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2006年度上期 未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 




1.担当PM

   河野 恭之  (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 助教授)




2.採択者氏名

開発代表者

赤塚 大典 (フリーランス)

共同開発者

なし




3.プロジェクト管理組織


   有限会社シーカネット




4.委託金支払額


  3,936,250




5.テーマ名


 偶然が緩いつながりを支えるコミュニケーションメディアの提案




6.関連Webサイト


 なし




7.テーマ概要

私たちの日常生活を顧みると、公私にわたって「人とのつながり」が重要な役割を果たしている。しかし、意図せぬ理由によって「人とのつながり」が疎になってしまう場合があるが、人々は極力その「人とのつながり」を維持したいと思うだろう。
 
本提案は、「人とのつながり」を維持するための緩やかなコミュニケーションを可能にする新しいメディアの提供を目的とするものである。「街で友人とばったり出会った」ような偶発性が「人とのつながり」に与える作用に注目し、緩やかなつながりを維持する仕組みを提供する。




8.採択理由


 基本的なターゲットは知り合い同士が使うことを想定し,既存のSNSの枠組の上に乗っかって本ソフトを使うというスタイルを想定している.つながりを見せて,「緩やかなコミュニケーション」に発展させる仕掛けが必要になる.

 




9.開発目標


「街中で友人とばったり出会う」「知り合いではないけれども顔を知っている人となぜかよく同じ場所に居あわせるのが気になる」といった実世界における弱い「つながり感」をWeb空間で提供することを目的とする.具体的にはWWWを街に置き換え,たまたま同じ時刻に同じURLを閲覧しているユーザ同士がふれあうきっかけを下記の機能により与えることとする.

(1)偶発的なつながり:同じURLを閲覧している「ばったりユーザ」のアイコンをWWWブラウザのステータスバーに一覧表示する.

(2)残り香:少し前まで当該URLを閲覧していたユーザのアイコンを透明度を変えて表示する.

(3)つんつく:ばったりユーザに対して挨拶的な軽いコミュニケーションを実現するもので,相手のアイコンをダブルクリックでつつくと相手側では付いたユーザのアイコンがピョンピョンと跳ねてつつかれたことを伝える.

 




10.進捗概要


当初,オープンソースのSNSを新たに立ち上げてそのユーザ向けにサービスするという提案であったが,新たなSNSを立ち上げてもユーザが増加するかが疑わしく,仮にユーザ数が一定以上になるとしてもそれまでのリードタイムの問題があることから既存のSNS(具体的にはmixi)のユーザIDとアイコン情報を用いるように初期段階で開発方針の変更を行った.

また,特に知り合い同士ではないユーザ間の紐帯を強めることが可能な仕掛け,具体的にはSkype連携機能やバーわくらわを期間後半で追加した.逆に開発期間の後半早々に予定していたIEへの機能移植は,先行しているFirefox版の仕様が固まってからの最終期にシフトさせた.




11.成果


わくらわユーザであるPMがあるURLを閲覧した際のステータスバーの様子を図2.6.1に示す.この図にあるように同時に同じURLを閲覧している他のわくらわユーザのアイコンが濃く表示され,既に他のURLに移動したユーザのアイコンは経過時間,及び移動ステップ数に応じてアイコン表示が薄くなっている.提示されているアイコンはわくらわサーバに登録されている各ユーザのmixi IDで登録されている写真を元に作成されている.

2.6.1 わくらわアイコンの例

上記の基本機能を含めプロジェクト提案時のコアの機能はmixiのユーザID情報をわくらわサーバに登録してもらうことでユーザに提供される.

 




12.プロジェクト評価


上記のようにターゲットのプラットフォームを大きく変更したにもかかわらず提案時の機能はあらかた実装されている.知り合い同士の弱い紐帯を維持するメディアを提供したいのか,知り合いでないユーザ間に新たな紐帯を結びたいのか,その両方なのかがはっきりとしていない状態ではあるが,その状態でも理屈抜きに楽しいソフトができつつあるのが末恐ろしいところである.

 




13.今後の課題


わくらわサーバにmixi IDを登録してもらうという方式で初期登録の情報量を大幅に削減してはいるものの,新たにユーザ登録してもらう必要があり,ユーザ獲得のためのプロモーションが最大の課題として残っている.前項にも記述した想定する利用形態の絞り込みも必要であろうが,既述のように本成果物は理屈抜きのアヤシイ魅力を放っているので,うまいプロモーションのきっかけを掴めば早期にブレークする可能性がある.

そのプロモーションのためにも本プロジェクトの開発ベースであるFirefoxだけでなく,ユーザシェアが圧倒的に高いIE向けのリリースを早急に行う必要があるだろう.

 



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