)


テーマ名


 GPU上でのCIP法に基づく数値シミュレーション環境の開発


高田 浩和PM
の評価
コメント



  本プロジェクトでは、GPUをベクトル型並列演算装置として使用し、高性能な数値シミュレーション環境を実現した。応用範囲も広く、有用な技術であり、また学術的にも意義のある研究テーマであることから、今回の未踏プロジェクトで採択を行ったものである。地球シミュレータでも利用されている最新数値シミュレーション手法である CIP法をGPU上に実装し適用することで、市販のPCを用いて数値シミュレーションを高速・高精度・安定的に解くことを可能にするなど、開発された成果は非常に有用なものとなった。
 近年のGPUの性能向上のスピードは、マイクロプロセッサのそれを凌駕するものであるが、今回開発された技術が普及すれば、容易に入手可能なハードウェアを用いた高性能数値シミュレーションを誰もが利用できる環境が実現する。ゲームやCG製作のみならず、その他の分野においても数値シミュレーションの活用と普及が一気に加速される可能性があり、今回開発された成果のインパクトは極めて大きい。
 本プロジェクトでは、鳥山氏が、中核をなす数値計算プログラムのコーディングを担当した。メモリアクセスに非常に制約があることから、GPUをベクトル型計算機として使用するのは決して容易ではない。数値計算に関する深い見識と経験を駆使することにより、ハードウェアの性能を完全に引き出すことに成功したのは全く素晴らしい。ハードウェアが新しく、デバイスドライバやツールなどの開発環境も決して枯れているとは言えない中、困難を克服しながら開発を進めた点も高く評価できる。

 以上の理由から、鳥山氏をスーパクリエータとして認定すべきと考える。


開発成果評価書


 PMによる開発成果の評価

 


(3) 海外 浩平 (日本電気株式会社 OSSプラットフォーム開発本部)


テーマ名


 SELinuxによるPostgreSQLのアクセス制御強化


千葉 滋PM
の評価
コメント



 開発成果のソフトウェアの質はもちろんのこと、普及に向けたドキュメンテーションの整備や国際的な広報活動など、「世界をめざす」プロジェクトにふさわしい成果であった。 開発者は単に開発能力が高いだけでなく、開発したソフトウェアの普及のために、国際的なオープンソースコミュニティを巻き込んでの活動ができるなど、スーパークリエータとして認定できる。


開発成果評価書


 PMによる開発成果の評価

 


(4) 蓑輪 太郎 (Mona OSプロジェクト


テーマ名


 Mona OSにおける次世代Schemeシェルの開発


並木 美太郎PM
の評価
コメント



 日本国内では、独自のOS開発のプロジェクトは学術分野でも多くない上に、草の根的にOSを開発しているプロジェクトは少ない。Mona OSは2ちゃんねるから生まれた独自OSであるが、このMona OSをより普及させる手段として、Scheme シェルを搭載し、Mona OSをより洗練されたものにする提案である。草の根OSのOS開発プロジェクトとして、未踏性があることから採択したプロジェクトである。
 Mona OSそのものが独自開発カーネル、そして本Schemeシェルの処理系もC++を用いた独自開発となっており、会社で勤務しながらこれだけのソフトウェアを開発したコーディング能力は極めて高い。また、独自OS上に、UNIXのシェルを移植するのではなく、Schemeをシェルとする着想は未踏性も高い。いくつかのコマンドとOSリソースで有効性を示している。
 以上の理由から箕輪氏を天才プログラマとして認定する。今後もLinuxやWindowsを越える志で本シェルとMona OSを育ててほしい。


開発成果評価書


 PMによる開発成果の評価

 


(5) 吉井 英樹 (ソフトバンクテレコム株式会社 研究所 主任研究員)


テーマ名


 統計データを通して、地域を知り、日本を知り、世界を知る


大川 恵子PM
の評価
コメント



 本プロジェクトは、世界中に分散する大量の統計データに容易且つ楽しくアクセスでき、活用していける仕組みを構築することにより、ユーザの知的好奇心を刺激し、社会に目を向ける端緒を開くことを目的としたものである。
 学習のプロセスへの貢献として統計データを使った学びの楽しさを上手く実現すること、及び統計データの活用範囲の広がりを期待できたことが、採択の理由であった。
 開発内容としては、Web上での統計データ利活用を促進するため、統計データをMashupリソースとして様々なサイトが利用可能なWebサービスAPIとして公開し、さらに外部のアプリケーションが統計データを利用するための様々な機能(ランキング・グループ化・グラフイメージ・地図・検索)を提供した。
 公開中のサイトは実際の教育現場でも十分活用可能なクオリティであり、その完成度及び実用性が評価できる。
 また、当初の目的であるあらゆる年代に「わくわく」感を感じさせるような、学びのプロセスへの貢献を大きく予感させるソフトウェアとなったことから、吉井氏を天才プログラマとして認定する。
 今後日本地図版から世界地図版へのバージョンアップなど、益々の発展を期待する。


開発成果評価書


 PMによる開発成果の評価

 


(6) 織田 英人 (東京農工大学工学府電子情報工学専攻博士 後期課程3年)


テーマ名


 スタイルフリーな統合日本語筆記環境の構築


河野 恭之PM
の評価
コメント



  提案時のアプリケーションが多種にわたっていたため,逆に完成度の高いアプリケーションの構築に目標を絞るようにした.ところが,本人は想定していた以上に開発力が高いだけではなくアイディアが豊富で,提案アプリケーションを結局すべて作っただけではなく,この技術を使って,大学生協への質問と回答のやりとりで有名な「生協の白石さん」の支援システムを作って実践してしまった.このようにアイディアと開発力だけではなく他の人も「巻き込む」実行力も兼ね備えており,スーパークリエータと認定する.


開発成果評価書


 PMによる開発成果の評価

 


(7) 杉山 竜太郎 ((株)LoiLo 取締役)


テーマ名


 一億総放送局化を実現するノンレンダリング映像ソフト“回向”開発


美馬 義亮PM
の評価
コメント



 映像処理をリアルタイムに処理することが可能な高速なエフェクタのライブラリを用いて、映像処理操作ためのユーザインタフェースをそのコンセプトを含めて開発した。
 一般家庭での利用から映像編集のプロフェッショナルまでを想定し、ズーミングや並列映像表示などの機能を取り入れることにより、上記ライブラリの自然な形で生かしてモードレスの、「さわった瞬間から使える」新しいユーザインタフェースコンセプトをデザインした。さらに、未踏プロジェクト期間中に、ほぼ事業化したといえる段階までプロジェクトを進展させた点が、スーパークリエータとして評価できる。


開発成果評価書


 PMによる開発成果の評価


(8) 中城 哲也 ((株)サイバーノイズ 代表取締役)


テーマ名


 表現手法「3D+」および「キャラクタ作成システム」の開発


美馬 義亮PM
の評価
コメント



 2次元アニメーションを効率化するための新たな枠組みを提案し、それを3つのアプリケーションプログラムとして完成させた。この開発過程においては、新たな描画プリミティブのアイデアを出し、それが機能的に有効と考えられるまで改良を加えるという、ニーズの実現への建設的なこだわりは、並のプログラマーを大きく凌駕している。
 また、既存のライブラリである程度提供されている機能でも、システム構築のために足りない部分があるとスクラッチから作り出したり、ある程度の機能のあるアプリケーションも平気で作ってしまったり、という馬力も併せ持っている人である。すでに、成果物に対してはいくつかの商談の引き合いがあり、事業化がなされつつある。まさに、天才プログラマー・スーパークリエータにふさわしい。


開発成果評価書


 PMによる開発成果の評価



 


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「天才プログラマー/スーパークリエータ」の 基本認定基準
 

 


 「天才プログラマー/スーパークリエータ」については、IPAで「新規性(未踏性)」、「開発能力」、「将来の可能性」から基本認定基準を下記のように 定義し、これを基本に各プロジェクトマネジャーに具体的な認定基準を独自の観点から設定して評価いただいています。


    未踏ソフトウェア創造事業に係る「天才プログラマー/スーパークリエータ」の定義について
基準項目 基本認定基準(注) スーパークリエータが生 み出す世界
新規性(未踏性) アイディア、発想力、独創力 学会で発表され学問的な認知が ある。 国際学会発表回数
論文・学会誌掲載回数
開 発 能 力 創造力、企画・設計能力が高 く、
プログラムコーディングが早い。

ソフトウェアのデザイン能力が高い。
設計したデザインを短期間にプログラム

する能力を持つ。

開発ソフトの処理・レスポンス 速度が高い
将来の可能性 末恐ろしさを秘めている。 開発ソフトの有用性が高い。
市場ニーズが高い(使える)ソフトである。
事業化、商品化件数、
オープンソフト(ダウンロード数)

  (注)スーパークリエータの認定は、少なくとも基本認 定基準のいずれか1つ該当している場合とする。


 
 

 
各PMの「天才プログラマー/スーパークリ エータ」認定の評価基準
 

 


 各プロジェクト・マネージャー(PM)における「天才プログラマー/スーパークリエータ」認定の「評価基準」を以下に公開します。

 


1.北野 宏明PMの評価基準


 オリジナルかつ大きな視野での重要事項を独自に開拓でき、その着想を実行できる人間。

 


2.黒川 利明PMの評価基準


  「天才プログラマー/スーパークリエータ」の評価においては、一般の製品/サービスの評価におけると同様に、「驚き」をもたらせることを第一の評価としたい。それは、期待以上の成果であったり、予期しなかった方法による実現であったり、あるいは、他のそれこそ思いがけない側面かもしれない。第二には、期待効果が大きいこと。時間的な制約から、実際の効果測定にまではいたらず、予測部分が多くなることはやむをえないだろう。

 


3.高田 浩和PMの評価基準


 以下の基準に基づいて評価を行った。

  ・実行力:プロジェクトを成し遂げようとする強い意志と情熱を持ち、周囲を巻き込みながらプロジェクトを継続し、遂行していくことができたかどうか

  ・スキル:アイデアを実装し具体的な形にすることのできる、並外れたプログラミング能力と極めて高いスキルを有するかどうか

  ・情報発信能力:開発の過程や成果をわかりやすく他者に示し、アピールすることができたかどうか。賛同者を得るべく、普及にむけての努力を行っているかどうか

  ・成果:期間内に当初の目標を達成し、期待した成果がえられたかどうか

これらの一部またはすべてを高いレベルで満足すると思われるプロジェクトの開発者を「天才プログラマー/スーパークリエータ」として認定する。
 


4.千葉 滋PMの評価基準

 実 用性のあるソフトウェアを開発したことや、開発したソフトウェアの品質が優れていることは当然として、さらにプロジェクトマネージャである千葉が過去に認 定した者との相対評価で以下の基準のいずれかを満たした開発者を天才プログラマー/スーパークリエータに相当すると推薦する。

- 開発したソフトウェアが、新しいソフトウェアのジャンルを切り開く可能性を秘めている。
- 開発したソフトウェアを普及させるために、優れた企画を適切に立案し、周囲をまきこんで実行にうつせる。
- 開発したソフトウェアの機能あるいは品質、性能が従来のものより圧倒的に優れており、少なくない人々のコンピュータの利用の仕方を変える可能性がある。

 


5.並木 美太郎PMの評価基準


 次の項目のいずれかまたは複数満たす開発者を天才プログラマー/スーパークリエータとして認定する。
(1) 未踏性の高いソフトウェアを開発した
(2) 実用性の高いソフトウェアを開発した
(3) 圧倒的なプログラミング能力を有している
(4) 高い研究能力を有している
(5) プロジェクトの成果により受賞した
(6) 開発にかける情熱が極めて高かった

 


6.David J.FarberPMの評価基準


 Projects were evaluated using a number of criteria from the start of the applications process (a) their relevance to the call for
proposals and overall merit (b) monthly progress reports submitted during the course of the project (c) discussions held during face to face meetings and presentations held at the start and conclusion of the projects, and materials provided at these meetings and during the project (d) final report.

 


7.ウィリアム 齋藤PMの評価基準


 プ ロジェクトの初期の目標に対する達成率を基準として評価した。提供された文書の水準、プログラムコードの完成度、ユーザインタフェース、プレゼンテーショ ン、変化への対応能力、完成度および有用性を重要視した。さらに、1) 初期設計の問題、抜け穴を発見することができ、2)このような問題に的確に適応し、対応や救済が可能なプロジェクトを大いに評価した。

 


8.大川 恵子PMの評価基準


 ・提案者(提案グループ)の開発力、実行力
 ・ソフトウェアがもたらす学びへの貢献を明確に認識していること
 ・国際的あるいはグローバルな視点


 

 
9.河野 恭之PMの評価基準
 

 
1)目標設定(提案時の目標に対する変更を含む)の独創性と妥当性
2)設定目標に対する開発成果の達成度
3)開発成果の社会的・技術的インパクト
4)開発者が代表者でない場合,上記に対する貢献度

  

 
10.美馬 義亮PMの評価基準
 

 

(1) 初期の目標、またはそれを超えると考えられる成果を完了と認められる程度に 達成したこと。
(2) スーパークリエータとしては、プロジェクトの成果が、今後社会にインパクト を与える十分な可能性を持っていること。
(3) 天才プログラマーはプログラミング能力が他のプログラマーと比較して、十分 勝っていると考えられる。ということを必要条件として認定を行った。

  
 
 

 


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